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『あなたの愛人の名前は』 あなたは同時に2人愛せますか?【読書感想文】

こんばんは。
今日は、島本理生さんの『あなたの愛人の名前は』について書いていきます。

とても、良かった。
とても、とても良かった。

やっぱり、島本理生さん好きだなぁって思っちゃった。


では、いきます。


物語は、6編。
すこ〜しずつ繋がっていて、最初の物語に出てきた人がここに。こちらにはあの人が。
そして、視点を変えて語られる「あなたは知らない」と「俺だけが知らない」。

男女の話だけではなく、猫が語り手になっているお話もあって、とても新鮮でした。

この話は、哀しくて、共感する部分もあって苦しくて、泣きながら読みました。
感情がこんがらがるっていう感じ。
気持ちはわかるのに…!自分じゃぁ、どうしようもできない。変えたい。変えたいのに…ってなるのに、心はどちらか一方しか向けないんだよね。

やっぱり、何もかも犠牲にしないなんて、できないんだろうなって絶望も感じられるけれど、これが生きるってことなんだよな、と思う。


「あなたは知らない」「俺だけが知らない」は、白でも黒でもなく、グレーな関係が、島本理生さんらしく、美しく描かれているなぁと感じる。

ハッキリさせると死んでしまう関係というか。
恋愛としては運命ではないと思うんだけれども、人生の分岐点として出会う男女としては運命というべき相手。みたいな。

出会ったことで、透明な水を満たしてくれたり、拠り所となって、疲れたときを癒してくれたり。

いつか枯れてしまうオアシスだったとしても、その瞬間は生きていくのに必要な存在であった。そんな相手。



飢えて狂っている時間は、幻覚さえ見せてしまう。
そう、知らなかったのは、「本当」が見えていなかったからなんだ。何もかもに疲れていて、「自分」しか見ることができなかったから、なのかもしれない。



はい。
この読書感想文は、本当に自分勝手に自由気ままに書いているので、実際に読んで「??こんな内容??」ってギャップを感じる人もいるかもしれませんね。はい。(なげやり)



基本的に、今の感情や昔のもやもやだったりと結びつけて、気持ちを整理しながらの1発書きなので、共感できなくても良いのです。


けれども、とっても素敵なお話ばかりでした。


おやすみなさい。


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