産業医の中立性と独立性について (随筆noteシリーズ15・有料記事)
はじめに
「産業医は企業からお金をもらっているのに中立的立場なのか」「企業側にばかり好都合な意見を出すことはないのか」という意見はよくいただきます。労働者からしてみれば、産業医は企業側の人間だ、産業医に話したことは企業側に筒抜けではないか、と言われることもしばしばあります。がん情報サービスのQ&Aには以下のような質問があるくらいです。
産業医自身としても、産業医が企業の味方か労働者の味方か、というのは多くの方が悩まれるであろう問題です。このような問題に対して、産業医は企業寄りでいいのだ、企業や人事担当者から評価されてなんぼだ、と言う方もいますし、産業医としては中立性を保ちたい、困っている労働者の味方をするべきだ、と言う方など様々なスタンスがあるようです。たしかに、産業医意見がやや企業寄りになる意見や、労働者寄りの意見となってしまう(そう見えてしまう)ことは往々にしてあるでしょう。自分が出した意見書は、本当にそれでよかったのか、労働者を追い込んでしまったのではないかと、葛藤してしまう方も多いのではないでしょうか?
(参考になりますのでぜひどうぞ:「川島恵美 , 山田 洋太 著. 産業医はじめの一歩〜「働く人・企業」のニーズをつかむ! 基本実務の考え方と現場で困らない対応 p47 産業医のスタンス」
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