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生活に溶け込んでいる宇宙開発を知ろう

こんにちは、星空案内人のまいの(mai-no)です。

天気予報がわかること、カーナビ・携帯等の通信環境が整っていること、これらは人工衛星を利用していることは多くの方がご存知だと思いますが、他にどんなことが私達の生活に応用されていたり、役立っているのでしょうか。

地球とは全く異なる環境で…
私達は地球の大気に守られているためあまり感じませんが、宇宙には宇宙線(高エネルギーな放射線)が飛び交っており、数週間宇宙に滞在するだけで、地球にいる時の約30年分の被ばく量に相当するといわれています。
これは人間だけでなく電子機器にも影響を与え、宇宙開発においては避けることはできない大きな課題です。この課題に立ち向かった結果、1990年代、私達の生活に欠かせない新たな技術が誕生しました。

正解は3.スマートフォンのカメラ です。
この発明はNASAの職員だったエリック・フォッサムさんが発明したものです。
宇宙にカメラを持って行っても、宇宙線によってカメラのセンサーが劣化してしまうんです。この問題をきっかけにカメラのサイズをもっと小さくして、でも画質は変わらず良い!という技術が誕生し、たくさんのカメラメーカーで応用されるようになりました。
今では当たり前のようにスマートフォンに付いているカメラですが、きっかけは意外なところだったのです。

地球の外に行かなければわからないこともある
Nikeのシューズの中にエアバッグ(衝撃吸収素材)があるのはNASAの元技術者のアイデアであることは有名ですが、最近はNASAが宇宙服に使う断熱材を応用してアウター等もたくさんつくられています。
ロケットの断熱材は建築物に、精密機器のディスプレイを保護する技術は剃刀の刃やサングラスに応用されていたり…間接的にですが、私達の生活は宇宙開発に助けられています。

逆もまた然り。私達の生活をもっと便利にしようとしてきたことが、宇宙空間で役立つ場合もあります。例えばこちらのサインペン。

宇宙用に開発したものではありませんでしたが、当時主流となっていた万年筆や油性ボールペンは宇宙空間では使用できないことに対し、このサインペンは無重力空間でも使用できるんです。NASAにも認められ、1965~1966年に宇宙飛行士とともに「宇宙を飛んだサインペン」として後に大ヒットしました。

「宇宙にばっかり目を向けて…」「宇宙ビジネス?宇宙開発なんて言われても…」と思う方もいらっしゃるでしょう。そもそも生きていく上で宇宙の知識が必須か?と問われてしまうと、私は「はい、そうです!」と言い張ることはできません。
しかし地球にいても、わかることには限界があります。自分のことを100%わかっていたとしても、他人と接することで自分の新たな一面を知ることができるように、宇宙を知ることで、地球の新たな一面を知ることもできるのです。

次回からはロケットに乗ったつもりで地球を飛び出し、惑星や星をみていきましょう。お楽しみに!


文:まいの(mai-no)星空案内人千葉県出身。本職を星空案内にしたい、明るさと元気が取り柄の看護師。宇宙や星も大好きだけれど、食べ物・音楽鑑賞・書道も大好きです。

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