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ちょこちょこ山に行く理由

途中で止めることができないから

「山登りを始めました」と言うと大概「なんでそんなことするの?」と訊かれます。
その時の返答です。
僕のようにやらないことの理由づけが得意な人間にとって、止めることは簡単です。そこで、もっと自分を追い込まれた状況に置かないと完遂しない、ということをいい加減にわかってきたわけです。
その手段が山に行くこと。
ご存知の通り、一度登れば当然下らなければいけない。
途中でやめたっていいけど、それでも下らないといけない。
どうせ下るなら頂上まで行ってからにしよう。
そんな思考で始めてみたわけです。

元々、海派より山派

屋久島でちょっと登山的なことをしたり、友人に誘われ低山行った経験から、まあ山登りは得意なのかも知れぬ、と思い込み突然思い立ち、身の回りにある山っぽいグッズ(重くて容量が小さい水筒、通勤用のミステリーランチのリュック、サバゲーで使ったメレルのトレッキングシューズ、スニッカーズ)を手にし、まあ、朝早いだろ、ってことで7時に登山口に。のろのろと準備を進め、8時登山開始。
「YAMAP」アプリをインストールして、いざ登りました。

初々しく上着だけは新品のNorthFaceのジャケット

結果、一般的には5時間程度のコースで、8時間半。
登山口に戻ってきた時は太陽が傾いていました。

あれはほぼ遭難。
何があったかというと、、、
1:水が全然足りなかった。
1L入ると思っていた水筒は750ml、予備の水も500ml、久々に運動した身には一瞬でなくなる水分量
2:NorthFaceの上着が暑かった。
3:YAMAPをめちゃくちゃ確認していたにも関わらず、下山時に踏み跡とピンクリボンを無邪気に信じ、自力判断で歩いた結果、登山道から大きく外れ、遭難一歩手前。木の根っこを手がかりに、ほぼ3点支持で登山道まで這い上がりました。。。
4:標高差1100mは、まあ、しんどい。
登山道にへたり込む熊みたいな男を見て、ご年配の登山者は経口補水液やスポーツドリンクを恵んでくださいました。忘れられない御恩。

山を選んで正解だったことがあった

自分の性格を分析した結果の山登りだったことがあります。
目指す山頂一歩手前の別の山頂で、水もほぼなく、もう下ろうか迷っていました。
するとストックをついたご年配の方がゆっくりゆっくりと歩を緩めず登っていくのです。訊くとあと少しとのこと。
ここまで来たら、と思い、死にもの狂いで登頂しました。
たぶん、登頂しなければ最初で最後の登山だったかも知れません。
途中で止めることができない選択。
これが自分の幅を一つ拡げてくれた(諦めないことを教えてくれた)と思います。

リベンジ心に火がつき、山登りが趣味に

無事に下山して振り返ってみると、全て「過信」「慢心」が原因だったことに気がついたわけです。たぶんできる、やってみたら大したことないものが多いし、みたいな気持ちですね。
そして、山での判断ミスは生命にも関わります。
神経を研ぎ澄ますということも大事だし、できる準備をしておくことも大事ですね。
ということで、もっと楽に登れるようにまずは道具を揃えることにしました。これもまた、自分の性に合っていることなのでした。
万全の態勢でのリベンジを誓ったのでした。

一気に装備を揃え、身近な山から練習

気がつくと別の要素が山登りの醍醐味に

身体を動かすことはもちろん楽しいですし、何より自然の中に身を置いて、他に人の気配を感じない世界で自分と対話する、ということはとてもストレスが発散できることに気がつきました。
要は、「集中している」状態ですね。これがストレス発散なんだなと。
同時に、「次はどんな景色が待っているのだろうか」とか「どんなルートかな」といった未知への好奇心、冒険心(実際に知らない山は冒険)が湧いてくるのです。
YAMAPで事前にルートを決め、他の人の日誌を見ながら想像し、自分に見合ったレベルかどうかも判断して、登山届けを書く。
一連の行動にゲーム性みたいなものを感じました。
これはゲーム好きとしては、沼なんです。
挑戦という名のゲーム。

結局、仕事も同じだった

道中、考えていることは「アイス食べたい、コーラ飲みたい、もうやめたい」(これは今でも)だけではありません。
取り掛かっている仕事やプロジェクトについて延々と内言語がループしていることがあります。
そしてハッと気がつく時があります。
「あー、これ、全部同じだ」
対象が自分か他者か、の違いだけで、準備したり、立ち向かったり、回り道したり、でもやめない。というそういうのは仕事も人生も一緒だなあと。
まあ、こう月並みなことを毎度感じながら下山するわけです。
そんなことを考える時間がもてるだけ幸せではないか、とさえ思います。

そんなこんなで山が好きになっていったわけです。


山がらみで何かしたいとずっと思ってます

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