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【夢ゼミ】安心安全をベースにして、変わっていく勇気をもらえる場。それがコーチングゼミ。

隠岐國学習センターでは今年度からコーチングゼミを開講してきました。講師は若柳翼さん。海士町在住のプロコーチです。5〜7月に第一期を開講し、11月からは新しいメンバーを迎えた第二期を始めています。

「高校生の姿から学んだこともあるんです」と若柳さんは嬉しそうに言います。ゼミをひもといていくと、学びの場をデザインするときに大切にしているこだわりも見えてきました。リラックスしながら読んでもらえたら嬉しいです。

澤:若柳さんには今年からコーチングゼミを担当してもらっています。第一期、第二期とやってもらっているわけですが、そもそもコーチングゼミをはじめようと思ったきっかけはなんでしたか?

若柳:きっかけは2つありました。ひとつは高校生のありぽん(高本亜梨紗さん)から「コーチングについてもっと学びたいんです」と声をかけてもらい、90分のワークショップをしたんです。参加した高校生から「部活やクラス、寮で役立ちそう」というリアクションがあり、それならばと継続的に学べる場を立ち上げました。

もうひとつは、ぼくも学生のときにコーチングに出会うきっかけをもらい、今では仕事にしているので、ある種の恩返しの意味もあります。

澤:確かにコーチングゼミとして開講する前から、高校生と大人が一緒に学ぶ場をつくっていたよね。

若柳:色んな人が色んな形でいるというのはそれだけでギフトだと思っているんです。日々関わっている人だけではどうしても偏ってしまうけど、色んな世代が混ざることで、問題だと思っていたことが実はそうでもないかもと思えることもありますよね。

高校生だけ、大人だけよりは、一緒に混ざりながら学んだほうがより「コーチャブル」な場ができると思っています。高校生は教わる人、大人は教える人と固定されずに、役割が入れ替わるのもいいですよね。

澤:「コーチャブル」っておもしろい表現だね。あらためて言葉にするとしたら、それってどんな場なんだろう?

若柳:コーチングってその人の感情や感覚にフォーカスするんです。そこを起点に「本当はこういうことをやりたいのか」や「こういうことを怖がっているからやりたくないのか」に入っていくので、感情や感覚をオープンにしやすいというのは「コーチャブル」の前提になってくると思います。

自分よりも相手を変えようとしてしまうのは「コーチャブル」ではないと思いますね。でもそれを責めてもしょうがないので、「相手を変えようとしてますよね。それ、おかしいですよね。」ではなく、「変えようとしているように見えるけど、そこにはどんな感覚(期待や不安)がありそうですか?」とその人に視点を向け直していくことを大事にしています。

「安心安全で勇気づけられる場」という言葉がコーチングにはありますが、自分のことを安心安全に出すことができ、そうすることによって次に向けた勇気をもらえる場が「コーチャブル」な場なんだと思います。

澤:具体的にコーチングゼミではどんなことをしてるんですか?

若柳:第二期ではコーチングとリーダーシップを両方扱おうとしています。部活やマイプロジェクトに役立ててもらおうと思いそうしたんですが、いまのところ生徒はコーチングのほうに興味がありそうですね。

一回目はデモセッションということで、ぼくのコーチングを見てもらい、実際に受講者同士でもやってみました。二回目は「偏愛マップ」(「好きで好きでたまらない」ことを見つける)や「純粋意欲」(好きか嫌いかをこえて「ついやってしまう」ことを見つける)というワークをしました。

相手のポジティブなエネルギーを引き出すのがコーチングのひとつでもあるし、自分らしいリーダーシップの源になると思っているので、二回目はこんなことをやりました。今後はこれをベースにしてコーチングやリーダーシップを深めていこうと思っています。

澤:高校生とやることで発見もあると思うんですが、例えばどんなことがありましたか?

若柳:高校生は発想が柔らかいですよね。価値観や純粋意欲もどんどん変わっていくから、「これが自分の価値観です。ずっと変わりません。」というよりは「ひとまず仮置きでいいから、今はこれを大事にしてるんだよね。」と思ったら、それを手がかりに試してみる。試着するような感じで、しっくりきたらそのままでいいし、違うなら脱いでしまえばいい。その身軽さというか、どんどん世界を広げていくエネルギーは魅力的ですよね。

澤:変わっていくのはいいことなんだ!というメッセージは大事にしたいよね。

若柳:歳をとればとるほど変わらない何か、一貫した何かをほしがっちゃうけど、自分の軸があると良くも悪くもそこから外れにくくなっちゃうからね。

"Connecting the Dots"という言葉があるように、点を点をつないでいくのが大切だというけれど、そもそも点を打たないとつなぐこともできないし、一見まったくつながらなそうな点を打つことに「それ、意味あるの?」「それ、効果あるの?」と躊躇していたら、振れ幅が小さくなってしまう。

原体験をどんどんつくらないと分からないよねというのがあるから、やっていく中でどんどん変わってもいいんだというのは、むしろ高校生の姿から学ばせてもらいました。

「何歳になっても原体験をどんどんつくっていこう、変わっていく喜びを楽しんでいこう!」と、高校生にも大人にも伝えたいですし、変化していく喜びに触れられる場に育っていくといいなと願っています。

澤:このゼミをひとつのきっかけに、それぞれが原体験を重ね、世界を広げていけたらいいね。今日はありがとうございました!引き続きよろしくお願いします!

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