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西表島 カヌーツアー

明るい気持ちになれる西表の風景
大地に身を任せた記憶に残る一日

みなさん、こんにちは。イラストレーターをしている北村ハルコです。
今回は第一回ということで、明るい気持ちになりそうな西表島の風景を選びました。イラストは、マングローブの森に囲まれた川でカヌーに乗って滝をめざしている、そんなイメージです。

西表島カヌーツアーs


西表島は島の大部分がマングローブでおおわれている、八重山諸島の中でも大きく目立った存在です。にぎやかな石垣島とは別世界で。カンムリワシ(※1)も飛んでいました。石垣島を旅行したことがあったなら、合わせて西表島を訪れた方も多いと思います。そこではカヌーや遊覧船で滝を目指されたのではないでしょうか。私もその一人でした。

昨年の冬(2020年のはじめ)、友人たちと石垣島旅行に行きました。
そのうちの一日、石垣島から高速船で西表島に行ってカヌーをしてみたいと思いました。全員が初心者、決して若くないし、ひっくり返らないだろうかと思いつつ…。

滝はたくさんあり、その中から行きたい滝を絞り、一日かけてゆっくり回るコースを探しました。ところがオフシーズン、長い時間のツアーが見当たらず。一件目の業者には三時間ぐらいの短いコースを勧められました。二軒目で七時間かけて二つの滝に行ってくれるところを見つけました。
冬季は波が高く、唯一の交通手段である船が欠航することがあるそうで。上原港行きの船が欠航して大原港を利用するとなれば、カヌーの時間も減るということで、当日までドキドキしながら過ごしました。

西表島地図s

杞憂に終わり、当日は晴天。波もそれほど高くなく、船酔いすることなく港に到着。ツアー業者さんが出迎えてくれました。
アダンの木を横目に見ながら奥へ。カヌーの漕ぎ方をレクチャーしてもらい、いきなり一人乗りのカヌーに乗り込み出発、何度もマングローブの林に向かって突っ込みながら、徐々に漕ぎ方をマスターしていきます。
そのうち慣れてきて、話をする余裕も。オフシーズンで友人たちだけの貸し切り状態。これ以上の贅沢ってないですね。

川を上りきってからは少し歩き、滝を目指します。根が板のようになったサキシマスオウノキがジャングルを思わせます。滝はやはりいいものですね。
そしてまた川を下り、広いマングローブの広がるヒナイ川をひたすら漕ぎます。

下りきって一旦海に出ました。今度は隣の西田川の上流の滝を目指します。ここからの数百メートルは潮が引いていて、水深が浅く、少し漕ぐと舟が進まなくなりました。カヌーを引っ張りながら歩いて進みました。女性には結構な重さです。
そしてたどり着いたサンガラの滝でお昼ご飯。こちらの滝は大きな岩から一度にたくさんの水が流れ落ちるタイプで、濡れていない巨大岩石の上でおにぎりを。多少濡れてもなんとも思わなくなるから、慣れってすごいものです。

大地に身を任せたこの日のことは、たぶんずっと忘れないでしょう。帰る頃には潮が満ちて川幅が広くなって、海でカヌーを漕いでいるような気分に。でも、潮目を読まないと帰れなくなることもあるそう。この日はカヌー業者さんが、雲を見て雨が迫っていることを教えてくれました。雨が降ると海が荒れるようで大急ぎで港まで送ってくれました。自然の変化にもしっかり耳を傾けないと楽しめないという、普段忘れていそうなことも思い出させてくれました。

カヌーの間トイレがないので、それだけは心の片隅に。簡易トイレキットを配ってくれたので、このおかげでなんとか。
普段ペンより重いものを持ったことのない私は、筋肉痛になりました。
好きな鳥を観察する余裕はあまりなかったですが、サギなどを見つけた時にはうれしくなりました。帰宅してこの島の歴史を調べ、こうして楽しむことができているのは先人たちのおかげなのだということもわかり、大きな自然の営みがとてもいとおしく感じます。興味のある方は調べてみてください。

次に訪れることがあれば、またカヌーツアーをしたいです。

(※1)カンムリワシ
日本では石垣島、西表島に生息するタカの仲間。

【西表島へのアクセス】
西表島には石垣島から高速船で片道35分~60分。経由地の有り無し等により異なる。

【北村ハルコ・プロフィール】
○兵庫県西宮市在住。静岡県浜松市出身。
子どもの誕生後、デザインを学び始める。
メーカーでのデザイン職を10年、仕事をつづけながらイラスト塾と絵本塾に通い、雑貨を作り始め関西の雑貨店を中心に活動開始。制作した雑貨が目に留まり、ステーショナリーメーカーのステーショナリーを制作。
その後、イラストを描きたくて2015年よりフリーに。装画塾、デッサン塾などで学びつつ、商談イベント等に出展。現在は、書籍、広告、雑貨イラスト等を描いています。自主制作のZINEを店舗、イベント等で発売中。
〇自然観察とバードウォッチング、旅すること、食べることが好き。
https://kitamuraharuko.jimdofree.com/

↓北村ハルコさんが挿絵を担当した新刊です。


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