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小さなリスクを取る生き方を目指して

司法試験の合格発表も終わって、やっと司法試験の呪縛から解放されて心穏やかな日々を過ごしています。

さて、最近自分の意思決定の仕方が少し変わったなと思うので、今回はその話をしたいと思います。

典型的な失敗できない人間

自分は失敗したときのリスクを大きく見積もってしまい、何か物事を始めようと思っても「失敗したらどうしよう、、、」という不安で前に進めなくなってしまうタイプです。

これは自分の受験勉強のやり方にも表れている部分があります。今回の司法試験でも、おそらくほぼそんな可能性はないのですが、「短答式試験で足切りにあってしまったらどうしよう、、、」と不安になり、直前期は徹底して短答の勉強をしていました。

とにかく失敗の可能性を0にしたいと思ってしまい、こういった行動にでてしまうわけです。

司法試験のように、落ちたときのリスクが大きいときはこの性格も役に立つわけですが、人前で恥をかくとか、そういった失敗すら苦手で、典型的な失敗できない人間になってしまっていました。

少しずつ失敗を許容できるように変化

ただ、最近は少しずつ意思決定の仕方が変化してきました。

というのも、自分はスタートアップに興味があり、その界隈の方をTwitterで多数フォローしているのですが、そうすると毎日のように「リスクをとれ!」「失敗を恐れるな!」という言葉が目に入ってくるわけです。

これだけ毎日言い聞かせられていると、自然と自分の意思決定の仕方にも影響が出てきました。

例えば、自分の尊敬する方と会食に行く機会を得たとします。その際に、複数名で食事に行くか、二人で食事に行くか、どちらでもいいよと言われたとしましょう。

今までの自分なら、おそらく複数名で食事に行くという選択をしていたと思います。「せっかくなら二人でゆっくり話をしてみたいけど、もし緊張してうまく話せなかったら、、、」みたいな思考になり、緊張が緩和される複数名での食事を選択してしまうわけです。

ただ、よくよく考えると、緊張してうまく話せなかったとしても、財産を失うわけでもなければ、何か身体に影響がでるとか、そういった重大な事態は何一つおきません。ちょっとその場で気まずくなってしまう、それくらいの失敗です。

「それなら二人でゆっくり話をして仲良くなるチャンスをつかんだ方がいいやん」、そういった選択をするようになりました。

起業をするか否かみたいな人生がかかった選択ではないですが、こういった小さなリスクを少しずつとれるようになってきたのは、自分にとって大きな変化だなと思います。

リスク回避的な人間とリスク中立的な人間

経済学の本を読んでいると、人間のモデルとして、リスク回避的な人間とリスク中立的な人間がでてきます。

例えば、80%の確率で100万円をもらえるが、20%の確率で10万円を支払わなければならないゲームがあったとします。他方で、このゲームに挑戦せず、確実に50万円をもらうこともできるとしましょう。

ここで、ゲームに挑戦することで得られる利益の期待値は、100万×0.8-10万×0.2=78万円>50万円です。なので、期待値で考えるとゲームに挑戦したほうがお得ということになります。

しかし、世の中にはこのゲームに参加する人ばかりではないと思います。「何もしなくても50万円もらえるし、ゲームに参加したら10万円も損するかもしれないし、安全に50万円もらっておこう」と考える人も一定数いるのではないでしょうか。

このように、期待値が高いか否かで自分の行動を決定するのがリスク中立的な人間であり、できるだけリスクを避けて確実な利益を得たいと考えるのがリスク回避的な人間であると言えます。

失敗をするのが苦手な人間は、自分の意思決定も自然とリスク回避的になってしまいます。

確かにリスク中立的な人は失敗することがあるかもしれませんが、何回も同じような意思決定を重ねていくと、リスク中立的な人は期待値に近い利益を受け取ることができるはずです。そうすると、リスク回避的な意思決定を積み重ねていると、気づいたらリスク中立的な人との間に埋められない差が開いているという状態になりかねません。

こう思うと、リスク回避的な自分は今まで物凄い損をしてきたのかもしれませんね。

既にできた差を少しでも埋めるべく、まずは日々の小さなリスクをとることから始め、徐々にリスク中立的な人間に近づけるよう精進していこうと思っています。


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