裾に春の揺れる(日記)

 昨日より少し早く起きてnote以外のことを進めた。及第点だ。日記を書く。

 今日乗った車両の出入口には広告が出ていなかった(昨日は広告が変わったことに気付いたのだ)。入れ替え中なのだろうか、それともそういう景気だろうか。はたまた私のように小さな画面を見つめて首を下へと傾ける人が多いから、頭上の広告など今時流行らないのだろうか。
 待合ホームでふと気付いたことには、私の待っていた地点からプラットフォームの端までの短い間に、ぱっと明るい色のスカートがいくつも並んでいた。雅やかな花を思わせるローズピンク、五月の枝葉のような緑、花畑を写しとったミモザイエロー、それから私も、いちご味のババロアみたいな薄いピンク。
 note更新を休む少し前には、あるいは1か月ほど前まではまだ、黒とグレーとブラウンなんかの厚いコートが並んでいた。もしかしたら、コートの下はベルベット絨毯のような赤いセーターや、目の覚めるサファイアブルーのワンピースだったのかもしれないが、ちょっとそこまでは分からない。
 ともかく、ああ春の色合いだなあ、と思ったのだ。丈も形も柄も、着ている人の様子もまちまちである。これから仕事の方もいれば、学生さんもいるだろう。子どもを幼稚園へ預けた後、という場合もあるかもしれない。いずれのスカートの裾にもふわりと、春の気配が揺れている。
 とうに春だって?
 なにを言うの、この町ではやっとコートを脱いだばかりだ。

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