ガモさん

イラストレーター「ガモさん」です。主にアートやイラスト関係の長文を書いていく予定ですが…

ガモさん

イラストレーター「ガモさん」です。主にアートやイラスト関係の長文を書いていく予定ですが、漫画や小説も載せてみています。http://pop-life-works.com

マガジン

  • 幕末系大河ロマン「さつま王子」

    小説「さつま王子」の第一部です。以前書いたものを少しリライトして、順次、更新予定。全6話ありますが、1話が長いので1話を数回に分けてお届けします。「伝説の三匹」というユニットで作った原案を元に自分が執筆した小説です。

  • ミスタークラウドの雲マンガ

    今まで書いたミスタークラウドのマンガをまとめたものです。毎週水曜か木曜あたりに2本ずつアップしておりました。ミスタークラウドのサイトはこちら> https://kumoojisan.com

最近の記事

ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? について考えてみた

 少し前に上野の国立西洋美術館で「ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか?」という企画展を見てきた。ふらっと入って、サクッと見ようと思ったが、これがかなり奇妙な展覧会に思えたので、メモがわりに感想を書いておきたい。副題は「国立西洋美術館65年目の自問|現代美術家たちへの問いかけ」となっている。ちなみに見るのに三時間以上かかった。非常に文字の多い展覧会だ。  感想の前に自分が日本の現代美術を見るときによく感じているポイントを二つ書いておく。  一つ目は「現代

    • 空は飛べたはず

       90年代の日本人は空を飛べていた  という従来の定説が先の学会で覆ってしまったらしい  マジか!  いや、詳しくない方には何だと思われるかもしれないが、今から約360年前の1990年代のあの頃。そう、「あの」日本最盛期と言われている「90年代」の日本人は飛ぶ鳥を落とす勢いで実際に生身で空を飛んでいたのだ!  というのは、教科書の隅っこの方にも載っている事実であり、一部の日本マニアの皆さんにはご承知の通りの常識だろうが、これが先の日本文化研究会で「全くの空想である!」と結論

      • 「偶然なのだろうけども……」あらすじ

        「1月4日」、私は私や私の親しい人の代わりに何か一つ「もの」を殺す。  というのも、姉や両親、先祖を遡っても私の家族の大半は何故か同じ命日「1月4日」に亡くなっているからだ。  次は私か、私の周りの誰かがその日に死ぬんじゃないかと思い込み、私は禊として毎年「1月4日」に「もの」を殺して、禊の命日を作る事を思いついた。  「禊の命日」には、ぬいぐるみを筆頭に様々なものを殺している。毎年、殺すものを考えていく内に私には色々な変化が起こっていく。  これはその顛末を書いた物

        • 「偶然なのだろうけども……」

           12年前の1月4日、両親が亡くなった。  8年前の1月4日、父方の祖父が亡くなった。  6年前の1月4日、姉が亡くなった。  あとで調べたけど、45年前の母方の祖父の命日も1月4日で、23年前の母方の祖母の命日も1月4日だった。ビックリした。  ただ、4年前、父方の祖母の命日だけは3月4日だった。何でだ。  偶然なのだろうけど、「1月4日」は私にとって家族の大半の命日であり、ちょっと怖い日だ。  何が怖いって、1月4日に、私か、私に関わる誰かが死ぬんじゃないかと

        ここは未来のアーティストたちが眠る部屋となりえてきたか? について考えてみた

        マガジン

        • 幕末系大河ロマン「さつま王子」
          11本
        • ミスタークラウドの雲マンガ
          23本

        記事

          「ごはん山盛之介」 あらすじ

           これはフードの姿をしたフードたちの戦いの物語。  「全日本フード選手権 朝ごはんの部」では、古くから「ごはん」と「パン」による決勝が争われてきた。「ごはん」も「パン」もそれぞれの部門を勝ち抜いてきた選手によって決勝が行われるのだ。  試合の方式はバトルである。料理対決ではない。ごはんの姿をした「ごはん」と、パンの姿をした「パン」が必殺の武器を手に取り戦うのだ。  現在は、これに「サラダ」「スープ」「シリアル」「フルーツ」なども絡む群雄割拠の時代である。誰が「朝ごはん」

          「ごはん山盛之介」 あらすじ

          「ごはん山盛之介」第三話:修行の果てに

          「めざしソードを捨てろっ!!」  シリアル・コーンは山奥にある自身の修行場に着くなり、ごはん山盛之介にそう言った。 「えええー!! これはじいちゃんから受け継いだものだぞっ!! 捨てられるわけないだろっ!!」そう言って怒る山盛之介。 「いや、めざしはもう古い。めざしでは、ジャムパン・ザ・キラーには勝てないのだ! それは他ならぬ山ゾウ自身が明らかにした事だっ!!」  厳しい表情でコーンはそう答えた。言われてみると、確かに山ゾウはキラーに勝ってない。めざしソードで前人未到

          「ごはん山盛之介」第三話:修行の果てに

          「ごはん山盛之介」第二話:ツナマヨの嵐

           パンひろみ 15歳。  フランスパンの姿をした彼女は西洋風のだだっ広い食卓の中で一人、朝食にコーンフレークを食べていた。  パンの時代が来たからといって、パン以外を食べていけないわけではない。ましてパンの姿をしているからと言って、パンだけを食べているわけでもない。彼女は全日本フード選手権準決勝におけるシリアル・コーンの戦いに感銘を受け、最近は、もっぱらコーンフレークを食べていた。 「シリアル・コーン、すごかったなぁ。あの大筒、私に交わせるかしら。」  ひろみはそう思

