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真夏の松本と上高地へ

信州旅1・城下町の風情と
朝もやに煙る早朝の大正池

こんにちは、イラストレーターの北村ハルコです。
第四回は暑い盛りに出かけた信州の旅日記です。

信州の山に行ってみたい、憧れがありました。
実家が浜松だったので山には時々行っていた記憶があり、駒ケ岳、乗鞍、八ヶ岳など、早朝の冷たい空気が何とも言えず好きです。

そして、今回は三泊四日で上高地と乗鞍に行くことに決めました。
上高地は標高が高く奥にそびえる北アルプスの山々と河童橋が有名ですが、さらにアップダウンが少なく歩きやすいというのがあります。
どんな生き物が暮らしているんだろうという気持ちが大きく、ガイドさんに伺いながらの散策を計画しました。

お盆休み初日のこの日、松本駅で待ち合わせ。当時夫は東京に住んでおり、私は関西。上高地・乗鞍に行くには松本・高山二都市から目指すことができます。東京・関西の中間ということで今回は松本経由になりました。
それともう一つ、松本にはよく知っている作家さんがいたからです。

昼前松本駅に到着。駅からは北アルプスの山々が見え、期待が高まります。駅そばを食べ、バスに乗って友人の経営する宿へ。(今はクローズしています。)

その後松本市内観光に。まずは旧開智学校へ。明治時代に作られたその建物は重厚感があり、当時の教科書や家具などが置かれていました。松本は家具や工芸品でも知られた古きよきもの残る城下町。家具店や陶器店など風情のある町をぶらぶらした後、風情ある喫茶店を目指しました。一軒目に目指した「珈琲まるも」はすでに閉まっていて、もう少し歩いて「珈琲美学アベ」へ。レトロな雰囲気が心地よく、二人でモカパフェにチーズケーキ、ホットコーヒーを注文しました。

この日は翌朝に備えて早く寝ようと思ったものの、近くでの花火も見られるというので、徒歩で花火の見える川まで歩きました。花火を見てから夕食。慌ただしく明日の準備をして就寝。

翌朝四時起床。余裕をもって上高地に向かって出発のはずが…。市内から上高地方面に車を走らせ、自家用車を止められる最終地点、沢渡(さわんど)駐車場を目指します。そこから先はバスで行くことになります。ところが、五時台から駐車場がすでに満車。さすがはハイシーズン。周囲にあるまだオープンしていない私設の駐車場の前に列ができていました。いつまでたっても開かず、前に並んでいたお兄さんと一緒に係員に頼みに行き駐車場を開けてもらい、なんとか駐車。
そこからはバスに乗り、すんなり到着。

早めに出たのはもうひとつ理由があって、大正池にかかる朝もやをみたかったからです。

上高地

到着したのは六時半過ぎ。夏の暑い盛り、その時間はごくわずかでしたが、朝もやが出ている向こうに見える焼岳と手前の大正池がなんともしっとりした幻想的な雰囲気を醸し出していました。そしてひんやり涼しい。

大正池から河童橋、明神池というコースで歩くことにしました。
標高1500メートルの上高地。整備された自然研究路を進みながら樹木や草花、鳥を探します。まず見つけたのはキツリフネという小さい花。樹木には蜘蛛の巣のように地衣類のサルオガセがかかっていたり、シシウドの花が咲いていたりしました。アカゲラがコツコツと木をたたいていたり、ゴジュウカラが飛び出して来たり、高原らしい生き物たちがいました。
透き通るほどきれいな梓川。イワナが泳いでいるのが見えました。

上高地2

9時からはビジターセンターのガイドさんといっしょに歩き、たくさんの植物を教えてもらいました。トリカブトがあちこちにあったこと、タマガワホトトギス、川のアイダモがとてもきれいだったことを鮮明に覚えています。上高地の代表的な夏の花、マルバダケフミにはミドリヒョウモンが止まっていました。

河童橋のすぐ近くはキャンプ場になっているのですが、前日キャンプ場でクマが出たらしく、こわいなと思いました。ただ、この時はそこまで強く認識はしていなかったです。

近年のお盆の暑さは体にきますね。ここ上高地でも日差しの強いところでは汗だくになりました。明神池に着いたころには日差しも強く、ガイドさんと別れた後、近くの旅館山のひだやで休憩。アイスコーヒーとスイカのデザートを注文しました。ここも満員でした。
再び河童橋に戻ったころには雲が出始めていました。
昼過ぎに上高地をバスで出発。はらぺこのまま乗鞍岳に向かいます。

(次回につづく)

【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/

↓付録のイラストを北村ハルコさんが担当されています。
『心が育つ「ちょうだい」「どうぞ」「あーん」おにぎりセット』



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