石垣島のカフェと夜の暗闇
明るく色鮮やかな昼下がりの庭と
星々の輝きに圧倒される夜の闇と
こんにちは、北村ハルコです。
なかなか自由に行き来がしづらい日が続きますが、前回の西表島でのカヌーのお話は楽しんでいただけましたでしょうか。
今回は、西表島と同じく八重山諸島にある石垣島で自然に身を任せとっぷりつかるというお話です。
1.カフェのお庭でランチを食べる
2.天文台で星を見る
関西空港から飛行機に揺られること2時間30分。
ウトウトしたり、ガイドブックを見ていたら、あっという間に石垣空港に到着。一面の珊瑚礁に思わず声が出ます。普段見ている海とあまりに違い、透き通る微妙に違うブルーが何層にもなって海面に現れていて、そのグラデーションに見入っていました。
到着後レンタカーを借りて花店に向かいます。友人夫婦が石垣島に移住しカフェをオープンしたというので、旅することになったのでした。オープンのお祝いにと鉢植えを予約していました。
平屋のかわいらしい建物にその花店はありました。南国らしい植物が並んでいました。鉢植えが大きかったので、直接友人のお店まで運んでくれることになりました。道がわからないと不慣れな私たちの車を先導してくれたのでした。
細い山道をぬけ、ほどなくして到着。遠くに特徴的な野底岳も見えます。友人夫婦の平屋建てのかわいらしいカフェは海の近くにありました。
花と木であふれた庭でランチを取ります。友人はハンモックに乗ってゆらゆら。私は今がチャンスとばかりに植物や虫、鳥を探します。
もともと雑木林だった場所を開墾したそうで、とてもじゃないけど私にはできないチャレンジです。移住する前に開墾するという話を聞いたときは半信半疑だったけれど、ほんとのほんとでした。なんでも自然体なご夫婦。聞けば草刈りをしていたらハブがとぐろを巻いて威嚇してきたこともあったとか。
庭には岩のような珊瑚がありました。島では普通のことのようで、庭に利用しているのをあちこちで目にしました。花や木の間をさまざまな蝶々が飛び交っています。蝶々は早すぎてカメラに収められませんでした。
サラダにスープ、パンと次々運んできてくれます。ランチを取っていると上空にはカンムリワシ、アオバト（※1）やヒヨドリやメジロがやってきました。なんとなく私たち人間がお邪魔している感じで謙虚になったりして。
ランチの後、平久保灯台、玉取埼展望台、川平湾へ。あれもこれもと欲張ったので、夕方は駆け足で。島そばを食べて石垣島天文台に向かって出発です。
石垣島は日が暮れると辺りは真っ暗で、都会では考えられない暗さ、まさに闇に覆われます。市街地はよいのですが、19時に予約していた天文台はバンナ公園を通り、山の上にありました。私たちの車は真っ暗な道を慎重に進み、車のライトで看板を確認して山道を行きます。
何も見えないところからガサガサと何か生き物が動く音が聞こえてきます。道中はまるで肝試し。カメに注意という標識があると思ったら、このあたり天然記念物のセマルハコガメが生息しているんだそうです。
ようやく駐車場らしきところに到着。真っ暗闇に係員のおっちゃんがいました。こわくないのかなあ。車から降りて足元をライトで照らしながら天文台の建物に進みます。建物に入ると職員さんから望遠鏡と星のレクチャーを受けました。夜空を直接ライトで照らしながら解説してくれました。そして、星が大きい！！
こんなに星って大きかったのか！街では明るすぎてかすかにしか見えていなかったのかと驚きました。そして石垣島から見えるという南十字星（※2）は、宿からは見えず。南中時刻が合えば島の東側の海岸から海の方向に見えるそうです。自然の懐にどっかり身を任せて心地よい一日は終わりました。
（※1）アオバト：チュウダイズアカアオバトの亜種が見られる。
（※2）南十字星：12月下旬～6月末まで南中時刻前後に観測可能。
【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/
↓本連載のイラストを使ったグッズもあります。
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