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アドラー心理学の実践には順序があります

ついに『嫌われる勇気』を理解するシリーズの集大成です。

今回は、今までの内容を踏まえながら、アドラー心理学を日常生活の中で実践する方法をお伝えします。

今までの記事を読んでいない方は、こちらからお読みください。

なぜアドラー心理学の実践は難しいのか

今まで僕は、アドラー心理学の各項目についての記事を書いてきました。しかし、これらを個別で理解するだけでは、アドラー心理学を実践することは難しいと思います。なぜなら、アドラー心理学の実践には順序があるからです。そこで、アドラー心理学を実践する流れを図に書いたので、まずは下図をご覧ください。

アドラーの流れ

これが今回の記事の結論となるのですが、それぞれの繋がりについて詳しく解説していきます。

自己受容であらゆる鎖を解き放つ

アドラー心理学の実践で最も大事なのは「自己受容」です。「自己受容」ができないことには、前に進めません。

「自分が他者からどう見られているか気になる」「他者から認められたい」「自分にとって最善の道を進む勇気がない」

これらはすべて、

「今の自分には価値がない」もしくは

「あの人に認められないと自分には価値がない」

と思っていることが原因です。自分で自分の価値を認められないから、他者に依存するのです。

よって、「自分には価値がある」と思えるようになれば、自己への執着がなくなり、承認欲求もなくなり、勇気が持てるようになります。

こうして初めて「他者信頼」の扉の鍵が開くのです。

他者信頼で「仲間の関係」を築く

対人関係のステージに立ってまずするべきことは「他者信頼」です。「他者信頼」とは「一切の条件をつけずに、他者を信頼すること」です。

「他者信頼」とは、キャッチボールです。

自己執着

上は自己受容ができていない人の対人関係です。自己受容ができないと、自分に執着しているので、ベクトルが自分に向いています。ベクトルが自分に向いている人は、「他人は自分に何を与えてくれるか」と考えているので、自分がボールを持っていることに気づかずに、ずっと相手から来るボールを待っています。

他者信頼

そして上が、「他者信頼」の対人関係です。「自己受容」ができると、自分に向いたベクトルがなくなります。そこで、自分が持っているボールを積極的に相手に投げかけるのです。すると、大抵の人は信頼のボールを返してくれます。信頼のキャッチボールが成立すれば、他者と「仲間の関係」を築けたことになります。

しかし、もしかしたら、相手は自分が投げたボールを奪って逃げてしまうかもしれません。つまり「恩を仇で返す」行為です。

ここで「課題の分離」の出番です。相手がボールを返すか、奪ってしまうか、それは自分には操作できない「相手の課題」です。対人関係において「自分の課題」は、持っているボールを相手に投げることだけです。もし裏切られたら、とても傷つきます。でも、自分が悲しむことも含めて責任を持つ。これが「課題の分離」です。

「課題の分離」を実践し、「他者信頼」をすることで、「他者貢献」の鍵が開きます。

他者貢献で「貢献感」を得る

自己受容・他者信頼をすると、他者が「仲間」に変わります。仲間とは、競争相手ではなく、貢献する対象です。ここで積極的に他者に貢献することを「他者貢献」と言います。他者貢献をすることで、アドラーが幸せの定義としている「貢献感」を得ることができます。

ここで注意すべき点は、他者に自分の貢献が認められるかどうかに関係なく、「他者貢献」をすることです。つまり、貢献感は「主観的な解釈」で良いということです。

例えば、家族のために食器を洗ったのに、誰にも気づかれなかったとき、「なんで誰も気づいてくれないんだ!」と嘆くのは不自由な生き方です。自分の優しさに気づくかどうかは自分には操作できない「他者の課題」です。

自分の課題は、認められるかどうかに関わらず、たくさん優しさを与えることです。そして、自分の行為によって「貢献しているな」と実感することです。

共同体感覚からさらなる自己受容へ

他者貢献によって「貢献感」が得られると、「自分はここにいてもいいんだ」という「共同体感覚」が得られます。「共同体」という言葉から「学校」「家族」「会社」などの閉じられたコミュニティをイメージしてしまいますが、アドラーは「国家や人類…過去から未来…動植物や無生物までも含まれる」(p.180)としています。

「過去?未来?むせいぶつ…?」とさっぱりだと思うので、もう少し具体的なイメージで表現するなら、「自分は世界の歯車として機能している」といった感覚でしょうか?


そして、共同体感覚はさらなる自己受容を生みます。このような、自己受容→他者信頼→他者貢献→共同体感覚→自己受容→他者信頼→…という幸せの強化サイクルが、アドラー心理学のゴールです。

アドラーの流れ

まとめ

以上が、アドラー心理学実践の流れです。

このように、アドラー心理学の実践には順序があります。

「自己への執着」が強い人が、「他者信頼」や「他者貢献」、「共同体感覚」などを語っても、机上の空論になってしまいます。

僕自身、今までは他人に認められるために生きてきました。自分に価値があると思えれば、それが人生のゴールだと思っていました。

しかし、「自己への執着」をやめて「自分は他者に何を与えられるか」を考えるようになってから、人生が楽しくなり、色々なことに対してエネルギッシュになることができました。このブログを書こうと思ったのもそのためです。

自分の価値が実感できてはじめて、本当に意義のある人生のスタートラインに立てるのです。

まずは、「自己受容」から始めてみましょう。

そして、自己受容のコツはこちらの記事に書いてあります!ぜひご覧ください。


最後までお読みいただきありがとうございました。

では(o'∀'o)ノ))マタネ-





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