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ネット通販はIT業界の仕事?

ワタクシ、模型用品の通販サイト「GPARTS」の中のヒトをやっております。

何のご縁かすでに開店15年。
もはや自社ネット通販店としても老舗の域に入りました。今日はそんなネット通販の日常業務を簡単にご紹介するといたしましょう。

ネット通販は、ほぼ手動です

大手さんは知りませんよ。ひょっとすると全自動かもしれない 笑

でも私のお店の場合、自動でやってるのはどれだろう、ご注文完了時にお客様に送られる「自動配信メール」くらいじゃないですかねぇ。

今は大分楽になりましたが、ショップを作成する段階は100%手作業です。
他の店舗と違う外観を目指そうとか考えると、当然デザインから全て手動。

日々のネット通販の仕事を大別すると以下のような感じです。

  1. 受注業務(受注確認メール・問い合わせ対応・配送伝票作成等)

  2. 品出し(製品チェック・梱包前確認作業)

  3. 梱包作業

  4. 発注業務(在庫状況確認・発注書作成・ネット発注作業他)

  5. 着荷品検品作業

  6. 商品在庫入れ作業(NEWS更新)

  7. メールマガジン作成・配信作業

  8. 宣伝業務(チラシ作成・SNS宣伝作業)

  9. 新商品UP作業(撮影・テキスト作成)

  10. 経理業務(会計ソフト入力作業・請求書作成作業等)

・・・結構いっぱいありますでしょ。
で、このうち完全に自動でできる業務は、ひとつもありません 笑

しかもほぼワンオペ

自動処理できることを挙げるとしたら、各業務の中の作業工程の一部をExcelデータやエディターソフトを使って圧縮することくらいでしょうか。

例えば1.の「受注業務」なら、受注確認メール用のメールテンプレートを作成しておいて、それをエディタからペーストして順に配信するとか(どこが自動なの)。

でも実際は、決済状況の確認や、前日から引き続きのリピートや同梱希望のご注文の処理、日時指定ご希望のある方の確認、問い合わせと並行してご注文頂いているお客様の確認等と、確認メールを送る前に目視で行わなくてはならない作業が多く、自動でメールを送れるわけではありません。

そのほか、SNS宣伝作業なんかは自動処理できる類じゃないかと思うんですが、アレは全自動でやって良い反応を頂けるほど甘い世界じゃありません 笑

じゃあどうするかというと、最初に書いたようなソフトやアプリ、そして作業する人の能力を組み合わせて、それぞれの『業務』のうち、自動でできる『作業』の割合を増やしていけばいいのです。

その結果、先程の10の業務のうち、梱包・検品作業は別の社員との共同作業、経理業務は一部会計事務所委託、その他7割ほどはワンオペという今の業務体制が確立されました。

IT業界のふりをした小売り業

時には直接販売することで、気が付きにくいお客様目線を再認識する必要もありますから、イベントに出店することもあります。

非常に地味な模型用品を、直接お客様に説明しながら販売するというのは、ある意味、寅さんと同じですね 笑

イベント出店時のブースの様子

それだけに、ネット通販をやりたいという方には、まず小売りの知識と経験が必要だと私は思うんですが、そういう前提で考えてくれる方がなぜか少ないんです。例えば、IT業界でデスクワーク中心にやってきた方と、小売りを長くやってきた方とでどちらが向いているかと言われれば、これは間違いなく後者なんですね。

ネット通販はあくまで形態であって、IT業界の仲間のふりをした、完璧な「小売り業」なんです。

もちろん義理と人情、そんな渡世の中で、圧縮しなくてはならないことや効率化しなくてはならないこと、優先順位をつけなければならないことが山ほどあり、アプリやソフトに関する知識と、それらを使いこなすスキルは大事です。でも、その前にお客様商売としての「小売り業」をきちっとこなせることが、ネット通販業を行う上で重要なんだろうと思います。

さて、そんなわけで大変なことも多いんですけど、そんな中でも面白くなければ仕事として続きません。次は「楽しいこと」も書いておかないとですね 笑

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