(64)試行錯誤

先日、次男の学校で林間合宿がありました。
次男はずいぶん前から合宿を楽しみにしていて、学校は行けずともそれには行くと意気込んでいたのです。

当日、お弁当を持って集合場所へ。
どんどん顔が強張ってくる次男。
でもね、私は次男が「たのしみ」と言っていた、その事実を忘れずに願ったのです。
「どうかこの子が楽しい合宿を過ごせますように」

でもバス停で待つ先生の姿を見た瞬間、
彼はくるりと背中を向けて走り出しました。
大きなナップザックが上下に揺れて、どんどん背中が小さくなります。

その時の、感覚、感情。
ずっとずっと忘れていた涙が込み上げました。
あんなに楽しみにしていたのに、
あの子は楽しい経験をまた一つ失った。

先生に深く頭を下げ、私は次男を追いました。
なんどか確認しました。
「本当にいいの? 今ならまだ間に合うよ。先生も待ってくれてる」
でも彼は頑として首を縦にふりませんでした。

この2年間、どんなにしんどくても、次男の方がしんどいのだからと、堪えてきました。
でも泣けてきた。
肺が痙攣し、唇が震える。
次男が笑顔になることだけを考えてこれまで来たけれど、
また次男は素晴らしい経験をするチャンスを失った。

私たちは静かに家に帰りました。
「大したことないよ」
そう言いながら、泣いてしまった手前、あまり説得力はなかった。

また迷ってる。
立ちすくんでる。

でもね、きっと道はあると信じてます。
今度漢方薬局へ行きます。
そして毎朝二人で瞑想することにしました。

次男はね、すごく不思議な子なんです。
目を瞑ると鮮やかな色が見える。
人と話をするとき、額の真ん中がもぞもぞ、びりびるする。
頭の頂点にかけて、何かが抜ける感じがする。

そうやって言うんです。
これってきっと、松果体が働いてるってことで、
私たちには感じることのできない何かを感じてるってことなんだと思いました。

カウンセリングよりも、精神科よりも、何よりも、
きっとこの子は自分で、自分の力で、自分を健やかな状態にできる。

そう信じて、
瞑想を続けようと思います。

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