ケンカしたっていいよ
こんにちは! 金沢市で活動をしているガイア自然学校です。
今回はガイア自然学校の代表、成田裕(なりたゆたか)によるコラムです。
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「うわーん!Tくんがあぁ〜!」
Yくんの泣き声がひびきわたります。
ガイア自然学校の森のようちえんでは、子ども同士のケンカはしょっちゅうです。
子どもがケンカすると、ついつい大人は「なんとか解決しないと!」と思って、原因を探したり、どっちが悪いか判断したり、あやまらせようとしたり、四苦八苦してしまいがちです。
でも、今、この瞬間に泣いている子の気持ちに寄り添ったり、気まずい雰囲気を察してウロウロする方の子どもの話を聴いたりすることの方が、大切だと思うのです。
子どもたちのそばにいるリーダーたちも、まだまだ戸惑いながらも、子どもたちの気持ちに寄り添うことに集中しています。
「ゴメンネー」「イイヨ−」
子どもたちがケンカした後、こんな儀礼的な感じで無理矢理ケンカをおさめてる様子もよく見かけますが、どう見てもどっちも納得してないし、気持ちよくない。
なんかの教育の成果なんでしょう。
これ、キライなんです。
そもそも、子どもたちのケンカに深い理由がないことも多いし、5秒後には笑って一緒にあそんでいることも多い。
大人が解決させようとしないで、子どもたち自身が、自分の気持ちに向き合って、人のせいじゃなくて、ケンカを乗り越えていって欲しい。
難しいけど大切なことなんだと思うのです。
ケンカしたっていいよ。
文:成田裕
(「ガイア通信」バックナンバーより再掲載)
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今年の夏休みも後半戦。
子どもたちは、平日の学童保育だと、利用時間が長い子で朝8時30分~夜7時過ぎまで、キャンプだと1~3泊は親元を離れて生活しています。
加えて、学童は毎日100人近くの子どもたちが通い、キャンプは多いもので30人近くの子どもたちが参加します。
これだけ多くの子どもが長時間一緒にいれば、ケンカはしょっちゅう起こります。
「座布団取られた」
「片付けてくれない」
「あいつだけ手伝わない」
「順番抜かされた」
「文句ばっかり言う」
「俺ばっかり我慢してる」…
ケンカの内容や原因も様々です。
ガイアでは、ケンカの善悪を大人が決めつけずに、子どもたちに「何が嫌だったのか」「どんな気持ちになったのか」「相手にどうして欲しかったのか」などを聴き、子ども自身が自分や相手の気持ちを知り行動を決めるようサポートします。
子どもたちで決めるので、謝って許して解決という流れにならないこともあります。
「今は話す気分じゃないから、もうちょっとしたら話したい」
「一人じゃ言えないから、(リーダーと)一緒に来て欲しい」
「もう話したくない」
お互いの気持ちを伝え合って終わる時もあるし、コラムにもあったようにいつの間にか楽しそうに遊んでいる時もあります。
終着点は、「解決」よりも「勇気」を分けてあげることや「気持ち」を受け止めてあげることなのです。
ケンカといえば、筆者の場合あまりケンカを経験せずに大人になりました。
ケンカの渦中にいても、どうやって解決すればいいのかわからないままでした。
嫌なことがあっても「自分が我慢すれば済むことだ」と助けを求めなかったり、相手の機嫌が良くなるまで何も言わずに待ったり、それくらいしかできませんでした。
筆者が小学生の頃、廊下を横切ろうとしたら、男の子が投げた紙のボールが筆者の目の下に当たる事故に遭いました。
まあまあ痛かったのですが、紙ということもあり大事には至りませんでした。
ただかなり驚いたのと、ピンポイントでボールが当たるのは初めてだったので、当たった直後わんわん泣き出したのはよく覚えています。
そういうわけで、担任の先生が筆者の代わりに男の子を怒ってくれました。
当時相手の子はいわゆる「問題児」扱いされていたし、筆者自身もその子が怖かったので自分では言いにくく、先生が怒ってくれてありがたく思いました。
でも、自分の悲しい気持ちだけが取り残されたような感じで、「ごめんね」と言われたしもう許してよかったけど、しばらく泣きたい気持ちでした。
こんな時「どうしたの?」と話を聞いてくれる大人がいてくれたら、そばにいてくれるだけでも、少しは気持ちが楽になったかもしれません。
もちろん子どもたちと関わる立場としても、いじめなど深刻な問題があれば撲滅していきますが、表面上の解決にならないよう、子どもの気持ちを聴く姿勢を大切にしていきます。
ここまで読んで下さり、ありがとうございます!
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