東京についてあれこれ【終末京大生日記36】

 4月から東京に住んでいるわけだが、やはり日本の首都たる東京について思うことがあったので記述していこうと思う。


 私の地元には大学の選択肢も就職先の選択肢も多くはなかったが、関東には全て揃っている。いい中学、高校、そして大学もあり、企業もあらゆる業種が揃っている。(メーカーは地方多めかもしれないが)関西にも多くの中高そして、大学があったがやはり東京の方が勝る。


 さて、東京には学校や企業が揃っており、美味しい飲食店や、楽しいレジャー施設などもたくさん揃っている。一方、私は地方の街で育ち、さらに祖父母は過疎地域と呼ばれる地域に住んでいる。ついこの間就職の挨拶に行ってきたばかりだが、やはり、都市部に比べると人は少ないし、高齢化も進んでいるだろう。私は地方・京都・東京と居場所を変え、日本の大まかな現状を分かったつもりでいるが、この関東という地で生まれ、一度も地方を見ずに育った人は、今まさに日本が落ち目の真っ只中だという事実を真に理解することができていないのではないかと考えている。


 ここからはかなり個人的な考えの開示になるがよければ読んでいただけたらと思う。東京ではどの街へ行っても労働者たちが昼には仕事をし、夜には大きな声で盛り上がり酒を飲む。常に街はテーマパークのようでちょうど乗り物も混んでいる。


 一方の日本は少子化に悩まされており、その現実は女性一人当たりが生涯に生む子供の数である合計特殊出生率に表れている。人口を維持するためには合計特殊出生率が2.06と言われているのに対し日本は2021年現在、合計特殊出生率も1.37しかなく、東京に関しては1.12しかない。都市部ほど低い傾向があり、埼玉・千葉・東京・神奈川は全て全国平均を下回る。


 一方、トップは沖縄で1.79となっており、宮崎なども1.61と高い。家賃や生活費、教育費などの費用が高いからこのような結果になっていると私は考えている。


 私はこの現状を踏まえて、東京への人口流入をもっと抜本的に減らす策が必要なのではないかと考える。最近だと私立大学入試定員厳格化などは有効な策だと思ったが、やはり東京には人が集中している。私はこの方向で、東京に新しい学校を作る認可を厳しくしたり、東京にある学校、特に入試難易度があまりにも低い大学に関して、助成金を絞るなどの方法は取れないだろうかと考える。そもそも、日本の大学進学率は5割を超えているが、高等学校の教育内容の範囲を理解できている人がどれほどいるだろう。Marchと呼ばれる大学で上位10%程度なら、高校の教育課程を5割も理解できているはずがない。それならば、都市部を中心に大学レベルの教育が認められない学校を減らすことは考えられるのではないだろうか。


 そして、これはドラスティックすぎるかもしれないが、例えばマンションの高さ制限など、直接的に人口の集中を抑える政策も最悪の場合必要なのではないかと考える。このように都市の人口を抑えれば、自然と企業も出生率の高い地方へ流れると考えられるし、その方が良いのではないか。私も地方にたくさんいい企業ができれば是非ともそこで働きたい。


 もちろん上記の意見には綻びも多いだろうし、さまざまな批判が考えられる。その中で私が強調たずねたいのは、「このまま東京に人が集中したままで、地方が廃れても良いのか?」ということである。私の提案のデメリットは地方を創生させるというメリットに勝るのか。


 色々具体的なことを書いたが、私が実現したいビジョンは都市の人口や資源を地方に分配し、地方を創成し、日本全体の少子高齢化を解消することである。瑣末な問題よりもビジョンを最後に強調する。



P.S.

私の死に場所は東京ではないと考える。今はいい大学・いい企業というルートで日本社会というものを勉強している最中であるが、3,40代になったら地元にでも引越し、そこの企業でのんびり働きたい。あと、最近、社会問題を考えるにあたり、経済学を学びたい欲が強くなっている。そのうちまた大学に行くかも。

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