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【アシスト】四次元ポケットのようなお助けボックス

仕事において、あらゆる場面を想定して準備することで、小さなつまづきは防げる。同じ失敗は二度と踏まないように、という話

先日の現場でのこと、昼過ぎに様子を見に行ったところ、2人の作業員が腕組みをして話し込んでいた。

話を聞いてみると、作業中に交換する予定の部品を破損させてしまったとのことで、どうするか相談しているところにわたしが到着したようだった。



その部品を見て、わたしはコインパーキングにとめた自分の社用車に戻った。あるボックスの中をゴソゴソさがし、その部品をみつけ戻ったところ、2人の作業員が驚いた後に安堵の表情をうかべた。



「うわぁ、何でもってるんですか!」

わたしは少し得意気に答える。

「こんな時のために日頃からストックするよう心掛けているんですよ」



弊社の工事で扱う製品は特殊な市場でしか出回っていない。よって、不備があった場合、ホームセンターやアマゾンなどで手配ができない物が多い。

最近ではインターネットで購入できるものもあるが、納期がかなりかかることもあり、通常の仕入先から手配する方が早いくらいだ。



わたしは年間100件近くの現場に携わることもあり、過去の経験から小さなミスや不備で工事がストップしてしまったり、延期になってしまうケースを散々経験してきた。

そのほとんどが、すぐには手に入らないちょっとした部品や製品が手元にないがために仕切り直しを強いられるケースなのだ。



それゆえ、わたしは普段から工事の際に余った部品や製品を持ち帰ったり、場合によってはその場で買い取ったりして社用車のボックスに収納しておく。

いつしかそのボックスはドラえもんの四次元ポケットのように困った場面をアシストしてくれる存在になった。



現場は何が起こるかわからない、という前提でわたしはあらゆる悲観した想定をする。それでも起こってしまうトラブルもあれど、そうした心掛けでなんなくクリアした現場も数多くあったのだ。



そして、トラブルに見舞われた際も、どこか冷静に今度はこの様なことがないようにと、トラブルシューティングを組み立てている。

それが一種の経験値になり、長い目で見たときの利益の流出に一役買っている。



トラブルの際、内心では「こんなときドラえもんの四次元ポケットがあったらな」と思わず現実逃避してしまう場面も多々あるが、社用車のボックスを粛々と育てる方が現実的だし、わたしらしいと思えるのだ。

失敗が自分を育てる。失敗は繰り返さなければ良質な教材となる


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