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ママデザイナーが転職できない!キャリアを断念させる、勤務時間と保育園時間の壁。

私は子どもが生まれた数年後に転職活動をしました。デザイン業界10数年以上の実務経験を活かして、さらなるキャリアアップを目指したのです。

その際、短時間労働のパートタイムではなく、フルタイム勤務の正社員希望で転職活動をしていました。

当時は子育て優先ではなく、仕事のためなら子どもを長時間保育園に預けるのも仕方がないと考えていました。子どもは淋しがるかもしれないけれど、仕事が好きだったのでそれでも働きたかったのです。独身時代、繁忙期には月400時間以上働いてきた私にとって、子どもが産まれた後もフルタイムで働くのは当たり前の考えでした。

企業側も、パートタイムよりもフルタイムで雇用したいだろうし、お互いの希望がマッチしていて転職活動もそれなりスムーズに進むだろうと思っていました。

しかし実際は、求人内容を見てみると「勤務時間」と「保育園の時間」が合わないという問題にぶつかりました。

保育園の標準利用時間が7:15〜18:15に対して、会社の勤務時間が10:00〜19:00になっていました。それだと、フルタイムで働いたら子どもを保育園に迎えに行くことができないのです。

勤務時間と保育園利用時間の図

保育園には延長保育というものがあります(延長保育には追加料金が発生する)。しかしそれは、標準保育時間より1時間多くなるだけです。つまり延長したとしても、19:15までの預かりになるだけです。19:00に退勤して19:15までに保育園に着くなどということは、勤務先と保育園が近所にないと叶いません。

備考:保育園の利用時間は2種類あります。「保育標準時間」と「保育短時間」です。保育標準時間は7:15〜18:15までの利用可能。保育短時間は8:15〜16:15まで利用可能。地域や園によっては多少異なります。

延長保育を利用した場合の図

母親のフルタイム勤務を可能にする方法

  • 会社の勤務時間が9:00〜18:00、9:30〜18:30。なおかつ、保育園の延長保育を利用

  • 自分は19:00まで働き、「夫」が保育園に迎えいく

  • 自分は19:00まで働き、「自分の親」が保育園に迎えいく

  • 会社が、フレックスタイム制を導入している

  • 会社が、在宅勤務を導入している

勤務時間が「19:00退勤」の会社に、ママデザイナーが転職することはほぼ不可能

業界に詳しい転職エージェントの話では、デザイン業界のほとんどの勤務時間が、この10:00~19:00だと言うのです。たまに9:00から始業するところもありますが、そちらは古い体質の企業であるそうです。今流行りのwebデザイン系のほとんどはこの勤務時間だということでした。

自分の夫や親に保育園の送迎をお願いしたくても、夫の勤務時間や通勤時間の関係上、不可能な人もいます。それなら自分の親はどうでしょう。今は人生100年時代…親はまだまだ働いています。頼れる人などどこにいるのでしょうか。そう、母親自身がどうにかするしかないのです。

では、企業側のフレックスタイム制や在宅勤務制はどうでしょうか。実際これらの制度を導入している企業はかなり少ない状況でした。

あの頃感じた「経験者不足」と、その理由

長年デザイン業界にいた私は、この業界がどれだけ忙しいのかを知っています。そんな中、もっと一緒に働く仲間が増えてほしいと思っていました。できれば経験者が来てくれて戦力になってくれたら嬉しい!と思っていました。でも実際は、新卒の社員しか入社しませんでした。じゃあ、経験豊富な人材はどこにいるのだろう?と思っていました。

私がいた美大の生徒の9割が女性でした。そして、デザイン会社に入社する7割が女性でした。それなのに、子持ちのママデザイナーは、一人もいませんでした。経験豊富な女性デザイナーはどこへ行ってしまったのだろう?と思っていました。

私は、自分の身をもって知りました。

いくら経験やスキルがあっても…
「勤務時間」と「保育園の時間」が合わなければ働けるわけない…と。
ママデザイナーは、勤務時間という壁に阻まれて業界に残ることができなかったのです。


noteで絶対に書きたかった、この記事

noteを始めたら、絶対に書きたかった記事がこの内容です。なぜならnoteにはデザイン業界の人が沢山いるからです。デザイン業界の一人でもいいから、この叫びを届けたかったのです。

聞いてください!デザインが好きなのに…子ども産んでもまだまだ働きたいのに…働けないんです!子育て期間限定でいいから、勤務時間を少しずらしてもらえるだけで、働けるんです!それだけでキャリアを諦めなくて済むんです!


もちろん、会社にも様々な事情があると思います。ですが、率直にこの思いを伝えたかったのです。



女性がいつか母親になったとしても、
想い描いた夢の職業で、働いていられる。
そんな世の中に、なりますように。

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