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【工数】何発でその相手を倒せるか?

ひとつの案件に対して、完了するまでにどれだけの工数が必要になるか。理想は一発で完結することだが、実際は・・・という話

わたしは以前から、仕事に対してどれだけの工数を意識しているか?ということをnoteにも書いてきた。

昨日、弊社に飛び込んできた同業者はどうやらその辺の意識がうすかったらしい。



およそ1ヵ月前、その同業者の方と仕入先でバッタリと会い、軽い世間話をした。お互いの近況報告から、その方が少し大きな仕事を受注したという話をうかがった。

工期は約1ヶ月で、工事金額はおよそ1000万。それだけを聞けばうらやましいかぎりであるが、内情はそんなお気楽な話ではなかったようだ。



昨日飛び込んできた理由は「資材を貸してほしい」とのことであったが、現場では変更事項も多く、工期も予定を大幅にズレ込む見込みらしい。見積りの想定より材料費がかかり、その追加費用はもらえるかどうかもあやしいところなのだそうだ。

この先どう着地するかはわからないが、聞いた話をまとめると工期は2ヶ月におよび、支払ってもらえる金額は1000万円だが、利益は減る一方ということになる。



この手の現場に巻き込まれると、最優先事項が「とにかく現場をおさめる」ということになり、完了後、そろばんを叩き直すと雀の涙ほどの利益しか残らないケースが多い。

そしてその期間中は現場につきっきりということで他の仕事まで手が回らない。ようは、利益のほとんど取れない仕事に2ヶ月間忙しく拘束されただけ、ということになる。



その同業者の方は気の毒であるが、これを機に受ける仕事の内容は精査した方が身のためだと思うのだ。

零細企業にとって、1000万円の仕事は金額だけ見れば悪くない。ただ、その仕事の内容が上記のようなもであれば、受注する価値はないとわたしは考える。



仮に最終的に残る利益が1割として100万円だとしよう、それを2ヶ月かけて回収するのだ、1ヶ月50万円の利益ではいくら零細企業といえどもきびしい。しかも他の仕事を同時並行で進めることができないならなおのことだ。

わたしたちのような工事を売り物にしている商売であるならば、1000万円という金額はザラにあるが、その1000万円の中身が重要になってくる。



利益にもよるが、できるだけ少ない工数(やり取り)でゴールである1000万円に辿り着くのが理想だ。利益が100万円としても、それを一発で終えるのか10発かかってしまうのかで大きく意味合いが変わってくる。

であるからして、話をもらう段階で、その仕事の工数を意識して面倒か否か、利益がとれる仕事か否かなどを考える必要がある。

すべての仕事が徒労に終わらぬよう、受注のルールは自社で定めておくと振り回される機会も減るだろう。

魅力的な表面にまどわされず、本質を見極めるクセをつけるべし


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