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【苦しいのは甘えじゃない】うつ病になった大学生が伝えたい「うつ病のリアル」

みなさんこんにちは、Gaku-yomu編集部ライターの百舌鳥(もづ)です。

衣装ケースを何個か持ち上げただけで筋肉痛になってしまった上に、最近は階段の昇り降りで音をあげています。なので、そのうち東京都某所の駅の階段から筆者が降ってくるかもしれません。それだけはなんとかして避けたいです。

さて、そんなことより本題に入りましょう。

今回は前回までの記事とは少し毛色の違う、筆者が大学生活で悩まされた「あること」についての記事になります。

筆者、うつ病になる。

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「うつ病」

みなさんも一度は聞いたことのある言葉ではないでしょうか。

もしかしたら自分もそうだという方や、周りの人がそうだという方もいるかもしれません。

筆者は大学1年生のときに「うつ病」と診断されました。

治療を受け始めて今年で2年が経ちます。今は処方された薬のおかげでよく食べるようになり、よく寝られるようにもなって、ようやく毎日自炊ができるというところまで戻ってきました。

今日は、筆者がどのようなことを経てうつになり、その後今までどうしてきたのかなどについてお話ししようと思います。

(症状や原因、治療法などについては必ず個人差があり、人によって違います。あくまで筆者の場合どうであったかに基づいていることをご了承ください。)

原因

これについては、環境による影響が大きいと考えています。

自分を頭ごなしに否定してくる人間が家族や学校にいて、その中に長く身を置いていたということが原因の一つです。

また、筆者が小学6年生の時、委員会の仕事で失敗した際に担任に言われた、

「(担当の先生に)見捨てられちゃったんじゃない?」

という言葉をきっかけに「失敗すると人に見捨てられる」と思うようになり、それによって完璧主義になってしまい、完璧になれない自分への自己嫌悪が強くなったことも原因として挙げられます。

それによって休むことや息抜きをすること、いい意味で手を抜くということができず、少しずつ疲弊していってしまったのだと考えられます。

筆者の場合は、もともとの性格が影響していなかったわけではありません。

幼い頃から自分を主張することができず、小学生の頃にはいじめられたこともあります。 親からも否定されるような言葉を日常的にかけられていたこともあって、自分で自分を否定するようになってもいました。

これは後になって気づくのですが、筆者はどうやら両親とはあまり人間的に反りが合わないようです。

また、悩んでいることを人に相談することができない性格だった上に両親や先生とはあまりにも性格が違いすぎて物事の捉え方が合わなかったため、いじめられていたことはどちらにも言いませんでした(未だに言っていません)。

このようなことが原因で、ついに大学1年生の9月頃に今までの疲弊の蓄積が大爆発しました。

この頃には親から電話やメッセージが来ているだけで胃が痛くなって呼吸が浅くなり、涙が出るようになってしまい、授業も休みがちになっていました。

症状

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ではうつ状態になると、実際にどうなってしまうのでしょうか。

全て筆者の実体験でいくつか症状を挙げていきます。

①気力がなくなる

まず、あらゆることをする気力が失われました。家事、勉強、好きなこと、果てには家から出ることすらできなくなってしまいました。片付けをすることもできなかったので当時の筆者の家は悲惨な状態でした(足の踏み場くらいはありましたが…)。

②食欲がなくなる

お腹は空くのに食欲がないという状態が続きました。料理をする気力ももちろん失われているので、自分で何かを作ることもできません。1日に1食摂ればいい方で、何も食べない日も頻繁にあります。

当時飲食店で夜からアルバイトをしていたので、そこでもらうまかないがその日一番最初のまともなご飯、なんてこともよくありました。

③眠れない

どんなに疲れていて寝たくても、眠りに落ちることができない。眠れても眠りの質が悪すぎる。眠れないということは疲れも取れないので、どんどん疲労が溜まっていくことになります。

そうなるともちろん体調も悪くなり、精神的にも磨耗されることになるのです。

④体が動かない

朝目が覚めて、学校に行く準備をしなくちゃと思うのに体が動かない。目は開いているのに首から下が全然動いてくれないのです。こうなったらその日はベッドから動くことができず、これで授業も休みがちになってしまいました。

⑤発作的に涙が出る、呼吸が浅くなる

これは想像しづらいかもしれませんが、何も理由やきっかけがあるわけでもなく苦しくなってしまい、涙が出るようになります。また、呼吸が浅くなってしまい、筆者は過呼吸とまではいきませんでしたが、それに近い症状がありました。

⑥希死念慮

もともと筆者は、「これ以上状況が悪くなる可能性がある」というリスクがある場合には、「それなら死んでしまった方がいいのでは?」と考えていましたが、

うつ状態になってからはそのロジックを完全に飛ばしてしまい、「自分は何もできない。何もできない自分は生きている価値が無い、生きていてはいけない」という自己嫌悪による希死念慮に変わっていました。

このようなことが続き、10月になる頃には筆者はほぼ不登校になってしまいます。

そのあとどうしたの?

①学生相談室

さすがにまずいと思った筆者は、まず学校の学生相談室の予約をしに行きます。

そこで自分の今の現状と、病院に行きたいという旨を伝え、心療内科を紹介してもらうことになりました。

②心療内科

ここでも先生に自分の現状を話します。

・わけもなく憂鬱になったり涙が出たりすること
・ご飯を食べることができず、最近はほとんど食事をしていないこと
・寝ることができないこと
・大学に行けないこと
・親と確執があり、連絡が来るだけでパニックになってしまうこと

初回の診察ではこのようなことをざっくり話しました。

そしてうつ状態になった上での生活のアドバイス(例えばごはんが食べられない時はチョコレートなどでとりあえず糖分を摂ることなど)、薬の処方などをしてもらい、その後、診察を重ねて症状の変化などを報告し、それに合わせて治療方針を変えていくという形でした。

経過

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治療を始めて約2年。うつ病の治療には時間がかかります(筆者は早めに治療を始めたことでかなり短い方らしいです)。

大学の授業にも復帰し、自炊も再開、休日には掃除や家事をしたりと、だいぶ元の生活に戻ってきました。

意識的な面では、「できることだけをやる」、「無理をすること=頑張ることではない」と思うようにしています。

心療内科の先生にも順調に回復してきていると言われていて、薬の量も減らせています。

とはいえ、うつは再発の可能性も高く、治ったらもう大丈夫ということはありません

睡眠・食事を中心に、休息をしっかり取って、まずは体を健康に保つところから始めなくてはいけないのです。

おわりに

もしこの記事を読んでいる方で、疲れているのに眠れない、お腹は空いているのにご飯が食べられないなど、普段通りの生活ができないという状態に悩んでいる人がいたら、まずは学校の相談室に行ってみることをおすすめします

希望すれば心療内科を紹介してもらえるかもしれませんし、何らかの手立ては考えてくれるはずです。

苦しいと思うことは、甘えでも怠けでもありません

うつ病は絶対に治るとも言えませんが、症状を抑えられる治療があります。それは人によってそれぞれなので、筆者が今回お話しした内容は一例でしかありません。

それでもこの記事が、同じように苦しい思いをしている学生の助けになればと思います

(本サイトはこちら:【苦しいのは甘えじゃない】うつ病になった大学生が伝えたい「うつ病のリアル」

(文/百舌鳥)

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