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読書会もじおこしアーカイブ【3月-宇宙のみなしご】①

こんにちは。不登校ラボスタッフの古川です。今回は、先日開催された『挫折と読書俱楽部』での読書会を文字起こししてお届けいたします。今月の課題図書は『宇宙のみなしご』。一冊の本を通してみなさんの「宇宙」を探検します。

ここでは2時間の読書会を数編に分けてお届け。なお会では物語の内容に触れていますのでネタバレ等にはご注意を。

また、来月は4月20日の午後に開催予定。課題図書は『都会のトム&ソーヤ①』です。こちら、メンバー内外問わず参加できます。
詳細はこちらから↓
□不登校経験者と読書会をおこなう。|不登校ラボ (note.com)


〇今月の課題本

・著 森絵都 「宇宙のみなしご」




3月9日14時 ZOOMにて


スタッフ古川:不登校ラボ、「挫折と読書倶楽部」へようこそ…って、発案者は僕じゃないですが。今回は参加者兼進行を勤めます、どうぞよろしく。


スピーカー紹介


古川:まずは自己紹介からいきますか。「名前・不登校歴・最近よかった作品をプチ紹介」でお願いします。

僕からいきます。不登校ラボ、スタッフの古川です。不登校歴は高校3年間。最近よかった作品はElle Tresaの新譜ですね。ギャルのラッパーです。これ録りながら泣いてるじゃんっていう雰囲気を直感的に感じる曲がすごい好きなんですけど、今回のEPに入った4曲うちの一番最後にある「nemo」っていう曲がすごいそれで、めちゃめちゃよかったんで即プレイリスト行きしました。それじゃあ次、ボビンさんお願いします。

ボビン:ニックネーム「ボビン」でnoteとかやってます。不登校歴が中学生の頃なんで今から10年以上前ですね。中学校3年間はまるまる不登校で、そのあと通信生高校。最近良かった作品は、なんだろう。だいぶ遅れながら「ちいかわ」見たんですけど良かったですね。癒やし系かなって思ったんですけどそういう感じでもなくて、他の作品で例えるなら一番近いのは「マッドマックス」。面白いなって思って漫画今集めてます。

古川:いいですね。では、ゆかさんお願いします。

ゆか:ゆかです。不登校経験で言うと高校2年から3年にかけて、半年から1年くらい不登校だったんですけど、ちょっともう20年近く前のことなんであまり覚えてないんですよ。高校3年生の途中で通信生の高校に転入して、卒業したあと大学に行きました。最近、まだ読み途中なんですけど、「東京都同情塔」っていう一番直近で芥川賞を受賞した作品を読んでる最中です。AIを使って小説を書くっていうテーマが含んでいる作品らしく、私もすごい興味あって面白そうだなと思って読み始めました。

古川:あ、受賞の会見僕も見ました。最後になすとうまさんお願いします。

なすとうま:なすとうまです。不登校歴は小学校3年生の3学期の冬休み明けぐらいから、3ヶ月ぐらい保健室登校した後に4年生でいったん戻って、また後半から保健室登校して、みたいなのを小学校の間は繰り返していました。中学校は夏休み前ぐらいまでは教室に通っていて、その後は別室登校をしたりとか市がやってるフリースクールみたいなところに通ったりしてました。通信高校、大学を経て社会人やってます。いまちょうど持ってるのが、USJの森岡毅さんが書いた本。私は本当はディズニーが好きなんですが、1月に泊まりでUSJに行って、いきなり年間パスポートを買って3日間フルでUSJに行くというのをやっていました。やっぱりあの時感じたあれこれはこういう戦略のもとにあったんだな、っていうのが分かっていいなと思っています。


古川:ありがとうございます。それでは今日はこの4人でやっていきますか。


本を読んでみて


古川:まずはお一方ずつ、それぞれピンで感想を語ってもらいます。個別の質問などはこの次のコーナーで。もう語りたいですって人いればマイクをパスしますが、います?


