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第5回 試合で最高のパフォーマンスを!ピーキングの考え方

前回の記事では、コンディショニングの中でも、「練習メニューの組み方」と「日常のケア・メンテナンス」についてお話しました。

今回は、「試合までのピーキングの考え方」についてお話します。

試合までのピーキングの考え方

こちらに関しては結論から言うと、人それぞれです。

それを踏まえたうえで、自分自身のピーキングの見つけ方、私のピーキングの方法についてお話します。

今回は、試合がかさむシーズンについてお話します。

第一回の記事でも話した通り、私は夏のオープン戦と紅白戦の約1か月間、1点も取られませんでした。私がもしその期間に調子を崩していたらそれは絶対に達成できなかったことですが、実際そのようなことはありませんでした。

私が自分の調子を適切に管理できるのには理由があり、

重要なのが【過去のデータの蓄積】です。

また、それは体力面と技術面に関わってきます。

体力・技術ともにもちろんですが、疲労の度合いによって変化が起きます。それらのバランスによってパフォーマンスにも変化が起きます。そのあたりについて詳しく参考にさせていただいたのがこちらの本です。

著書:『ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために−』河森 直紀

この本に書いてあることをもとにして、私が常に調子を整えるための材料としていた過去データの蓄積方法を簡単に紹介します。

まず、私がデータの蓄積として大学二回生の頃あたりから実施したことが大きく三つあります。それは、

・トレーニングやランニングなどの練習内容をメモしておく

・ピッチングした日付、球数、その日の調子、その時に感じたことをメモしておく

・ピッチングを動画でとっておく

の3つです。

さらに次のステップとして重要なのが、【実験をする】ことです。

実験をするとはどういうことかというと、【色んなサイクルを試す】ということです。

私には前回の記事の「練習メニューの組み方」で話したような決め事がありました。

例えば、

・50m程度の少し長めのダッシュはオフ明け初日にする
・短ダッシュは試合前日にする
・よほどの登板間隔が空いていたり、疲労以外の面で調子が悪かったりしない限り、登板前日はピッチングをしない
・試合期は連日の投球は2連投まで
・試合の2日前にメディシンとジャンプ系トレーニングをする
・試合期の筋トレは高重量低回数
といったような決め事です。

これらのルールは、初めからこうすると決めていたわけではなく、様々なパターンを試した結果、これがベターで体の調子が良く保てるという結果になりました。

もちろん食事や睡眠など、外部要因も調子には関わってきますが、調子への影響が大きそうなものを記録しておき、

「どういうサイクルが自分に調子がいいのだろうか?」

「これが今までベストな調子の合わせ方と思っていたけど、ガラッと変えたらどうなるか試してみよう」

といったような実験を繰り返すのです。

試合前日に投げ込みをしたいという選手もいれば、試合前日に筋トレをした方がいいという人もいます。

それを具体的に可視化するのが、

「メニュー・ピッチング内容のメモ」「ピッチングの動画」を撮っておくことになります。

動画を撮っておくことは特に重要です。

毎回動画を撮っておくことで、技術の向上に役立てることができ、感覚と実際の違いに気づくこともできるようになります。

これまでをまとめると、

・練習メニューの記録、様々なパターンを試したうえで、ピッチングの調子や体の調子がどうすればどうなるのかを記録

・技術面のずれはメモを見返したり、動画を見たりし、常に改善を心がける

この中で自分なりのパターンが見えてくれば、大きく当番日に調子を崩すことは減ると思います。

連戦期のピーキングの考え方

試合が連日であるオープン戦などは、どうピーキングをすればいいか困ると思いますが、そこは重要度の優先順位をつければいいと思います。短いスパンで試合があるときの考え方として、

・短いスパンでの簡単なピーキングをする

・ピーキングを考えずトレーニングに取り組む

の二つが大きくあります。

トレーニングや練習の目的は、(試合期において)パフォーマンスの維持もしくは向上だと私は考えています。したがって、トレーニングを優先するときなのか、目の前の試合を優先するときなのかは、相手のレベルや今後のスケジュールなどを考えて取り組んでみるといいと思います。

次回は球が遅かった私が生き残るために作り上げた【投球術】についてお話します。


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