夏の読書記録その2

「モノクロの夏に帰る」額賀澪

「時をかける色彩」は、AIと当時の人の力でモノクロの写真をカラーに変えた写真集。

この一冊をとりまく周りの人間の戦争・平和についての感覚を問う内容になっている。

「モノクロ写真に色がつくことで、自分が生きる世界と太平洋戦争の時代が繋がる。教科書で学んだ歴史ではなく、自分が当たり前に持つ「昨日」を積み重ねた先にある過去の出来事として、戦争を見る。」

「経験者の声が聞こえるから、太平洋戦争は歴史ではなく過去として存在してられる。経験者の声がなくなったら歴史になる。」

今までに様々なメディアで、カラー化されてきたものを見てきた。今の感覚からすると実際の世界はカラーなのに白黒で表されると、見えないものが多く感じてしまう。見ずらいということもあるだろうが、見る側の意欲にも与える影響があると思う。

カラーはいっきに世界を近づける効果がある。

小学生の時の僕は、戦争がたくさんの人が死ぬからだめなんだと思っていた。大震災なんかもそう。

「同じ過ちを繰り返してはいけない。」そう思っていた。


当時は今よりも遠くの世界の出来事で、大々的にメディアが取り上げるからそう思っていたんだと思う。


今強く思うのは、数の問題じゃない。一人の命も奪われちゃだめ。


ぼくは祖父母の死や親の病気など、身近な人の死を経験してこの感覚をもつようになった。命について考える経験が少なかったのかなと思う。

なんでも失ってから気づくことが多い。失う前に気づけるように伝えていきたい。

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