ゆか:

あ、じゃあ私いいですか?いろいろあって割と話があちこちこいっちゃうかもしれないんですけど、お願いします。

「宇宙のみなしご」を読んだきっかけは、先々月、森絵都さんにインタビューをするための事前打ち合わせの中でこの本が話題に上がっていたからです。「宇宙の見なしご」というタイトルが、どういうことなんだろういつ出てくるんだろうとずっと考えながら読んでいて、ラストで出てきた時には感動しました。やっぱこのラストのシーンすごい良くて、私今回3回読んだんですけど何度読んでも泣いちゃうなと。

この作品の大きな魅力のひとつって主人公の陽子ちゃんかなと思っています。すごいひょうひょうとしていて、不登校になるんですけど全然不登校に悩んでない。家で精力的に家事をこなしている様子とか、むしろすごく活気にあふれていて充実感がみなぎっていて面白いし、あとやっぱり陽子ちゃんすごい達観してて中学生とは思えないような大人みたいな発言をしたりとかすごく魅力的な人だなと思いました。

他にも部分部分で共感できるところが多くて、例えばお母さんの親友のお家の帰りの電車内のシーンとか、あと屋根を登っててバレたらどうしようみたいな流れの中で、残念ながら大抵のことに理由はない、と言い切ってしまうところとか。あと、初めて七瀬さんが屋根に登りたいって言ってきた時に、他人のやりたい気持ちを抑えることはできない、と陽子が語った部分はすごい共感できました。

それと、これは皆さんに後でも聞いてみたいんですけど、この主人公の陽子ちゃんとリンくんの家庭環境めっちゃいいなと思っていて、両親が仕事で忙しくて家に全然いなくて仲のいい姉弟が一人家にいるって中学生にとって理想的なんじゃないかなって。担任の先生が陽子ちゃんが不登校だからそれについて親と話したいって言うんですけど、それにも関わらず忙しいらしいんですよ親は。でも何か問題があるかっていうと全くそんなことなくて、陽子ちゃんすごいしっかりしてるし人への気遣いとかもできるすごくいい子。なんか親が仕事で忙しいって別にいいんだなと思ったんです。私も今子供が1歳で、たぶん親視点なのでちょっと皆さんとは違うかもしれないんですけど、その点はすごいいいなと思いました。子どもとの信頼関係があってこそだとは思うんですけど。

古川:なるほど。ありがとうございます。いいですね、確かに親全然出てこないですよね。二人でポンポン家事してますもんね。お次は、ではボビンさんお願いします。


ボビン:

僕が本を読んで思ったことはですね。この本の大きなテーマってタイトルにある通り「宇宙のみなしご」、みんな一人ぼっちでこの世に生を受けたけれど時々は助け合って生きていこう、だと思うんですよ。もう一つ大きいテーマでありそうだなって思ったのが「ブレイクスルー」だなって。例えば一番大きな象徴としてのブレイクスルーは「屋根登り」ですよね。屋根を登ることで、屋根登り自体には何の意味もないんだけど、でも屋根を登る行為に参加することで登場人物に何かブレイクスルーが起きている。

僕はこの「ブレイクスルー」っていう方向にすごい惹かれましたね。特にすごくいいなと思ったのがキオスクで、彼1回屋根登り失敗、というか逃げ出すじゃないですか。あの逃げ出したのがね、すごいいいなと。キオスクはその屋根登りに参加する前にすごい悩むじゃないですか。これ何の意味があるの、とか、自分やって何になるの、みたいな。なんかそのキオスクの、たぶん描かれなかった自分自答みたいなものが、ずっとぐるぐる一人で悩んでいたんだろうなっていうのを僕はすごい想像したんですね。勇気を振るって参加したけど結局ダメで逃げ出した。その後練習したら落ちちゃって自殺未遂とか噂になっちゃって。割と踏んだり蹴ったりの役回りだと思うんですねキオスク。作中でもいじめられこっていうかパシリみたいな。なんかちょっとこの陰謀論みたいなきな臭い思想にハマっていて。でも最終的に登れるようになった。そこがこう、すごくいい。

もともと陽子ちゃんもリンもアグレッシブっていうかそんな問題なさそうな子だと思うんです。そのまま成長していっても普通にやっていけそう。七瀬さんも七瀬さんで、なんか割と自分から陸上部に入ることもできたりとか。控えめだったりおとなしいところはあると思うんですけど、全然大丈夫な子だと思うんですね。ただキオスクはどうかっていうと結構怪しい感じがしてて、ただ今回屋根登りをすることで一歩踏み出したっていうか、そこもブレイクスルーができて、何でしょうね、何かが変わった。キオスクにとっても屋根登りを契機に、これからすごいいいことが起こるんじゃないかなって感じさせる終わり方ですごいいいなと思いましたね。

