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安全と危険は半分ずつ、どうするかは人間次第。

こんにちは! ガイア自然学校です。

今回は、ガイア自然学校の代表、成田裕(なりたゆたか)によるコラムです。

自然の中に潜むリスクを回避するためには「人」が大切…?

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自然の中での活動における安全とは、どのようにして守られていくのでしょうか。

事故が起こったとき、場所のせいになりがちです。

「あそこに石があったから、子どもがころんでケガしたんだ!」

「川が深いからおぼれたんだ!」

たしかに自然の中ですから、危険な要素としてはそういうことがたくさんあります。

危険を何かのせいにし出すと、究極は外に出なければいい…なんてことに陥ります。

しかし、危険だからといって排除したり、予め大人が整備しておくことだけでは子どものためになりません。

子どもたちに危険のあることや対処法を教えることも、自然体験活動の大切な意義のひとつだと考えています。

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そのためにガイア自然学校では、大学生の指導者「Gリーダー」の育成を行っています。

ガイアでは、毎週研修を実施しています。

安全だけの研修ではありません、リーダー同士コミュニケーションを深める研修をとことん行っています。

このことが、とっさの声かけや判断に大きな影響力があるので、安全の知識を付けるよりも重要と考えています。

安全管理にはいろんな考え方があると思いますが、基本的には「人」だと考えています。

あたたかい雰囲気と何でも言える関係が、心も体も安全に過ごす場を作るからです。

ただし、安全に絶対は禁物です。

それを理解した上で、子どもたちもリーダーも楽しくすごせる場をつくり続けたいと思います。

文:成田裕

(「ガイア通信」バックナンバーより再掲載)

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楽しいことと危ないことが表裏一体であることは、自然の中での遊びではよくあることです。

確か石塚真一さんの漫画『岳』で、「山は楽しいこと半分、危ないこと半分」みたいなことが書いてありました。確か…。

木に登って高いところから見る景色はきれいだろう…でも落ちたら…。

子どもは木の棒が大好き…でも誰かにけがをさせてしまったら…。

海で自由に泳いでほしい…でも流されてしまったら…。

安全というものは考えだしたらキリがありません。

中には予測していなかった危険が突然襲い掛かることもあるので、子どもたちの安全を心配する気持ちはよくわかります。

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ちょっと話が変わりますが、以前筆者は都内の学童保育のサマーキャンプでアルバイトをしていました。

筆者が担当した子どもたちが行く場所は、きれいな川が流れる森でとても空気の澄んだ場所でした。

もちろん川遊びの時間があり、子どもたちが川に来る前にスタッフたちは先に川に行って準備をしました。

「ここは危ないよ」という目印のコーンや、「ここから先は行っちゃだめだよ」というロープを設置しました。

結果として子どもたちが遊べたのは、彼らの足首が浸かる程の場所だけでした。

そこだけで水を掛け合うだけ。

「え? つまんなーーーい!」

と心の底で思いながら見ていました…。

もちろん、大都会で暮らす子どもたちにとっては、きれいな川の水を掛け合うだけでも十分魅力的なことだったかもしれません。

でも、もっと楽しい川遊びがあるのに…と思いがっかりしました。
(筆者は一回限りのアルバイトという立場でしたし、スタッフ側が本当に安全第一のスタンスでしたから、何も言えませんでした。)

近くの岩場から飛び込みをしたり、川の流れに乗って流されたり、虫や魚を捕まえたり…。

それに、みんなが水掛けを楽しいと思うとは限りません。案の定、後半はつまらなさそうにしている子がちらほら。

大人たちの考えがあってこのような範囲にとどめたのでしょう。

子どもの人数が多いから、この後のイベント開始時間に遅れたくないから、そして何よりけがをさせたくないから、子どもを見失わないように…など。

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施設の利用状況などで時間厳守でなくてはいけない点は仕方がありません。


子どもの人数が多ければ大人の人数も増やせばいいのはその通りですが、マニュアルを読んだだけのアルバイトが増えても、安全の質を高められるかどうかは懐疑的です。

それに、アルバイト同士が「よく知らない人」である関係では、ちょっと気になることがあっても「まあいいか」とコミュニケーションを躊躇してしまうことがあるでしょう。

気軽に声をかけやすい関係であれば、すぐに声をかけ事故を未然に防ぐことができます。


子どもがけがをしないように、子どもを見失わないようにするのは、大人からの説明や子どもの準備で防げるものもあります。

今回の川遊びであれば、岩や枝で肌を傷つけないように露出が少ない水着(ラッシュガード)の着用を促すことで、擦り傷を防ぐことができます。

水難事故防止のためにも救命胴着(ライフジャケット)を着用させ、安全に遊べるよう流れ方や着用の仕方を事前にレクチャーすることで、子ども自身が事故を防ぐための経験を積むことができます。

そして何より、自然の中は危ないこともあるけれど装備や行動で多くは回避することができるし、危険と向き合うことで成長できるし、楽しいことがたくさんあることがわかります。

「可愛い子には旅をさせよ」という言葉がありますが、その通りです。

大人には何の変哲のない森や海でも、子どもにとっては宝物が隠れている大冒険の場所です。

ただ、冒険に危険はつきもの。

子どもたちが危険と上手に付き合いながら楽しめるよう、サポートしていきます!


ここまで読んで下さり、ありがとうございます!

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