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映画「天才作家の妻」の夫に言いたいことがありすぎる!

なぜ夫ジョーは受賞スピーチで、妻ジョーンが嫌がっていた「妻への感謝」を口にしたのか。

そういえば話題のインド映画「パッドマン」でも妻が何度とがめても夫はナプキン開発をやめなかった。だがこの夫が妻のことばを聞き入れなかったのは、衛生状態の悪いナプキンを使うことで妻を死なせたくなかったからだ。そのために彼は自分のプライドも妻の反対も投げ打って研究をつづけた。

一方のジョーは妻のことなど考えちゃいない。ただ自分が評価されたくて妻の思いを無視した。

なによりも浅はかなのはジョーがたったそれだけのことで自分の評価は上がると信じていること。「妻への感謝はスピーチで必須なんだ」と弁明していたように。きっとあらゆる出来事において表面しか見ていない人なのだろう。


自分より妻のほうが作家としての才能があることは確かに辛かろう。でもなぜ辛いかを彼自身はよく分かっていない。

どうやっても追いつけないほどの才能の差があるからではない。彼の場合、妻を女性を人間を尊敬していないからだ。男でありジョーという人間である自分のほうが優れているとひたすらに信じているからだ。


わたしがジョーなら妻が書いたものを自分のものとして評価されることのほうがずっと辛い。妻に対しての申し訳なさがあると同時に妻の作品の作者名でしかない自分ってなんなんだ?そう思い悩む。

彼はそんなことは頭になくむしろ妻の作品を自分のもののように考えていた。作品の評価が上がるごとに自分のプライドをさらに高く築きあげた。もうその時点で彼は作家ではない。

なぜそのことに息子もマスコミも、作品のファンさえ気づかない?そんなこと有り得るのだろうか。知性あふれるあの妻が生み出した作品を、口の周りに食べかすをつけるジョーが生み出していることに、あの記者以外だれも疑問を抱かないものだろうか。

それとも周りの人もジョーの表面しか見ていなかったということか。だとしたら末恐ろしい。ジョーの人生は一体なんだったんだろう。


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