あと僕も姉がいて、かつ僕の家は母子家庭でほとんど親が家にいない環境で姉と二人で家で過ごして育ったんですね。ただ、この作品の兄弟みたいにあんな仲良いってことは全然なくて、なんだろう、なんか、こういう姉と弟っていう家庭環境で、しかも親も全然いないっていう家庭環境であんな風に仲良くもできるんだなっていう、なんかそういうちょっと驚きじゃないですけど、へぇっていう感じを見て思って。

古川:めちゃめちゃ仲良いですよね、あの二人。悩みとか話し合ってますし、すごいいい環境だなっていうのは僕も同意です。

ボビン:ですね。七瀬さんとかキオスクの家庭環境、キオスクはお母さんとか普通にいい感じそうだったんでどういう関係性か分からないんですけど、ちょっと見たいなって思ったりしましたね。


古川:

はい、ありがとうございます。では僕いきます。僕もたぶん、キオスクだと思うんですよ。興味の矢印は。なんでかって自分も同じ立場だったからで、いじめられたとかそういうのは一度置いとくとしても、「弱い側」だったんですよ僕は。弱い側の男の子で、自分をごまかしてくれるような陰謀論だったり、自分は実はこうだったんだみたいなのに飛びついて自信がない自分を隠そうとする。自分自身不登校だった時がそうだったし、不登校以前の自分もそっち側にいたと思うんです。

弱い自分をごまかそうとした自分自身と重なるから、キオスクに興味がある。はずなのに。はずなのにです。本読んでる最中は、キオスクに対して、こいつうるせえな、って思っちゃったんですよね。陽子視点で物語が進むからどうしても「うざいやつ」みたいな感じで描かれてるじゃないですか。実際そうなのかもしれないんだけど、でもキャラクター的に自分はこっち側の味方でいてもいいはずなのに、主人公の目線がそっちだからって「パッとしない奴」って方に触れちゃったんですよね。

森さんの他の作品で「カラフル」も読んだんですが、あれも主人公の男の子にちゃちゃ入れてくる女の子が出てくるんですよ。邪魔をするまでいかないんですけど、やけに気に触ることを言ってくる女の子。カラフルの主人公も、厄介だなみたいな風に語ってるし、僕自身もそういう風に思っちゃった。一人称視点だからって、こういう弱い側の人間を、「もっと早く動いてよ」という強い側の方の視点で見てしまった。それが個人的にショックでしたね。なんか、かつての自分はこっちだったはずなのに、いま自分がちょっと成長できたことによって、彼らに対してちょっとイライラしちゃったっていうのは、過去の自分を置いてけぼりにしてる感じがして、ショックだったっすね、うん。俺が彼を大切に扱わないでどうするんだ、俺が彼を救えなくてどうするんだと思う。

だからキオスクがそんな感じで、こう、煮え切らないまま進んでいくのかと思ったら、最後のシーンで覚醒するじゃないですか。自分はこう思ってるんだこうしたいんだってのをバーっというシーンがあって、そこでようやく心地よく共感できたというか。それを持っていることは分かっていたんですけど、ちゃんと言葉にしてくれて、爆発するシーンが一個あってよかったなと。とはいえ爆発したところも含めて同族嫌悪的に自分とキオスクを重ねちゃったなと思いながら読んでましたね。それが一番大きいところ。

屋根のぼりとか、面白いことをしようと常々弟と考えているっていうのは、僕も弟2個下と6個下がいるんですけど、2個下の弟とは特に、新しい遊びを考えてやるみたいなことをよくしていたので、リンと一緒に自分たちで遊びを考えるってのはめちゃめちゃ共感できるというか、やっぱり楽しみたいよねって思いました。それと小学生の頃、鍵忘れて家入れなかった時に屋根登って入ったりしたので同じことやってるーと思って。屋根登りのコツみたいなこと話してたじゃないですか。こういう屋根は難しいとか、トタンがとか。あれ完全に分かりますね。しょっちゅうしてたのを思い出しました。結構危なかった、小2とかでやってたから。

