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【廃業】「インボイス」という引退のきっかけ
10月始まったインボイス制度。その手続きの面倒さから、元々引退の時期を考えていた高齢事業者がきっかけのひとつにしている、という話
先月から始まったインボイス制度。その手続きや変更事項の対応に現在進行形で弊社も時間を割いているのだが、ここにきて提携している小規模事業者やまわりの高齢事業者の方の「引退」という選択を耳にする機会が増えた。
それらの方々は、今回の制度にかかわらず、近い将来の進退をぼんやりと考えていたのだと思う。
いわば今回の制度がひとつのきっかけとなり、自身の商売においてメリットを見いだせず、肩を叩かれたという感覚なのではないかと推測するのだ。
定年の無い商売人において、引退のタイミングは人それぞれであるが、後継者不在の経営者にとっては「続ける意味がない」という理由もうなずける。
インボイス制度の導入による廃業の増加は一時的なものだと思うが、早かれ遅かれ今後5年以内に大幅な商売人の引退は免れない現状だと思うのだ。
後継者や代わりとなる働き手の確保も期待できないことを考えると、いったいこの先の日本はどうなってしまうのか想像もつかないが、確実に生活においての様々なサービスの低下は起こるだろうし、各既存業界の淘汰もまたものすごい勢いで進むのだろう。
比較的わかい業者は、まわりの競合が消えることで楽観的に自社のみが儲かりはじめると喜んでいるが、現実はその時代の変化にうまく適応しなければ顧客に選択してもらえない事実は今とさほど変わらないとわたしなんかは思うのだが、もともと全体の数が少ない業種においては、すでにその影響がでているらしい。
先日、久しぶりに現場でご一緒したタイル業者の方においては、今年(と言ってもすでにほぼ年末であるが)においてはまだ5日しか休んでおらず、既存顧客の他に新規顧客からの問い合わせが殺到しているようで、大盛況というより、心配なくらいのキャパオーバーを起こしている状況。
この業者にかんしては、わたしから見ても技術や人間性においてかなり優れていることで、このようなバブルが起こっていると思うが、誰もが生き残ってさえいれば仕事に追われる状況を実現できるともかぎらないのである。
インボイスによる大量廃業はひとつのトレンドかもしれないが、これからくるであろう大きな波に対応すべく、一層の成長戦略を考えなければ弊社も台風の目のような、まわりは忙しいが自社のみ開店休業、という残念な状況に陥る恐れがある。
潮目の変化を早くから察知し、適応力を発揮する
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