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静かなピアノ演奏で夜の時間を優しく包むイ・ロハ / Roha Lee

自分が知らなかったバーチャルYouTuberのかたについて紹介するnoteです。

今回は美麗な映像とともに主に生中継=ライブストリームでピアノ演奏を届けるイ・ロハ / Roha Leeさん。

公式に依る説明は以下(意訳)。

韓国と日本のハーフ
韓国で生まれ、両親の事業の都合により日本で学生時代を送った。韓国文化をさらに知りたくなって韓国の大学へ進学。縁あってバーチャルYouTuber事務所にキャスティングされた。宇宙アイドルになるのが夢であり目標

たまたまですが今日このnoteを書こうかなと思った瞬間(の数分後)に普段リスナーの眼前に置いていると思われるピアノの構成を1から製造している様子の短編ムービーが投稿されました。

ピアノの鍵盤を押すと、奥で弦が叩かれて音が出ます。今回は弦をぶっ叩いて我々がよく知るあの音を出すためのハンマーと呼ばれる部分を作っているようです。

また昨日おこなわれた最新のライブストリームでは早速そのハンマー部分にまで定点カメラが切り替わるようにも。

それだけでなく、演奏に依ってはティンパニーまで取り入れられており、パーカッションが鳴るとモニタが光るようなエフェクトまで実装されていました。また昨日のライブストリームでは多少アカペラも披露されていたようですが、その際にも流れていた特殊な流れ星のエフェクトは宇宙アイドルならではということなのでしょうか。

バーチャルYouTuberは家での生活を支えるエンターテインメントのひとつ

バーチャルYouTuberの方々はその特性を活かし、持ち前のきれいな声で歌ったりして手軽なライブシアターを毎夜のように開催してくれることが特徴。もちろん普通に話したり、ゲームで遊んだりということも多い。

最近、家で安らかに眠るために自分なりのASMRを追い求めるという選択肢をYouTubeに求めることが見直されています(一般論ではなく自分の中で)。前述の通りシアター感覚で既存のオケに乗せて歌を披露してくれる向きも非常にスタンダードなものとなり人々のStay Homeを楽しませてくれているのですが、いかんせん寝るとなると例えモニタの向こう側であろうと人の存在が気になってしまうことがあるかたも少なからずいるのではないかと思います。

その指標のひとつとして、声を出すか出さないかというのも重要なファクタとして捉えられがちかも知れません。

声を出すことを生業としているケースが多いバーチャルYouTuberは確かにそこに存在しているという事実を「消しづらい」。とまで言ってしまうのは極端であり、例示と思って頂ければ幸いですが存在意義ような根幹に関わりかねない部分かもしれません。

歌わないいろは/Roha Lee

Rohaさんは歌を歌わず、ピアノの演奏に注力します。

恐らく防音室のようなスタジオかご自分の部屋と思われる場所に、自分の名前(L.Roha)が刻まれたグランドピアノが置いてある。別配信では外側のモデルをどこかしらに発注したような旨を話していましたが、上記制作の裏側ムービーで示しているように中身なんかを製作されたようでこちらにも驚かされます。

冒頭に引用したSummerは日本映画を代表するクラスの、ピアノによって演奏された"いい歌"です。左手の単音が跳ねている感じのアレンジが、決して元の歌の良さを損なわずカバーソングであることを思い出させる造りになっている。

日本のアニメ流行歌やゲームBGM、平沢進が好きなようでよく弾いています。テンションの上げ下げが激しいジャンルのように思えますが、Rohaさんによって一定の落ち着いた表情を持った音程、リズム、質感を持って演奏されるため非常に落ち着いて聴けることがぼくの捉える最大の特徴です。

例外的にようこそジャパリパークへのような歌は恐らくご本人もアニメ含めて好きでいらっしゃるような感情が垣間見えるため、実際のCD音源のようなハイテンションで演奏されることもあります。

ほか、ジブリアニメのような子供の耳にも残りやすいような楽しいメロディでも優しい演奏の仕方となり落ち着いた気分になれることでしょう。

ご自分のおこなったストリームの下段に、きちんと後からタイムスタンプを書き込んでいるまめな性格があらわれている部分も紹介します。以下は少し長くなりますがある日の演奏時に弾いた歌のラインナップの抜粋。


