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季節を味わう

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日本の自然や言葉の美しさについて、みのおエフエムの番組内で語ったことのまとめ。 主に、暦、季語、季節の花、季節の色について。
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2024年3月の記事一覧

3月の花の俳句(季節を味わう#0051)

3月の花の俳句(季節を味わう#0051)

「季節を味わう」では、毎月第4水曜日にその月の花を詠んだ俳句をご紹介します。あくまでも素人の好みで選んでおります。

【菜の花】日本では古くから油菜が栽培されていましたが、現在ではほとんどが西洋油菜です。秋に種を蒔くと、翌年の春に芽を出して黄色い十字の形をした花をつけます。一面の菜の花は元気な黄色でありながら、どこか郷愁を誘います。

菜の花や月は東に日は西に  与謝蕪村

この句は、安永3年(1

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日本の色 3月(季節を味わう#0050)

日本の色 3月(季節を味わう#0050)

「季節を味わう」では、毎月第3水曜日に季節を象徴する日本の色をピックアップ。
3月にもたくさんの色があります。その中から私の好みで選びました。

【曙色】

曙色はオレンジ色がかったピンク色で、東雲色・オーロラ色ともいいます。 サーモンピンクに近い色味で、英語色名のオーロラと同じ色です。
枕草子に「春はあけぼの やうやう白くなりゆく山ぎは すこしあかりて、紫だちたる雲のほそくたなびきたる」とあるこ

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3月(春)の季語「卒業」(季節を味わう#0049)

3月(春)の季語「卒業」(季節を味わう#0049)

世界で一番短い詩、俳句。
「季節を味わう」では、毎月第2水曜日に季語を一つピックアップ。
その季語が使われている俳句も紹介します。あくまでも私の好みで。

【卒業】

3月(春)の季語です。
日本では小学校から大学まで、卒業式の多くは年度末の3月に行われます。
卒業は別れでもありますが、次のステップに踏み出すことでもあります。別れの寂しさや新たな世界へ一歩踏み出す不安がある一方で、新たなステージへ

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2024年3月の暦・行事(季節を味わう#00048)

2024年3月の暦・行事(季節を味わう#00048)

「季節を味わう」では、毎月第1水曜日にその月の暦や主な行事をまとめます。(全てを網羅するものではありません)

2024年 3月(弥生)1日(金) 奈良東大寺二月堂修二会

 修二会は我が身の汚れと罪を懺悔し、国家繁栄と五穀豊穣、人々の安寧を祈念する法会で、3月1日から2週間にわたって行う奈良東大寺二月堂の修二会が有名です。

3日(日) 上巳の節句・雛祭

 雛祭の正式名称は「上巳の節句」。かつ

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