セリフとして一番残ったところは後半のさおりさん宅の場面。さおりさんが酔っ払いながらした学生トーク。あそこで言ってた、当時保健室でサボってたさおりさんに友達が眠ってる自分を起こしに来る、友達が迎えに来るのよって言っていたところは印象に残っています。保健室で寝ていても友達が迎えに来てくれなかった人生だったので、めっちゃシンプルに「いいなあ」って思いましたね。そういう関わり方があればもっと楽だったというか。まあそういう関わりがないからつらくなっていたんだけども。

ゆか:いいですよねあそこのシーン。そのシーンを受けて2人は朝までいてあげたのに、叩き起こされるっていう。

古川:すぐ行けってね(笑)。あと七瀬さんの手紙。なんか中学生ってもっとちゃんとしてると思ってたんですよ。ちゃんとしてると思ってたし、今もまだちゃんとしてるんだろうなと思ってるんですけど、なんかみんな、中学生はもちろん20代30代までも、何かしら揺らいで生きてて、自分がやっちゃったことを1回キャンセルしたりしてるもんだなあと思って。避けたりしたけどやっぱあれは間違いだったって謝って、手紙書いたりとかしてるの見て、中学生とかこんなもんだよなと。ちゃんとしてるって思いすぎない方がいいよなって思いましたね。みんなちゃんとしてるから自分も間違えないように、とか思っちゃうタイプなんで、手紙書いてキャンセルは許される、許されるというか選択肢として存在する世界にいるというのは自覚しようと思いました。

以上ですね。次、なすとうまさんお願いします。


なす:

気になったところをメモに書いてきました。いま話を聞いていてなんとなく思ったのが、私があんまり登場人物に感情移入してない気がする。さっきの「特にキオスク」みたいな話を聞いた時、そんなに思ってないかもっていうのがありました。比較的感情移入してるのは主人公寄りなのかなという感じですかね。

まず書き出し、すごい好き。「ときどき、わたしの中で千人の小人たちがいっせいに足踏みをはじめる」。なんかそういうエネルギー大事だよねと思っています。そうですね、「宇宙のみなしご」のタイトルとこの書き出しで、ちょっとやられてしまった感があって、なんですかね、なんかわーっと熱くなる気持ちというか、わーっと熱くなる気持ちをもとに出てきた行動っていうのが熱エネルギーを発していて、そういうものって近くで見たりそこから生まれてきた作品とか行動とかを見てると、温かい気持ちになったり、なんかキラキラ光って見えると思っていて、「宇宙のみなしご」っていうタイトルからくる宇宙のだだっ広い寒くて暗い中に、そういうエネルギーを発している人たちがいたらキラキラして見えるし、自分もキラキラして走っていて、誰かもキラキラして走っていて、そういうキラキラした繋がりがあったら暖かくなるし孤独じゃないよねっていうのをはっきり感じるというか、全体の作品通してのイメージがそんなところなのかなと思っています。

古川:最近流行りの熱ですね。

なす:最近流行りの熱です。冒頭の小人足踏みシーン。途中に出てくる、「すうっと体が冷たくなる」という描写。さっきから熱とか言ってる感じで、「温度感」が出てる描写が私は好きだなと思います。

次に陽子は「理由聞かれるのは困る」と言ってるけど、私は理由の方が聞きたいなと思っている。「なんでそうしたの」っていう聞き方をしたときに「理由求められても困るし」っていうのは多分あるとは思うんですけど、そういう衝動的にやったことの理由が大事で、その理由に基づいて何かしら行動していった方が自分が楽しめる当たりに出会える確率が高いよなと思っているので。どういう思いでそういうことをやりましたっていう話を聞きたいなと思うので、なんか彼女はあまり理由を大事にしないのかと思ったって感じですね。

リンが屋根のことを人に話しちゃったことにすごいモヤモヤってしてる描写があったと思うんですけど、最初に七瀬さんと遊ぶときですね、遊ぶのを決めるまでの間、やっぱりいきなり仲いい人との間に誰か入ってくると「え?」って思うよなと。なんで「え?」ってなるのかなっていうのをもう一個深く考えたときに、たぶん面白いことをやってるんだけど、一緒に面白いと思ってやってくれる人だから一緒にやってるのであって、そこにいきなり関係ない人をぶち込まれると、この人が面白いと思うかどうかもわからないから嫌なんですよね。

