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シリーズ:コロナと激動の消費者心理【1-3月期調査④】生命保険の契約や見直し、都市部での過熱は一段落か

企画・製作 株式会社矢野経済研究所 未来企画室

このシリーズでは、WEBアンケート定点観測調査(年4回実施)をもとに、日本の消費者の消費・心理・生活がコロナ禍でどのように変化したのかについて、気になるトピックを調査ごとにお届けしています。

当シリーズ投稿の趣旨や出典元の消費者調査につきましては、初回の記事でご紹介しておりますのでご覧ください。

<シリーズ説明>

調査概要

生命保険の契約や見直し、都市部での過熱は一段落か

「生命保険の契約や変更、見直し」の実施率と実施の見通しを調査した。下図は居住地タイプ別の結果を示している。

生命保険の契約や変更、見直しの実施率と見通し【居住地タイプ別】(n=3600)

今回1-3月期調査では、三大都市圏に住んでいる人の、「生命保険の契約や変更、見直し」の実施率が、前回から大きく低下した。前回の10-12月期には、三大都市圏と地方都市圏の都市部で生命保険の契約や見直しが急増していた。地方都市圏は今回1-3月期に低下したが、高い水準は維持している。一方、三大都市圏は大きく実施率が低下し、前年同期を下回った。オミクロン株による第6波の感染拡大の影響により、営業活動や接客が難しくなったことが影響していると考えられる。

地方都市圏とその他地方で高止まりの原因は?

地方都市圏とその他地方では、前回の10-12月期に上昇した実施率の水準が一定程度維持されている。ガソリン価格の高騰など商品価格上昇による家計状況の悪化の影響は、車社会の地方で特に痛手となっていると考えられる。家計状況の悪化に伴う保険商品の見直し意欲が高まったことと、感染拡大の影響に伴う実施率の低下の影響が、拮抗しているのではないかと考えられる。

出典:「コロナ禍の消費者心理・消費・生活を捉える定点調査2021」

※本シリーズの投稿内容はすべて執筆者の個人的な見解を示すものであり、執筆者が所属する団体等を代表する意見ではありません。また、投稿内容はいかなる投資を勧誘もしくは誘引するものではなく、また、一切の投資の助言あるいはその代替をするものではなく、また、資格を要する助言を行うものではありません。

今春、矢野経済研究所 未来企画室は新プロジェクトを始動しました。 『未来を数字に』をコンセプトに、独自の切り口で、今はまだ数値化されていない未来の価値や潜在価値などを、あれこれ数字で表現していきます。