          「ごはん山盛之介」第二話:ツナマヨの嵐

          「ごはん山盛之介」第一話:最強の朝ごはん

           ここ日本において「ごはん」と「パン」両者の戦いは熾烈を極めていた  全日本フード選手権 朝ごはんの部  青コーナー、パン食代表 『新たなる刺客 ジャムパン・ザ・キラー』  「ごはん山ゾウ、お前の時代はもう終わりだ!」  不適な笑みを浮かべながら、キラーはそう言った。  赤コーナー、ごはん食代表 『前人未到のチャンピオン ごはん山ゾウ』  「そうかもしれんし。そうでないかもしれん」  クールな山ゾウは、冷静にキラーにこう返す。  日本の朝食は古くより、ごはんと

          「ごはん山盛之介」第一話:最強の朝ごはん

          国立新美術館「李禹煥」

           終了間際となるが、国立新美術館で「李禹煥」の展覧会を見てきたので、その感想を書いてみる。  李禹煥はかなり好きな作家で各所で展示を見ているので、コロナ禍で少し展覧会からも遠ざかってたし。今見たら、どうかなという確認の意味でも見てみたのだが、大体、見た感想も「うーん。どうかな」という感じで少し煮え切らなかったかもしれない。  いや、もちろん、作品は素晴らしいのだが、場所がどうなのか。国立新美術館のいかにも大型のギャラリー感のある冷たい感じがあまり李禹煥の作品とフィットして

          国立新美術館「李禹煥」

          ダミアン・ハースト 桜

           久々に東京で展覧会を見たので久々の感想をメモ的に  第一印象は、噂通り、あっさりしていて、すぐ見終わった  見た瞬間は、単体で見るともうちょっと良く出来るのでは?と思ったが、もうちょっと良くする事に意味があるかどうかは分からない  特に枝と葉の描き方はどうなのかという感じで意見が分かれるところかと思うが、どうか?と思う点がある事で絵が虚無をまぬがれてる気もする  構成はスーパーシンプルでベテランの妙を感じた  単純な感動は薄いが、手数の少なさには素直に感動。スマー

          ダミアン・ハースト 桜

          森竹巳展

           近くまで行ったので、太田市美術館図書館で「森竹巳 ー造形実験の軌跡ー」を見てきた。  チラシのデザインがスペーシーな感じだったのでどうかなと思っていたが、実際に見るとかなりポップな感じでよかった。空間の広さに対し、充実度も感じられ、展示方法も良かったのではないか。  第一室の作品群は、ブリジット・ライリーのような感じだが、質が高く、作家に力があるのがよく分かる展示だった。一部あまり好きじゃない作品もあったが、基本的にマスキングをかけてキッチリ描かれた作品というのは自分の

          森竹巳展

          ボイス+パレルモ展

           埼玉県立近代美術館で「ボイス+パレルモ」展を見てきた。前に豊田市美術館でやってた時にパレルモのシンポジウムみたいなビデオを見て、ちょっと気になっていたからだ。  というわけで、どちらかというと、パレルモを目当てに行ったのだが、圧倒的にボイスの方が良かった。一般的な評価通りという感じだろうが、それはしょうがない。巨匠だけあって、ボイスの作品群はちょっと位相が違うように感じた。  とはいえ、今の目で見て、ボイスの作品が面白いかというと、そんなでもない。もはや見飽きたテイスト

          ボイス+パレルモ展

          ペンタブの挙動

            macのOSをcatelinaにしてからというものペンタブ(intuos4)の挙動が気になるようになった。  というのも、もうだいぶ前になるので記憶が曖昧だが、OSアップデートをしたときに一旦ペンタブが使えなくなって、ドライバを再インストールしたからだ。まあ、だいぶ前のペンタブを使ってるので、しょうがあるまいと思ったが、出来れば変えたくない所でもあるので一瞬ひやっとした。  今は基本的にちゃんと使えてるので問題はないのだが、問題は4Kディスプレイを導入した際に、また、

          ペンタブの挙動

          アートと新しさ

           前回記事で「アーティストの新作を楽しみにする事がない」と書いてしまったが、これはちょっと行き過ぎた表現かもしれないので、もうちょっと細かく書いてみる。  アートにおいて「オリジナルである」と言うことは絶対的に高い価値観を持っている。そして、アート市場の上手いところは、それを評価して換金する機能がポップカルチャーより強い所にある。  言うまでもなく「オリジナルである」と言う事は「新しさ」と関係している。「オリジナル」と言うのは、その人の中にしかない唯一無二の観念で、他の人

          アートと新しさ

          ドラマとアート

           最近、ドラマをよく見ている。映画やアニメも含むが、テレビドラマが多い。テレビドラマは見出すと必然的に時間が長く取られるが、その分、ハマりやすく、良い面もあるし。重苦しい面もある。何しろ「物語」があるので、ある程度、自分の人生に置き換えられる事もあり、結構のめり込んでしまう(よく出来たものは)。  ドラマをよく見るようになった反面、長らく展覧会を見に行っていない。久しく行ってない事もあり、どうしても、最近は、その2つを比べて考えてしまう所がある。  正直、ドラマをよく見る

          ドラマとアート

          エル・アール「I WISH」

           Amazonミュージックの中にエルアールの「I WISH」がある事に気付いて、久々に聴いた。  エルアールは自分の人生の中で唯一ファンクラブに入っていたバンドで、ほとんど全てのCDを持っているはずだが、断捨離後に何故かこの曲が入ってる「NICE TO MEET YOU」のCDだけ中身(要はCDの盤)が無くなっていたことに気づいた。しかも、何故だかこの曲は名曲の割に他に収録されてるCDもなく、YouTubeにすら上がってなく、長らく聴く事が出来ず、ずっと気にかかってた曲だ。

          エル・アール「I WISH」