34:39 君をのせて (라퓨타 ost)
34:59 パリは燃えているか (일본 다큐멘터리 ost)
35:34 ロシア国家 (Russia 국가)
36:34 Harry Potter ost
37:17 Harry Potter main them
38:15 もののけ姫 (원령공주 ost)
39:03 Indiana Jones ost
40:16 The Terminator ost
41:53 Mission Impossible ost
42:51 Edelweiss (Sound of Music ost)
43:38 A. Dvorak Symphony No. 9 (JAWS ost)
43:59 Merry Christmas Mr. Lawrence (戦場のメリークリスマス ost)
46:35 All Star (Shrek ost)
48:39 Jurassic Park ost
50:37 The Avengers ost
51:38 My Heart Will Go On (Titanic ost)
52:19 Happy Birthday Song
52:48 前前前世 (너의 이름은 ost)
55:09 となりのトトロ (토토로 ost)
56:43 Gonna Fly Now (Rocky ost)
57:29 No.4 Piano Journey (Roha's First Stream OP)
58:04 G. Bizet Habanera (Roha's First Stream OP)
58:46 R. Strauss Also sprach Zarathustra (A Space Odyssey ost)

1:00:49 MC
1:01:30 Roha's First Stream OP
1:03:14 MC

1:09:39 F. Chopin Etude Op.10 No.3
1:11:37 F. Chopin Nocturne Op.9 No.2
1:13:27 F. Chopin Nocturne No.20 in C Sharp Minor
1:16:44 金星 - 平沢進

1:19:52 MC

1:29:02
1:30:16 He's a pirate (Pirates of the Caribbean ost)
1:31:47 ゴーストバスターズ
1:32:11 First Step (Interstellar ost)
1:33:54 KING - Kanaria
1:35:27 Pacific Rim ost
1:36:35 Eye of the Tiger (Rocky 3 ost)
1:37:55 春が来た (일본 동요)
1:38:39 カリンカ (Russia 민요)

歌に対する知識といいますか、ジャンルに囚われない造詣の深さが伺えます。

異質なライブストリームの形態

またinterlude代わりに挿入される普通の話も日本語を半分以上取り入れており、恐らく母体のファン層に多いと思われる日本人でも話が理解できないことはないでしょう。ご来歴から察するに、二ヶ国語を混ぜてお話になるのがごく自然なことのようにも思えます。

生配信の冒頭ではカルメンのテーマに乗せて獲物(グランドピアノ)にあらゆる角度からズームしてその存在をフォーカスさせる(ある日の例)。ぼくが初めてその存在を知ったアーカイブではグランドピアノの傍らに置かれたブラウン管テレビのようなものの中に自分の姿を映していて、なにかバーチャルな存在であることを明示している部分にも強く惹かれます。あまりにも世界が完成しているように思えます。

素人目線ですが「音源を聴き込んだor記憶層に情報が留まりやすい情操教育期間等に何度も聴いたことがあるから耳が覚えている」から、その歌を楽器と自分との接続インフラである指先というメディアから出力できるというような感覚での演奏が為されているように思えました。

これだけのことをしているのであれば、録音―――――技術的には録画という表現が正しそうですが、もちろんそのいずれでもないようにしか見えないと明記しておきますが―――――を流しているだけでも全くエンターテインメントとして差し支えないと思えるのに、演奏の冒頭や大コーラス部分なんかで採譜しながら演奏しているため本当に弾いている。上記のアーカイブでは、Unityを操作しながら、画面切り替えをご家族に手伝ってもらって生演奏を実現しているようでした。

また、出力される音に応じて実際に目の前の鍵盤が叩かれます。

寧ろわざと手が止まった録音を流すのでも問題ないとさえ思えます。

また最新回では弾いた鍵盤から音ゲーのようなレーザが手前に流れていくという演出も採用されるようになりました。

盤を叩く指の打鍵力によって、ピアノ左上に置かれたモニタが点灯するようになったり、スタッカートのある音質で弾かれると鍵盤の真上にCGイメージがランダム登場したりする様子。

音で聴いている人々を楽しませながら、画面を注視しているファンにも応えている。もともとこのようなきちんとした映像とともに演奏しているため、エンターテインメントととして成立していないわけはないのですが……

どこにいても店に訪れた気分でグランドピアノ演奏が楽しめるエンターテインメントだと思いました。

なお、上記アーカイブ「童心」についてその存在を知ったのは彼女にとって日本の同僚であるギルザレン3世氏によるもの。氏はほぼ全くライブ配信をしませんが、歌に関するバーチャルYouTuberについて見識が深いバーチャルYouTuberです。

またトマリさんがた関係の皆さんと遊んだ際のピックアップムービーをまたオリジナリティあふれる編集でアップされていたりもします。かなりギャップが有るためこちらには引用しませんが、そういった処から興味を持たれることも必要なのかも知れません。

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