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たった3秒の交流でも

今日はたまたま近所のトイレットペーパーが安いとのことで急遽ピンチヒッターとしてスーパーに駆り出された。どうしてかというとうちには車がなく、いくつもは買ってこれないからだ。

もしかしたら「おひとり様一点」ではなく「ご家族様一点」だったのかもしれない。けどそのあたりはよく見ていないので覚えていない。

とにかく私は午後になってからぼちぼち出かけてきた。母と一緒ではないのは単に私の準備に時間がかかるからだ。置いていかれたともいう。


外は明るく、気温がちょうどよかった。暑すぎず寒すぎずで、これくらいの陽気が一番過ごしやすくていい。

花粉が飛んでいなければもっと良かったのだけど。

道端にあるタンポポやすっかり花が散って緑の葉に覆われている桜の木を眺めながらゆっくり歩いた。たまにはこうして自然を楽しむのもいい。そんなことを考えていた。


すると狭い道で前から二台の自転車が縦に並んで走ってくるのが見えた。とっさに道の片側に寄ったけれど、運悪く自転車との間にはおばあちゃんがゆっくりと歩いていた。

これではうまくすれ違うことはできない。おばあちゃんは耳が悪いのか自転車の接近に全く気付いていない様子だった。

自転車はおばあちゃんのことをすぐに追い越すか、それとも私とすれ違うまでゆっくりペースで歩くかを悩んでいるように見えた。ここでその自転車に乗っているのが中学生の男の子だとわかった。

私はおばあちゃんを抜かして、かつ私ともすれ違えるように道の片端で立ち止まった。すると意図を理解した中学生はさっとスピードを速めておばあちゃんを抜かして走り去っていった。

先頭にいた男の子は私に向かって会釈をしてくれた。


その時間、実に3秒。

そんな短い交流ながら心が暖かくなったような気がした。


最近自転車の人とすれ違う時は狭い道なのにもかかわらずすごいスピードですれ違ったり、何も言わずに追い越していく人の方が多かった。

それなのにお礼は言わずともその気持ちを表してくれた人がいたことに少し感動した。私が道の片端に寄って立ち止まったことの意味をとっさに理解してくれて良かった。

こんな短い時間のコミュニケーションが成立するだけでもとても嬉しい。


また自分から道を譲ろうと思ったし、ちょっとした気遣いなどを知らない人に対してもしていこうと思った。

よくいいことをすると気持ちがいいからと言うけれど、私はどちらかというとそういう理由だとしても地元の人と関わることが嬉しいのだ。

やっぱり人を好きな自分でいたいなと思った今日だった。

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