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経営者が人間らしくイキイキできる文化を創造したい

武蔵野美術大学大学院に新設された造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースに2年在籍し、まもなく修了を迎えようとしています。1期生としての在籍は、色濃く素敵な時間でした。アウトプットをすることが多い社会人としてのインプットの時間は本当に貴重で賜物でした。その武蔵美で過ごした時間のほんの少しを皆さまにお届けしたいと思います。


なぜ武蔵美に入学したのか

新しい時代の経営のあり方について造形の視点で学びを深めるために入学しました。日々の生活の中で手に触れる商品やサービスが今後どのようなものになっていくのかを想像した時に、それを生み出し続ける企業の経営のあり方が少しずつ変わっていく予感を持っていました。そして、それはおそらく、造形の考え方がヒントになるのだろう、と、そういう肌感で、入学を決めました。

武蔵美で何を学んだか

造形の視点や考え方をあらゆるアプローチで学び得る時間を通じて、人間が“美しい”と想うものが何か、がわかるようになったことが何よりも大きな財産です。好き嫌いは人それぞれ、個性によって変わりうると思っていましたが、何を美しいと想うか、そこには絶対値があることに気付かされました。そして”美しい”ものを提案する態度を体得することができました。態度であり、必ずしも提案できる技術を習得できたわけではない、ここも造形の奥深いところであると感じます。大学院での数多くの接点のなかで、Tangibleなものを創作する機会がその気づきを後押ししてくれたのだと思います。日頃Intangibleで概念的な世界で仕事をしている時間が多いなかで、Tangibleな体験は、実態が伴っており、つまり現実世界であり、あたかも自己と密接に繋がっている表現であり、その体験での学びは非常に深いものとなりました。

研究を通じて伝えたいことは

日々生活のなかで享受している価値、それを生み出してくれている多くの企業・ビジネスを人間らしくしたい、そういう願いで研究を続けてきました。企業経営を営む経営者に焦点をあて、経営者が「人間らしい」状態になることを目指しています。
『顧客体験の創出を目指した経営における経営者の意思決定構造と人間らしさに焦点をあてた方法論の研究』と題して、修士論文研究を進めてきました。これからのVUCA時代に求められる経営は、顧客への新しい体験を創出し続けること、そしてそれは正しいか正しくないか、ではなく、魅力的か魅力的でないか、という意思決定で判断することが求められます。そのような意思決定を行うために経営者に求められる要素は「人間らしさ」と「対話」と導き出しました。人間らしさの尺度を定義し、そして対話をベースにした方法論を提案することで、経営者が人間らしくいられる状態を実現します。
経営者の価値観を変え、経営者の行動を変え、ビジネスを変え、新たな文化を生み出したい、とそう願っています。

今後の展望とは

修了しても変わらず、「経営者が人間らしくイキイキできる文化を創造し、ビジネスを人間らしくすることで日本国の発展に寄与したい」この想いを胸にさまざまなチャレンジをしていきたいと思います。

最後に、coconomaとは、建築の世界で人間が一番居心地良く過ごせる空間が九間(ここのま、三間×三間)であるということから、そのような居心地良く生きられる世界を創れたらと考えて名付けています。Tangibleな世界に魅了されて、木工職人としての技能を学んでいます。いつか自分の手でTangibleな造形物を生み出し、世に提案することで新しい文化を創ることに貢献したいと願います。



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