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Burning Motors Go LAST HEAVEN

トップランナーにTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTがゲストできたときの回を触れ込む文をこの前書いたけど、ぼく自身は多分見ないだろうなと思っていた。しかしながら数秒、いや……数分見てしまった。何よりもくはら自身が、木曜日の日記において前日であり放映日である水曜日の夜に、自身の新宿でのステージイベントから帰ってきたという大変な日であったにも関わらずトップランナーを思い出して見ていたという。ぼくはこの行為をなにか尊いものにとらえてしまい、あとを追うように数分見ることにしたのでした。

もろきゅうによると丁度くはらが見始めたあたりから、一昨日あたりも言及したGIRL FRIENDという歌についてインタビューが始まる。トップランナーの終盤ですね。

GIRL FRIENDの歌詞についてぼくはTHEE MICHELLE GUN ELEPHANTにしては珍しく性愛どころか家族愛みたいなものが唄われていることについて話したが、果たしてNHKが追求した(司会の武田に訊かせた)のはテロについての文だった。

かつてちば自身はファンクラブの会報に「自分の書いた文(GIRL FRIENDリリースよりずっと前なのでGIRL FRIENDについてではない)」がそのとおりになってしまったことを嘆いていたのだが、ご存知だろうか。

それはサンダーバードヒルズの歌詞についてです。もしこの世が青と赤だけでできていたのであれば、ビルディングとはすべて真っ平らであり、そのような(資本主義とは)ものは偽物でしかない、という歌詞だった。資本主義について言ってるのかどうかはわからない。ぼくが勝手に付け加えたので注意されたい。

サンダーバードヒルズが正式にリリースされたのは果たして2003年だったのだろうと思うのだが、すでに2000~2002年時のステージでは、つまりロデオ・タンデム・ビート・スペクター → Where is Susie?という全国を回るステージのさなかでガンガン唄われていたわけです。ぼくは見ていないが、資料からわかる。特にロデオ・タンデム・ビート・スペクターとはSABRINAHEAVENのひとつ前のCDであるにも関わらず、その集大成であるロデオ・タンデム・ビート・スペクター最終日かなにかの幕張メッセでは、1個目の歌にサンダーバードヒルズが選ばれ、完成形の9分ぐらいあるフルバージョンで唄われていた。

さらにはロデオ・タンデム・ビート・スペクターのリリースゲリライベントである、代々木公園での無料ステージ「YOYOGI RIOT」でも1個目の歌として選ばれていた。サンダーバードヒルズはロデオ・タンデム・ビート・スペクターには収録されていないのにも関わらずです。つまり会場にいる誰も、ロデオ・タンデム・ビート・スペクターの歌はシングル以外知らなかったにも関わらず、さらに知らない歌を放り込んできた。確かサンダーバード・ヒルズはこのときが初めて世界にリリース(無形物として)された日だった。

このときは前列の客が見境なしだったようで、全体を唄わなかったはずです。そのようないわくがある。そしてちょうどその三ヶ月後ぐらいに……例のテロが起きた。ちばはサンダーバードヒルズに書いたことが本当に起きちまった、と言っていた。

ということをぼくはかなり後から知り、ただただ驚くのみだった。……

世の中が青と赤だけでできているのならば争いが起こらないのかどうかについてはわからない。世の中にある青と赤とはなんだろう?赤とは血なのだろうか。人間が血しか持っていなかったら、文明などないから巨大建造物群などなく、地面に住んでいるから真っ青な空が見えるだけである。

つまり青と赤とは地上の最小単位なのだろうか。他に自然がある。自然は緑だろうか。そして動物たちはそれ以上の文明でもともとそれ以降も生きていないので、赤しか持っていないことになる。

つまり高層ビル群とは「争いのあかし」なのだろうか。何かと何かが争い、どちらかが勝つとひとつビルが立つ。本当はそんな意味で書いたことなんて世間に言おうとは思わなかったが、マジでそうなってしまったから仕方なく発表したのだろうか。争いなんてやめろよ、と言ったら、争いが起きたせいで立体が偽物となってしまった。

つまりNHKはこのトップランナーを平和へのメッセージとしても放映する意義を見いだしたのだろうか。かつてのちばをアンバサダーとして、怒れる災厄となったロシアと中東あたりの何かしらの団体に対してやめたれや、と言っている。すでにいない、20年前の日本のミュージシャンたちが、20年後の世界に対してそのようなメッセージを残しているとちばの口を借りて言っているのだろうか。

ちばが何らかの責任を感じたのかどうかはわからないが、トップランナーでも話されたようにガチで起こってしまった争いに対して歌の中で触れないわけにはいかなかったのだとすると、サンダーバードヒルズで伝えてしまった世界のよろしくはない姿をじゃあどうすれば正解なんだよと訊かれても平気なように、GIRL FRIENDを造ったのだろうか。GIRL FRIENDの歌なしバージョンにNIGHT IS OVERという歌があり、さらにアレンジし直してちばピアノ+あべギターしかなくした上で演奏された夜が終わるという歌があり、GIRL FRIENDがある。

GirlFriendは一度だけLAST HEAVEN(解散全国ステージ)で唄われたことがあったが、聴けばわかるがピアノがないためアレンジがまるで違う。別に拍子や展開を変えてるわけじゃないから、何も知らない人がCD版と最後のステージ版を聴いたら、ただ生演奏にしただけじゃないのと思われるかも知れないが、とにかく全然違うんですね。

そしてその後GIRL FRIENDが流されたことはなかった。CD版が流されたのが一度だけあり、それはLAST HEAVENの各会場で最後観客をはけさせるために流れるBGMとしてでした。もしかしたら流れていたのはNIGHT IS OVERだったかも知れません。THEE MICHELLE GUN ELEPHANTは声が入っている歌を出囃子とか最後の時に流してはいなかった気がする。資料がないためなんとも言えないが……

つまり幕張のLAST HEAVENであべのギターが切れた世界の終わりを演奏しながら先にちばが楽屋に帰ってしまって、あべとうえのがありがとうとのみ言って帰っていき、くはらが最後に手を掲げて帰って行った後に巨大モニタに流されたThank you Rockers I love you Baby (Burning Motors Go LAST HEAVEN)というメッセージとともに伝えられたメッセージとはGIRL FRIENDなのである(あるいはNIGHT IS OVER)。暗い夜が明ける。


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