ふたりへのプレゼント(穴の中の君に贈る)

　ある時合コンで出会った男性二人を同時に気に入ってしまい、どうしても我慢出来なかった私は一人ずつ呼び出して、『喉の手』を使って飲み込んでしまった。私はどうしても欲しいものはこの『手』を使って手に入れるのだ。
　異変が起きたのはそれからすぐのこと。二人が大き過ぎた為に窒息しそうになってしまったのだ。急いで吐き出そうにも上手く吐き出せない。
　私は病院へ救急搬送されることとなった。
「レントゲンを撮りますね」
　私は拒否したかったが、もう拒否するほどの力は残っていなかった。

　　　　　　　　※

「これがあなたのレントゲン写真ですが、あなた、人を飲み込んじゃったでしょう？」
『……は、はい……』
「中で二人の男性が喧嘩していて、それでなかなか出てこれなくなってたんですよ。あなたはモテますね」
　そう言うと、にやりと笑った。
「今から切開手術をして取り出しますね。あぁ心配はいりませんよ。中の二人は無事ですから。しかしあなたのような特殊な体質の人は、私のこれからの研究に役立ってもらいましょう──。今度は逆にあなたの精神を二つに切り分けてこの二人に贈ってみることとします」
　そう言うと医師は目をギラつかせ、私を麻酔で眠らせた──。

　　　　　　　　　　　　　　　　　(了)

このお話はこちらの企画に参加していますφ(．．)💡
たらはかにさん、お忙しい中、毎週のお題発表をどうもありがとうございます😃✨