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🔖もう会えないあの人を想って、『錦繍』を読む
元彼との復縁をまだ諦めきれなくて、「復縁 小説」でネット検索したら、宮本輝の『錦繍』をお薦めされた。
「前略 蔵王のダリア園から、ドッコ沼へ登るゴンドラ・リフトの中で、まさかあなたと再会するなんて、本当に想像すら出来ないことでした」
運命的な事件ゆえ愛し合いながらも離婚した二人が、十年の歳月を隔て再会した。
読み終えて、最初から最後まで愛だったなと思う。元旦那が浮気したことが事件の発端で、それゆえ離婚することになったのだが、女性側の本当は離婚したくなかった、それでも彼が好きだという想いに打たれた。
だって私もそうだもの。まだ元彼のことを好きだと思っている。
※私は浮気、不倫が悪だと言うつもりはなく、まわりに迷惑を掛けなければ自由にしてもらっていいと思う。もし恋人にされてしまえば、嫌だぁぁぁと大泣きはするけれど、相手の自由だからと責める気にはなれない。それでも私が好きなら、彼のことは好きでいられるから。浮気なんてダメ、ゼッタイ!という人には理解し難いかもしれないが、そういう考えも否定するつもりもないのです。
再会した二人は手紙を交わし合う。あの事件のことから近況まで、二人のやり取りで明らかになるのだが、恨み妬みといった負の感情は感じられない。
両者とも嫌いになって別れたのではなく、好きだったのだろうな。その好きも執着のようなものではなく、心からの愛だと思う。親が子どもを慈しみ、見守るような、優しく深い愛情が二人の間にたゆたっている。
最後は互いに相手の幸せを願って、手紙は締めくくられる。
そういえば、「復縁」で検索に引っ掛かったのに、物語の二人はよりを戻さずに終わってしまったな。それでも、十年も会えなかったとして、もう別れてしまったとしても、こんなに深く一人の人間を想えるなんて、とてもすてきな愛だと思った。
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