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理想の集客さえできてしまえば、立場は強気でも大丈夫

会社が置かれている立場において、パワーバランスが発生しやすいのは固定された取引先に依存しているからである、という話

今月に入り、同じ建設業の何社からか「仕事がない」といった具合のお話を耳にした。そのうちの1社にかぎっては、発注元になる取引先が今年に入り工事を受注できていないということから、共倒れ的に影響を受けているということだそうだ。

建設業の構造的に、上層に位置する、大手ゼネコン、中堅ゼネコンなどの建設会社から下流の下請け、孫請けなどに仕事が流れていくという流れがある。その他の町場の業者においても、元請けとなる零細工務店やリフォーム会社などを中心に仕事を依頼されるといったかたちは、案件の大きさは違えど、集客や管理にかんしては元請業者任せということもあり、その源流となる元請業者が不調であれば影響はダイレクトに受けてしまうのが、下請業者の宿命といえるだろう。

話を聞いた業者においても同じような話で、それも1社の元請業者の仕事が9割を占める依存度で、実質的に今年に入り売り上げは半分以下となっているというのだから事態は深刻である。

下請の立場的に、仕事をいただいている以上、自社で集客や営業を禁じられている業者は多い。厳密に言えば、元請業者が自社の仕事での職人の確保という点で無言の圧をけているということらしい。

よって、建設業の個別の業者が自社のホームページをもっているところは少ない。集客や営業への意識のうすさから、たとえ自前のホームページを持っていたところで、看板代わりの会社内容を掲載してる程度のところが大多数である。

一般消費者などがネットから情報を得ようとも、情報が乏しいのはそういった背景が影響しているということもあるのだと思う。

だが、この様な源流の停滞という事態に陥ったからといって、当面の生活や会社の売上げの面倒を元請業者がみてくれるわけではない。であるならば、しがらみやパワーバランスがあろうとも、やはり自力で集客できるスキルはもっていて損はないのだ。

決して、全業者が一般消費者へむけて営業をかけようということではない。せめて、こうした事態も想定して、1社依存は回避したいというところだと思うのだ。

弊社も法人、個人の顧客が存在するが、他人に商売の浮き沈みを委ねるような危ないマネは避けたいということから、数年かけて足元を固めてきたつもりだ。そのかいあって、今では新規の取引先や個人のお客にかんしても、無理難題、横柄、こちらの事情もお構いなし、という方からのご相談はお断りできるまでの状態になったのだ。

自社の意図とは別に、どこかに完全に依存して寄りかかっているという状態は、こちらの意思も汲み取ってもらいづらく、対等な関係の仕事の進め方もできないことから、立場も弱くなり、ハードワークや理不尽な値引きなどに付き合わされるケースが多くなってしまうのだ。

自力をつける。ただそれだけで、そういったマイナス要素を排除できるといったら、自身で仕事を取りにいくだろうか?業界の慣習や、構造はわからなくもないが、そういった見えないしがらみは、いざというときには何の保証にもならない。

自分の身は自分で守る、その意識だけが最後は頼りになると思うのだ。

商売を自らコントロールできる立場になる。それだけでリスクは大きく減少する


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