エスコンフィールド初観戦記
アンビシャス
2023年4月、一冊の本を読んでいた。
題名は『アンビシャス』。2023年現在、北海道で最も熱い場所であるエスコンフィールド北海道の建設舞台裏を描いたノンフィクションである。
折しも縁あってこの本の感想を地元の書店の出版物に寄稿させて頂く機会があったので抜粋してみる。
物心ついた頃から生粋のファイターズファンである私にとって、エスコンフィールドは夢の国。昨年までは札幌に行く用事がある度に、わざわざ工事の進捗を見に行っていたほどの場所である。
今シーズンのどこかで行けたらいいかなーくらいに考えていたけれど、この本を読んでしまったからにはどうしても行かなくてはと思い始める笑。
ちょうどWBCの熱闘冷めやらぬ時期。せっかくなら交流戦を見に行こう、「日本の4番」村上宗隆を見に行こう、と。
大学のスケジュールに穴を開けずに日程を確保できたので、5/31(水)の交流戦平日ナイター、ヤクルト戦のチケットを購入したのであった。
初観戦レポ
5/31(水)、いよいよ開業後初のエスコンフィールドへ。
平日ナイターを観戦して新札幌に一泊する行程だったので、いったん14時半にホテルチェックイン。本来ならば18:00開始のナイターには早すぎる時間だが、初のエスコンフィールド。会場の16:00に入場して場内をいろいろ見て回りたかったのだ。
新札幌から普通列車に乗り2駅で北広島駅。
北広島駅からは「エルフィンロード」と呼ばれる遊歩道を歩き20分ほどでエスコンフィールド到着。「アクセスの悪さ」が話題になるけれど、駅からは信号なしでまっすぐ行けるし、札幌ドーム時代も地下鉄降りてからそれなりに歩いていたので特段悪いとは思わなかった。今回は一人だったけど、複数で観戦するときはここを歩きながらあーでもないこーでもない野球談義に花が咲くだろうなーと思う笑。
少し並んで16:00ちょうどに入場。
複合施設である札幌ドームとは異なり、入場してすぐにコンコース、球場がある景色は新鮮だった。
加藤豪将のこと
この試合、ぜひとも生で観戦してみたい選手がいた。
加藤豪将(もちろん村上も笑)。
異色の経歴を持つオールドルーキー。アメリカで生まれ育った日本人で、2013年にドラフト2巡目でヤンキースへ入団。マイナーでは通算844試合に出場し、昨季はメジャー初安打を放った。昨年度ドラフト3位という形で日本ハムに入団した即戦力の期待高い選手である。
結果はまさかの2打席連続ホームラン。
お立ち台では流暢な英語を披露する場面もあり、新たなスター選手誕生の瞬間に立ち会うことができた。
最近はチーム自体が再建期ということもあり、球場に足を運んでも負け試合になってしまう機会が多かったので久しぶりの現地観戦勝利。
グラウンドウォーク
今回は、チケットのオプションとして試合後のグラウンドを歩ける期間限定のイベントつき。結果、高校球児よりも先にエスコンのグラウンドに立ってしまった笑。
日本ハムの試合だけではなく、夏の高校野球の北海道大会は南も北も準決勝と決勝はここエスコンフィールドで行われる。
この球場が、北海道の球史にどんなドラマを刻むのか楽しみでならない。
新時代
日本ハム現監督の新庄剛志は、監督就任時にプロ野球の意義について次のように述べている。
全国放送の巨人戦をテレビで観戦することが「プロ野球観戦」だった時代が長く続いた北海道にとって、日本ハムが北海道移転した2004年以降、札幌ドームに足を運ぶ、という新しいプロ野球観戦の文化が生まれた。
そして、舞台はエスコンフィールドへ。球場を起点として新たな街を作る、という「ボールパーク構想」の行方を、一ファンとして、一道民として見守り続けていきたい。
奇しくも試合翌日の6月1日はインターンのエントリー解禁日だった。修士1年である自分にとって、学業と平行させながらの就活がいよいよ始まる。自分も新しい世界に向かって、かつて日本ハムで躍動していた選手たちのように、道なき道を挑戦しながら歩いて行きたい。そう背中を押されたゲームだったように思う。
加藤豪将の打席での登場曲「Tomorrow never knows」を帰路の特急で聴きながらそんなことを考えていた。
エスコンフィールド、この先、何度でも訪れたいと思います。
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