弁護士の過半数が年収400万円以下？

「子供を医者か弁護士にしておけば安泰」

そんな風に考えてる親は少なくないだろう。

しかし近年、弁護士を取り巻く環境は
かなり厳しいものとなっている。

今日はその背景を紹介していきたい。

この記事は4分で読み終わります。

なぜ弁護士の給与は下がっている？

タイトルにも紹介したが高給のイメージが
強い弁護士の給与が下がっており、
なんと半数以上が400万円以下。
（『弁護士白書2015年版』より）

ではなぜここまで弁護士の給与が
下がっているのか？

単純に弁護士の数が増えすぎたからである。

（出典）弁護士白書2014年版

背景としては海外に比べて人口あたりの
弁護士の数が不足していることを課題として
政府が2004年に弁護士の合格者数を増やした。

結果、1999年に1.7万人ほどだった弁護士は、
2018年にはついに4万人を超えた。

その一方で日本国内の事件数が増えるわけ
ではなく需要に比べて供給が増えすぎた。

結果、弁護士資格を取っても働き口がない、
もしくは働けても非正規という弁護士の
ワーキングプア化が進んだのである。

「豚バッジ」と「金バッジ」

弁護士の中でも格差が生じている。

実は先ほど述べたように政府が弁護士数を
増やすために司法制度改革を行った際に、
旧司組と新司組という2つのバッジが生まれてしまった。

合格率3％という超難関の旧司法試験と、
合格率が20%台の易化した新司法試験を
合格した者で格差が生まれたのである。

僕が読んだニュースではある警察官が、留置場に
接見に来た弁護士が旧司だと下手な対応が
できない“金バッジ”、新司は怖くないから
“豚バッジ”と区分けしているとのこと。

なんとも悲惨な現実だとは思うものの、
確かに顧客からすると旧試験を合格した
者の方が何となく優秀な気がしてしまう。

過払金のCMの裏に隠れた秘密

弁護士の数は急増し続けており、
特に新司組が旧司組に比べて
冷遇されていると述べた。

では、新しい司法試験に合格した弁護士は
どんな職についているのだろうか？

実は、こうした増えすぎた若手弁護士を
多く雇い入れている会社がある。

それがアディーレ法律事務所である。

読者の皆さんもこの会社のCMを
1度は見たことあるのではないだろうか。

過払金問題がドル箱であることに早く
に気づいたこの事務所は、圧倒的な
マーケティング力によりこの領域で
絶対的な地位を築いたのである。

この事務所の派手なPR手法などは、
旧来的な考えの弁護士から好かれていない。

だが、増えすぎた若手弁護士に働き口を
提供しているという点で弁護士業界に
貢献していると評価されている。

弁護士がこのまま増えすぎると、、、

ただ、過払金ブームも過ぎ去り、
今後事件も極端に増加することはないと思う。

僕はその中でこのまま弁護士が増えすぎると、
2つの点で私たちに影響を及ぼすと思う。

1つ目が、弁護士費用の高騰。

弁護士が増えたら当然弁護士費用が
下がりそうなもの。

だが逆にこれまで採算度外視で
良心的に案件を引き受けていた弁護士が
いなくなると考えると逆に費用は上がる。

つまり、顧客が限られてる以上一人の顧客から
いかに高い単価を取るか、というのが彼らの
発想になる可能性が高いのである。

2つ目が弁護士の質の低下。

僕は法科大学院を新設して司法試験の
合格率を従来の7〜8倍上げたことで
弁護士の質が下がった可能性は
高いと考えている。

だが、それ以上に深刻なのが
優秀層が弁護士を目指さなくなること。

僕の東大法学部の友達は、弁護士が
コスパの良くない仕事だという
ことに気付き始めていた。

そして、弁護士など目もくれず
国家公務員や外資系企業を受けていた。

こうなると従来であれば弁護士を目指す
はずだった優秀な人材が他の業界に
流れていってしまう可能性がある。

こうなると、弁護士の質が落ちてしまい、
かつ料金も高くなるという顧客に
とってデメリットしか残らない。

いかがだったでしょうか？

高給のイメージが強い弁護士の半分が
年収400万円以下というのは
衝撃的ではないでしょうか。

これも欧米と比べて弁護士の数が少ない
という理由で弁護士を安易に増やし
すぎた政府の失策な気がします。

このまま増え続けると、弁護士が
'憧れの職業'から'なり手のいない職業'
になる日は遠くないかもしれません。。。

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今日も一日お疲れ様でした！
明日も良い1日を☺️