理学療法士・ピラティスインストラクターが考えるHIIT
1．はじめに
近年、ダイエットや心肺機能向上を目的とした高強度インターバルトレーニング（以下：HIIT）をよく耳にするかと思います。
このHIITとは、短時間の激しい運動とそれに続く回復機関として定義されています。
最近の身体活動ガイドラインでは、HIITの有効性を評価する研究が求められています。その中でHIITは心血管代謝リスク、心肺機能の健康状態（CRF）、認知力、および若者の健康状態の好ましい変化を促進できることが実証されています。
しかし、これらのレビューは小児に対しての報告が混合していたため、今回は小児に対してまとめていた内容を元にしています。
2．方法
今回主な対象者が小児という事もあり、体育でのHIIT実施における影響を考察していました。
１）5～17歳の参加者 2）学校環境でのHIIT介入2週間の期間 3）コントロールまたは比較運動グループ 4）健康関連、認知、身体活動、栄養またはプログラム評価の結果 5）英語で発表された独自の研究
すべての結果についてHIITグループと対照グループ間でメタ分析を実施されていました。
3．結果について
1．身体的健康の結果
HIITは胴囲、体脂肪、BMI、CRF、安静時心拍数、恒常性モデル評価ーインスリン抵抗性（HOMAーIR）および低密度リポタンパク質コレステロール（LDL）のメタ分析で支持されていました。
大きな変化がみられたものは、胴囲、体脂肪率、およびBMIでした。また、CRFでも変化がみられていました。
2．HIITプロトコルの比較
そのほかの結果では、有酸素トレーニングと有酸素トレーニングにレジスタンスまたはプライオメトリックトレーニングを加えたものを比較した結果の報告もありました。
この研究は12週間のHIITの効果と、12週間のプライオメトリックトレーニングとHIIT（P+HIIT）を組み合わせた効果を比較するものでした。
対象者は62人の女性で年齢は16.6±1.3歳。運動のグループを3つに分け（HIIT群、Ｐ+HIIT群、運動なしのコントロール群）実施していました。
※P+HIITの内容は、15秒の受動的回復を伴う3つの異なる15秒のプライオメトリックトレーニングのセッションあたり2ブロック、各プライオメトリックトレーニングで合計2分+同じHIITプログラム
比較した項目は人体測定、生化学的検査、体力、およびエネルギー摂取量のデータでした。
結果として、HIIT群、P+HIIT群共にすべての数値に改善がみられました。その中でもＰ+HIIT群の方がより大きな改善がみられていました。
4．まとめ
・HIITは成人だけでなく、小児および青年に対しても身体的な変化を期待することができる。
最後にこの記事を読んで少しでも参考になりましたら、スキまたはフォローをよろしくお願いいたします♪
理学療法士・ピラティスインストラクター 辻川真悟
参考・引用文献
・Effects of High-Intensity Interval Training in School on the Physical Performance and Health of Children and Adolescents: A Systematic Review with Meta-Analysis
・School-based high-intensity interval training programs in children and adolescents: A systematic review and meta-analysis
2022 May 4;17(5):e0266427.
・Racil G, Zouhal H, Elmontassar W, Abderrahmane AB, De Sousa MV, Chamari K, et al. Plyometric exercise combined with high-intensity interval training improves metabolic abnormalities in young obese females more so than interval training alone. Applied Physiology, Nutrition & Metabolism. 2016;41(1):103–9. pmid:26701117.
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