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産業保健職が知るべき過去の人為災害~manmade disaster~

過去の人為災害事故から学ぶべきこと

災害には自然災害(natural disaster)と、人為災害(manmade disaster)があります。前者はその発生は防ぎえない部分が多い災害ですが、後者はまさに人為的あり防ぎうる災害です。だからこそ、その災害から学び、次の災害を起こさないことが人類には求められます。

産業保健職にとっては、大きく分けて以下の5つポイントが特に学ぶべきことなんじゃないかと思います。

①事業活動は、地域、社会に大きな影響を及ぼしうること
②安全衛生対策や健康管理は事故と直結しうること
③事故の影響は地域や労働者の健康に脅かすこと
④復旧活動に従事する労働者がいて、その健康影響は長期化すること
⑤事故は今後も起きうるからこそ、未然防止と事故の最小化が問われること

私たち産業保健職の使命の一つは、このような地域社会まで及ぶような大事故を事業活動から生ませないということだと思います。

事故を風化させてはならない

歴史は繰り返されるからこそ、人類の過去の大事故を風化させてはならないし、その教訓を活かし続けることが極めて重要だと思います。

原子力事故

スリーマイル島原子力発電所事故(1979年)

作業員の精神的疲労の蓄積が事故の一因になったとされる
産業医学的示唆:労働者の疲労対策

福島第一原子力発電所事故

事前準備で想定を超える津波が起き、原子力災害を防止できなかった
産業医学的示唆:復旧作業、廃炉作業で働く労働者の健康管理

飛行機事故

ジャーマンウイングス9525便墜落事故(2015年)

精神が不安定な副操縦士が意図的に墜落させたことが疑われる航空事故
産業医学的示唆:パイロットの健康適性

化学事故

ボパール化学工場事故(1984年)

化学工場における安全対策のエラーと、事故後の対応不備
産業医学的示唆:企業の安全対策は地域住民に影響が及ぶこと、事故後の対応、この事故における健康影響の調査報告が非常に少ないこと、

石油事故

メキシコ湾原油流出事故(ディープウォーター・ホライズン爆発事故)(2010年)

アメリカ史上最大の海洋石油流出事故であり、環境への影響は甚大で、沿岸地域の生態系に大きな被害を与えた。
産業医学的示唆:石油流出はその除去作業においても労働者の健康障害を引き起こす。

ダッカ近郊ビル崩落事故(2013年)

世界展開する欧米や日本のファストファッションが、バングラデシュの劣悪な労働環境や安価な労働力に依存して経営利益を上げている状況が浮き彫りとなった。
産業医学的示唆:労働者の格差、児童労働、劣悪な労働環境、労働者の権利、ディーセント・ワーク

4大公害


災害対策の落とし穴

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