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着物と出会ったお話

最初は、汗だくグダグダでも…
やっぱり自分で着るのが楽しい!


こんにちは イラストレーター、絵本作家のRokoです。
まずは私が着物と出会ったお話からさせていただこうかな。

私は20代後半頃、絵本作家になりたくて、そのヒントを見つけるために、京都にあったインターナショナルアカデミーの絵本コースに通っていました。プロで活躍するいろんな絵本作家さんが、楽しいお話をしてくれる講座が多かったです。普通に生活していては出会えない作家さんばかりだったので、いつも興味深く楽しいものでした。

その講座の中に絵本作家の永田萠さんも講師で来られた時があって、着物を着ておられました。
その頃の私にとって着物は敷居が高く、浴衣すら着ることができなかったので、永田萠さんの着物姿に、ただただ憧れたものでした。
凛としたお姿に、優しい笑顔がとても素敵だったなぁ。

絵本教室を修了後ずいぶん経って、私に着物への憧れの気持ちをくれた永田萠さんと一緒にお仕事をする機会が訪れ、着物で再会を果たすことになります。
人生は、本当に不思議な縁の連続ですね!

着物への憧れの気持ちはあったものの、私に着物なんて無理!と思っていたので、発展はありませんでした。思い込みって怖いですね。できることも、できないと決めつけてしまう。

ところが、ある時友達と美術館へ行く待ち合わせをしていたら、彼女が木綿着物を着て現れました。木綿着物を素敵に着こなす友達が本当にかっこよくて、今でも鮮明に覚えています。

身近な友達が着物を着ていたので、ここで私の着物へのハードルが急に下がったように思います。後から知ったのですが、この頃彼女も着物を着始めたばかりで、着物ではじめてのお出かけだったらしく、緊張していたらしいです。そして、その頃私は、絵本作家の仕事で授賞式の出席(授ける側として)が決まっていて、息子の卒園式、小学校入学式も控えていたので、どうせだったらすべて着物で出席したいという気持ちが湧いてきました。

着物を楽しんでいる友達がもうひとりいたので、相談してみると、「もちろん教えてあげるよ!」と我が家まで来てくれました。

「1日しか教えないからね!」って、友達のスパルタ指導の下、1日で全ての着付け(襦袢+着物を着て、名古屋帯結びまで)の手順を詰め込みました。
彼女いわく、着物を着るのは手順を覚えることで、何回も着てみることが大事だと言われました。この日、自分が着付けをしている動画を撮っておいたので、手順が分からなくなると、その動画を繰り返し見ました。

さらに彼女からは、教える条件として「1週間休まずに毎日着物を着ること」を約束させられ・・・・超スパルタ(笑)
真面目な私は1週間休まずに着たので、手順を体で覚えることができたように思います。だから、友達は正しかった!!!
着物が着れるようになったのは、彼女のおかげですね。スパルタって言ってごめんね(笑)

そこから、私のおうち着物の生活が始まりました。授賞式出席、卒園式、小学校入学式までに、きれいに着れるように必死で練習しました。半年ほどかかったかな。

半幅帯から覚えたらよかったのかもしれないのですが、授賞式、卒園式、入学式という目的がフォーマルな場なので、名古屋帯、袋帯の練習をする必要がありました。今思えば、最初から少しハードル高かったかもしれませんね。最初は着物をまだ上手に着れないのでグダグダだし、どうしてそうなるのか?分からないことの連続。毎回着付けに1時間ほどかかっていたと思います。真夏でもないのに、着付けをすると汗だくで・・・どこ走ってきたの?って感じでした(笑)

はじめての木綿着物

〈はじめての木綿着物〉

着物の着付けを教えてくれた友達が、「着付けには個性が出るんだよ」と言っていました。教えてもらった時には、なんのことか?わからなかったけど、そのうち私の着付けにも個性が出てきました。
着やすいように自分なりの工夫をするようになったのです。

着物は、着ないと着付けを忘れてしまいますから、普段の生活に取り込むのが一番だと思います。キレイに着たいって気持ちがあって、練習すれば、自分がやりやすい方法で、それなりに上手になっていきます。
着物に限らず、なんだってそうですよね。練習すればうまくなる!

着物が好きって気持ちが高まってくると、着物について色々と自分で調べるようになりました。You Tubeで帯の結び方を見たり、着物の雑誌、着物愛好家の本などを読み漁り、着付けから着物の格まで、いろんなことに夢中でした。
好きな気持ちってすごいですね。
誰に教えてもらったわけでもなく、私の中に着物の情報量が増える増える。

着物には、いろんな決まりごとがあります。
私は、知っていると知らないのでは違うと思うので、全部分かった上で、自分ならどう着るのか?そこにかっこよさがあるなぁと思います。

フォーマルの場では自分が主人公でないことが多く、例えば卒園式だったら、主人公は息子です。あまり派手な着物を着ると息子より目立ってしまう。だから、控えめで上品な格のある着物がよいとされているそうです。
お祝いごとは二重に重ねるという意味で、袋帯を身につけるとか。でも私は着物の専門家ではありませんので、この辺でご勘弁を(笑)
気になったら調べてみてくださいね。

フォーマルな場面では決まりごとを守る必要がありますが、それ以外では自由です!ファッションの選択肢が増えたことが本当に楽しかった(今も楽しい!)。今日はこのワンピース。今日はこの着物!って選べる!

最初は着付けは下手だし、時間もかかるし、くたびれちゃうけど・・・着れたという達成感!があって楽しい!少しずつ着付けをする時間が短くなってくると、自分の着付けの成長に喜びを感じていました。やっぱり着物は、自分で着れるから楽しいんです!
40分ほど時間をかけて着付けをして、ただスーパーに出かける。たすきや、割烹着を着て家事もしていました。今は20~30分で着付けができるので、着物はもっと身近なものになっています。

そして、半年経って、本番の卒園式。
なぜかトラブルはつきもので・・・卒園式前日に息子が体調を壊し、そのお世話に明け暮れ、ほとんど寝ずに朝になり、卒園式に出席できるのか?という状態で、着付けの時間も予想以上にない状態で・・・本当に焦りました。
もちろん上手な着付けではなかったし、家族全員ふらふらだったけど、なんとか無事に卒園式に出席できました。
小学校入学式の時は、ゆったりとした着付けの時間があったので、よかったです。今見ても、着付けが下手だなぁって恥ずかしいけれど、それも私の思い出です。

Rokoちゃん2021-04-2小学校入学式の着物

〈小学校入学式の着物〉

そんな息子は、今年小学校を卒業、中学校入学です。私は、また袋帯の練習をして、着物で出席したいと思います。

小学校卒業式の着物

〈小学校卒業式の着物〉

着物は、誰だって練習をすれば、着れるようになるんです。この記事を読んでくださっているあなたも、着物に興味を持ってくださったら、嬉しいです。

今回は着物との出会いのお話でしたが、次回は楽しい着物沼の話をしたいと思います。

【Roko・プロフィール】
水彩画の可愛いイラストを描きます。子供関係のイラストの仕事が多く、絵本やいろんなイラストのお仕事を通じて、成長させてもらっています。
絵本は、文も挿絵も両方できます。
★代表作絵本「ねむいねむいおつきさま」「おはなポコポコ」(三恵社)
★絵本のような世界のLINEスタンプ・絵文字・着せかえも人気です。
「日常生活にある小さな幸せ」をテーマに、絵本のような世界を提案しています。自由な線・優しい色合いのイラストは、どこか不思議で、やわらかな雰囲気が特徴です。
https://roko-color.com


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