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好きな文章 詩人 片山令子より

片山令子(かたやまれいこ)
1949-2018。詩人。群馬県生まれ。夫である画家・片山健と共作したロングセラー『たのしいふゆごもり』『もりのてがみ』「のうさぎのおはなしえほん」シリーズ、『森にめぐるいのち』など数多くの名作を著した。また物語や絵本の翻訳を手がける。詩人として、詩集『贈りものについて』『夏のかんむり』『雪とケーキ』と詩画集『ブリキの音符』を著すほか、個人詩誌を発行し続けた。

ロウソクが身近になったのは、三十年ロウソクを作り続けている友人のお母さんの存在を知った頃からでした。はじめは、きれいなロウソクとしか感じていなかったのですが、ある日、ロウソクをつくることの中に存在する、ひとつの「考え」に気付いたのです。

彼女の作るロウソクは、人がひとりひとり違うように、同じものは何一つもありません。そして、明かりを楽しむと跡形もなく消えてしまいます。人の部屋を明るくし、笑顔を生み出して。なんて清々すがすがしいのだろう。

ロウソクは、自分に贈られた贈り物を大切に使い切り、周りを明るく照らし一生をおわる人のようだと気が付いたのです。何かを表面でだけとらえていた時と、奥の方まできとおして見えてきたときとの違いでした。

『惑星』 片山令子
太陽のように自分でひかる より


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