陽子は「理由はない」と上の方で言っていたんですけど、たぶん理由はあるというか、理由はないかもしれないけど条件はあると思っていて。衝動的にやるものの中でやっぱりそういう仲間というか一緒に面白がる仲間がいるから面白いんであって、一緒に衝動的にやってくれない人がいたら面白くないというのが、屋根に登りたいと言ってやってくれる七瀬さんとやる屋根登りは楽しかったけど、なんか悩みながら、抵抗しながら、悪いことだと思うって言いながら、結局登らないキオスクに対してイラッとするのは、それはやっぱりこういうところだろうと思っているので、だからそれをやりたいと思った過程で、「誰とやりたいのか」とか「どういう条件だったらそれがやりたいのか」っていうところがすごい大事になるんだろうなと思って見てました。

あとこれ。陽子が言った「だいじょうぶだよ」。キオスクが屋根に登れなかったところの話だったんですけど、すごい「あー」って思ったのが、会社の後輩が仕事ができないって言って泣いてた時があって、その時にしばらく話を聞き、最後の最後によしじゃあこの仕事片付けるためにどうにかしようと残っているタスクを聞いて整理してから帰らせる、っていうのをやったのですが、あの時に似てる。なんかそっち側に来てしまったと思ってすごい嫌な気持ちになった。多分社会人というか、会社で働く人間としては間違ってないと思うんですけど、メンタルよりもタスクを片付ける方を優先してしまった時に、すごい自分にがっかりしたのを思い出したのが、この辺で。

古川:めっちゃわかります、それ。

なす:上司としては正解で、しょうがないんですけどね。あとそうですね、「友達のことで悩んだりするのは学生の特権」という言葉。たぶん特権というより、友達と思っている範囲がすごい広いから友達のことで悩んでるっていう扱いになるんだろうなと思って。結局なにに悩んでるのかといえば、おそらく仲良くなりたい人とかもっと仲良くなれるであろう人の関係性に悩んでいて、それって自分が孤独にならないで済むというか、最終自分のために悩んでるってことに返ってくる気はしています。

七瀬さんが一人で走れなかった理由のところですと、「似合わないことしてるって笑われてる気がする」というのは、何かをやろうと思った時にできない理由として多々あるなかで、そうは言ってもやっておかないと好きなことをやってる人や仲間みたいな存在には出会えないわけで、やらなきゃしょうがないよなーって最近思ってるところですね。この手紙を読んだあと、手紙がカイロのような感触を持ったという描写。最後にもう一回、出てきましたね、熱。物語全体を通して、「エネルギーの使いどころを模索する話」だというのが感想です。

ゆか:感情移入があんまりできなかったってなすさんおっしゃっていて、私も実はそうで、誰にも感情移入できない珍しいタイプの児童文学かなとか思ってたんですけど、話聞いたらボビンさんも古川さんもめちゃくちゃいいこと言ってたんで、私が大人だからなのかなと思ってました。陽子ちゃんはハードボイルドすぎるし、リンは優しすぎるし、七瀬さんもいま一つ行動原理が分からなかったりして。なんか共感できないなと思ったんですけど、でも確かにキオスクは古川さんがおっしゃっていたみたいに、後半になるとすごい魅力を発揮してきたり。いろいろな視点があっておもしろいですね。

古川:いいですねえ。さてみなさんの感想がでそろいました。それでは次に、「問いを投げかける」、ディスカッションコーナーに入っていきましょう。



〈つづきはこちら〉





来月の読書会は4月20日。課題図書は『都会のトム&ソーヤ① (著・はやみねかおる)』です。こちらの読書会、不登校ラボのメンバーでない方もご参加いただけます。挫折経験と読書を融合させる、そんな信念のもと集うおとなの俱楽部活動です。

参加方法は2種類。

スピーカー参加
課題図書を事前に読み、当日は他の参加者と感想を語り合う。

オーディエンス参加
課題図書の読了は自由。当日はマイクオフで会を視聴のみができる。

詳細や注意事項はこちらから↓
□不登校経験者と読書会をおこなう。|不登校ラボ (note.com)

参加を希望される方は、月初めの「不登校ラボスケジュール」に記載されたリンクを踏む、またはスタッフ古川までご連絡ください。
メール:kansinken723101659@icloud.com

たくさんのご参加、お待ちしております。

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