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ラストノート(詩)

いつでもあの音を聴いている
終わりがいつでも忍び寄ってくる
暗闇とともに訪れる感情
呼び起されるそれは三日月
君と同時に消え去っていく夢


すれ違いはそうだね、二か月前
初めて二人きりで出かけた日だった
距離が近くなるはずの日に
君は不満だったのか嫌味を言った
ただそれだけ

終わらなかったやり取り 途切れ途切れ
初めて二人気持ち通じた日だった
今日を忘れてる この一年
君は機嫌よかったのか友達とランチ
ただそれだけ

聞きたくない名前聞かされて
我慢しているのはお互い様
気をひきたい気持ちが強いのは
本当は自分の方だと知っていた

いつでもあの音を聴いている
終わりがいつでも忍び寄ってくる
暗闇とともに訪れる感情
呼び起されるそれは三日月
君と同時に消え去っていく夢


夜明けの直後 呼び出して
夢だと確かめたかったことがあった
そっと抱き寄せる瞬間に
君は眠かったのか文句を言った
ただそれだけ

知りたくない情報知らされて
聞き流しているのはお互い様
困らせたい気持ちが強いのは
本当は君の方だと知っていた

切実に伝えたかったその言葉
平気なふりしてもう誤魔化せない
追憶とともに蘇る愛しさ
初心を忘れ それを捨てた
君に素直に寄り添う理由


今ならわかる 
愛していると何度口にしても
拭い去れない幼さ 隠し持っていた
愛になれなかった恋 忘れないで
「またね」といつものように笑って

いつでもあの音を聴いている
終わりがいつでも忍び寄ってくる
暗闇とともに訪れる感情
呼び起されるそれは三日月
君と同時に消え去っていく夢


これもまた5年前に書いた過去作。発掘時に「こんなのあったんだ!?」と驚いた作品。まるで記憶がなかったので…。

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