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トラブル、トラブル、さあどうしましょう?

仕事をしていれば一定の確率で発生するトラブル。そんなトラブルが発生したときの対処法、という話

日曜深夜の夜間工事の際、そのトラブルは発生した。

取り付ける商品の部品が一部発注なされておらず、各部材の梱包物の中をいくら探しても見当たらないのだ。

事前にメーカーから送付された仕様書を確認したところ、仕様書には確かにその部品を使用すると記載されている。つまり、メーカーの方では把握しているのだ。おそらく原因はその先の二次メーカーによる発注漏れである。

夜間工事の案件はトラブルが発生した時点でほとんどの場合、ゲームオーバーだ。リカバリーしようにも各メーカーに連絡も取れないし、部品を調達しようにも店舗や工場の類は閉まっている。

よって、このようなことが無いように、夜間工事の際は日中工事の何倍も注意を払って準備を進めなくてはならない。とはいえ、隅から隅まで一人で把握できるわけではない。各分野での担当にリマインドや確認を徹底してあとは信用するほかないのだが、誰かの不注意や見落としなどのケアレスミスでトラブルは発生してしまうのだ。

そして最終的には工事の責任者である私がすべての責任を被るのだが、このようなトラブルが発生したときに自身に発動するモードがある。

他人のミスであろうがコントロールできない領域であろうが現場ではそんなことは問題ではない。だからこそすぐに「で?どうすんの?」というモードに切り替えるのだ。

現場の雰囲気や作業員、発注者などそれぞれが醸し出す空気を正面から吸い込んでしまうと、おそらく気が遠くなり思考停止に陥る。であるからして、ここは一旦冷静になり、今現在「何ができて何ができないのか」というシンプルな問いだけをまわすのだ。

限られた条件の中からできることだけに着手し、できないことは考えても仕方がないので後回しにする。とりあえず着手した進捗を追いながらさらにできることを考える。そしてできることが無くなったら潔く諦めることも大事なのだ。

ミスを認め、トラブルによってご迷惑をおかけしてしまう関係者に誠心誠意謝罪する。本来はトラブルのないように事を進めるのは当然のことだが、仕事にとってトラブルは気を付けていても一定数の確率で発生してしまうのも事実。

なので、起こってしまったら誠意ある姿勢でできることをやりきり、あとは土下座よろしく謝り倒すしかその場を納める方法はない。

トラブルの最中、そんなことを考えつつ、心の中で謝罪のデモンストレーションを繰り返していたところ、ある作業員が叫んだのである。

「旧型の部品が車両にありました!これで代用できないでしょうか!」

さすが熟練の作業員である。こんな不測の事態を想定していたかは不明だが、ことあるごとに未使用の部品をある程度ストックしていたらしい。

部品の未手配を確認した時点で、この作業員のなかでできることを考えた結果が普段ストックしている部品を収納している箱の中を探してみる、という行動だったらしい。

結局のところ、その部品でとりあえず代用をして、次の朝、メーカーにクレームを入れつつ急ぎの手配の電話をしたのだが、このようなミラクルが起こるトラブルは滅多にない。今回は作業員の機転の利いた行動に感謝だが、普段ならば今頃謝罪疲れの朝を迎えていただろう。

トラブルは一定の周期で巡ってくると心得よう。そしてその際にやれることは限られていると腹をくくるのも必要


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