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【第4次産業革命】人間の意識がロボットに転送される日へ私達は歩みを進めている

1999年に公開されたマトリックス、はたまた2009年公開の話題作アバター。SFの世界の話と割り切っていましたが、どうやらこのようなSFの世界観が現実になるのではないかという兆しがみえてきました。

我々人類はホモ・サピエンスの時代から様々な進化をとげ、また過去3度の産業革命を経て現在の暮らしがあります。しかしまた新たなパラダイムを迎えるべく革命が起ころうとしています。第4次産業革命です。

第4次産業革命とは

2016年にスイスで開催されたダボス会議では第4次産業革命を主要テーマとして議論が交わされました。

これまでの産業革命をおさらいしてみましょう。

第1次産業革命/18世紀後半、蒸気・石炭を動力源とする軽工業中心の経済発展および社会構造の変革。イギリスで蒸気機関が発明され、工場制機械工業が幕開けとなった。

第2次産業革命/19世紀後半、電気・石油を新たな動力源とする重工業中心の経済発展および社会構造の変革。エジソンが電球などを発明したことや物流網の発展などが相まって、大量生産、大量輸送、大量消費の時代が到来。フォードのT型自動車は、第2次産業革命を代表する製品の1つといわれる。

第3次産業革命/20世紀後半、コンピューターなどの電子技術やロボット技術を活用したマイクロエレクトロニクス革命により、自動化が促進された。日本メーカーのエレクトロニクス製品や自動車産業の発展などが象徴的である。
(出典)総務省「第4次産業革命における産業構造分析とIoT・AI等の進展に係る現状及び課題に関する調査研究」(平成29年)

そして今まさに起こりつつある第4次産業革命とは「あらゆるモノがインターネットにつながりそこで蓄積される様々なデータを人工知能などを使って解析し新たな製品・サービスの開発につなげる」こと。

早くて2030年、遅くても2050年頃までには構想を実現しようとしています。

世界フォーラム主宰の経済学者クラウス・シュワブは 「第四次産業革命 ダボス会議が予測する未来」という本を出版しており、著書の中では "体内埋め込み技術" 、"デジタルプレゼンス"、"ウェアラブル・インターネット"、"スマートシティ"、"デザイナーベビー" などを取り上げています。

IOTはInternet Of Thingsの略ですが、物だけにとどまらずInternet Of Humanも視野に入れられていることがわかります。

内閣府による人間アバター化計画

【アフターコロナ】出産や子育てがなくなるかもしれない未来にむけて でも紹介した内閣府の2050年へ向けての構想ムーンショット計画。これはまさに第四次産業革命に向けた日本における構想であり、Society 5.0(※)の世界観を表したものでしょう。

Society 5.0は、Society 1.0 (狩猟社会)、 2.0(農耕社会)、 3.0(工業社会)、 4.0(情報社会)に続く新たな社会を指すもので、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムにより、経済発展と社会的課題の解決を両立する人間中心の社会のこと。

目標1には人が身体、脳、空間、時間の制約から解放された社会の実現が掲げられ、その具体例に "サイバネティック・アバター生活" なるものが紹介されています。

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2050年までに、望む人は誰でも身体的能力、認知能力及び知覚能力をトップレベルまで拡張できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を普及させる。2030年までに、望む人は誰でも特定のタスクに対して、身体的能力、認知能力及び知覚能力を強化できる技術を開発し、社会通念を踏まえた新しい生活様式を提案する。(ムーンショット計画目標1)

サイバネティック・アバターとは

サイバネティック・アバターとは一体何のことなのでしょうか?

サイバネティック・アバターは、身代わりとしてのロボットや3D映像等を示すアバターに加えて、人の身体的能力、認知能力及び知覚能力を拡張するICT技術やロボット技術を含む概念。Society 5.0時代のサイバー・フィジカル空間で自由自在に活躍するものを目指している。

HPの説明を読んでもいまいち想像のつきにくいサイバネティック・アバターですが、以下サロゲートの映画のトレイラーを観ればイメージの助けになるかもしれません。

サロゲートはまさに脳波で遠隔操作できるロボットが開発された近未来の話です。

一方ムーンショット計画は、

2030年まで→1つのタスクに対して、1人で10体以上のアバターをアバター1体の場合と同等の速度、精度で操作できる技術を開発し、その運用等に必要な基盤を構築する。

2050年まで→複数の人が遠隔操作する多数のアバターとロボットを組み合わせることによって大規模で複雑なタスクを実行するための技術を開発  

を目指しているそう。映画サロゲートでは1人が1体のロボットを動かしていますが、ムーンショット計画ではこれが1人多数のアバターを動かすことを目標にしていますね。

なぜ多数なのか?と首を傾げましたが、これは生産性のためでしょう。職場に行かずとも自分のアバターのロボットを遠隔で動かし、仕事・タスクをこなすことができる、という世界観でしょうか。

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ページに掲載されているイラストを見る限り、一人が様々な職業を経験できるということ可能性も示していますね。

意識を転送して不死を目指す "2045イニシアチブ"

サイバネティック・アバターについて調べていた時に類似したプロジェクトをみつけました。2011年にロシア人起業家Dmitry Itskovによって創設された2045 Initiativeです。

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2045 Initiativeは、意識転送(精神)とロボティクスを掛け合わせ不死のサイボーグを作ることを目的とする非営利団体。2045年にプロジェクトの完了を目指し、彼らも年代ごとに目標を掲げています。

2015-2020
ブレインコンピュータによりコントロールできる手頃な価格のアンドロイド「アバター」の出現と普及。「アバター」は危険な場所での作業、救急活動、また障害のある患者のリハビリのために使用されます。手足を補ったり、失った感覚を回復したりします。

2030-2035
個人の意識を人工頭脳に転送する技術が開発されます。この開発は不死の可能性を与えるだけでなく、人間の能力を拡大し、脳を回復または修正することを可能にします。

2045
肉体を必要としない意識が人間の能力を超越した新しい身体を受け取る人類の新時代が到来します。変化はエネルギー、輸送、政治、医学、心理学、科学などすべての領域で発生します。ナノロボットで構成された肉体やフォログラムを利用してありあらゆる形をとることが可能です。人類は進化を遂げ最終的には新しい種となるでしょう。

肉体を脱ぎ、転送可能な生命体として生きることが可能になる?

いかがでしょうか?次なるテクノロジー、技術革新として人間の脳とAIが接続され、最終的には意識の転送の実現と歩みを進めていることは間違いなさそうです。肉体なき人間は一体何に時間を費やし、生きることをどう定義し直すのか、ワクワクすると同時に怖くもありますね。

最後に意識は他の肉体に移すことができるのか?という動画で締めくくりたいと思います。













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