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100と0の間が知りたい…!

誰かの実益を考えるとき、
どんな人に話を聞けばいい?

前回は、自分の趣味(取材して記事にして発信してみたい)と、誰か(これから創作活動やライフワークを始めたい人)の実益を兼ねることができたら、ちょうどいいやん!という話題でした。

では、どんな人に取材すると、誰かの実益になるのかな?が、今回の話題です。そもそも、私も「これからライフワークを始めたい初心者」の一人として、改めて考えます。

まず、パートナーになってくれそうな頼もしい指南書を見つけたよ!というのを、前々回の記事で書きました。

おそらく指南書というのは、その道ですごい実績を残しておられる著者の、経験と知識とを総動員して書かれています。

では、すごい実績をお持ちの方にお話を聞けば、指南書と同様、初心者にとっての具体的な参考になるんでしょうか。すごい人がこれまで経験してこられた実際のエピソードや、思考のプロセスなどなど…。

正直なところを言います。そんなの、すご過ぎてですね、具体的な参考にしようにも到底無理な話。というのには、私が創作絵本の教室に通った時の経験も、あってのことなのです。

その教室では、大ベテランの師匠級の絵本作家さんから、当時人気絶頂の旬を迎えた絵本作家さんまで、そうそうたる講師陣でした。直接指導を受ける授業と、先生方のお話を聞く授業があって、とりわけお話を聞く授業に関しては、滅多に聞けない貴重なお話ばかりで、フムフムと憧れは募れども…圧倒的に別世界。

圧倒の連続から、果たして何を参考にできようか。
もうね、全然ピンとこないんですよ。無理っす(笑)

そうしたお話がすぐにピンときて、即、適切な行動に反映できるとしたら、少なくともその人は、相応の才能を自然と持ち合わせているか、あるいは、初心者じゃない(ピンとくるに足るだけの経験値をすでに持っている)。そのように考えていいと思います。

指南書は、初心者にもわかること、できることに配慮して書かれています。お話を聞くのとは、その発信の目的が全然違う。あの教室…初心者じゃない受講生が沢山いたからなあ!私ってば、入ってからそのことに気づいて、めっちゃ及び腰で通ってたもんな…(苦笑)

さて。圧倒的別世界と、その対局に位置する自分。これだと、まるで100か0しかないみたい。100と0、あまりに違い過ぎるとわかっただけ。だけどこれがね、そこそこの落とし穴やなあって思うんです。
だって、そんな風に思い込んでしまった途端、なんだかつまらなくなるじゃないですか。

「ぼちぼち独学」が楽しくなっちゃった今は、その思い込みがもったいなかったなあって思います。そんな風に考えなくてよかったのに。あの頃の自分に言ってあげたい(聞く耳を持ったかどうかは、知らんけど)。

というわけで、「100と0の間にある色々が、知りたい!」実際には、両極の間にはグラデーションのように、多様で膨大なエピソードが存在している、はず!

中でも、今自分が立っている場所と地続きだと実感できる、少し先のほう。目をこらした視線の先で、楽しそうにチャレンジしているような。そのくらいの距離の「先輩」が語るエピソードであれば。
初心者にとっての具体的参考とモチベーションに、直結しそうな気がする。

「別世界」を目指すであれ、私のように「ぼちぼち独学」を楽しむであれ。初心者さんにとって必要なのは、別世界の住人に憧れる気持ちとともに、自分より少し先をゆく先輩のエピソードにふれる機会を多く持つことではないかしら?と考えます。

うん。まずはそういう方々のエピソードを、私自身も聞いてみたいな。

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恒松

【つねまつあけみ・プロフィール】
大阪府堺市出身、在住。
2005年、絵本専門のギャラリー「ピクチャーブックギャラリーリール」を開店。2008年、文具だけを使って製本・豆本作りに親しむ紙工作キット「自分でくみたてる本seedbooks」企画、販売開始。2015年からは、情報サイト「関西ウーマン」で「女性におすすめの絵本」というテーマで毎月コラム記事を担当中。お店を始める前は、印刷物を作る仕事をしていました。
https://galleryrire.tumblr.com/


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