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#17 "違い"を面白がるふたりのルール

"夫婦円満の秘訣は、価値観を無理にすり合わせないこと"
それに尽きる。

こんにちは。
人生を祝うプロデューサー オア明奈です。

私たちは"国際結婚"なので、「文化が違って大変じゃない?」とよく聞かれる。でも私からすれば「国際結婚だから」大変ということはない。だって国際結婚だろうが、日本人同士の結婚だろうが、他人と共に生きることにおいては何も変わらない。誰しもが自分の当たり前を持っていて、誰しもが違う価値観の中で生きている。そう考えてみると「そもそも、あなたと私は当たり前が違う」という前提に立つ方がいい。

今回は夫婦のセキララをシェアしあうコミュニティ「フタリノ」さんからの記事執筆のご依頼なので、側から見たらちょっと変わった、私たちふうふの"違い"を面白がるルールを赤裸々に公開してみようと思う。

1、ふたりの馴れ初め

私たちは2012年に出会い、半年で婚約。
2014年に彼の故郷である北アイルランドで結婚した。

クラブで出会った私たち。当時私は27歳。仕事が楽しく、結婚願望も全くなかった。でも付き合って1週間経った頃に突然父が病で倒れ、急遽大阪に帰省することに。その時彼が、「何もできることはないけど、何かあったらすぐに君を支えられるように近くにいたい。」とカプセルホテルに泊まりながら大阪まで毎週末通ってくれた。そんな風にして献身的に支えてくれる彼をこの状況で親に紹介しないわけにいくまい。実は社会人になってから一度も彼氏という存在を親に紹介どころか会話にすら出してなかったところに、「あの、、、ワタシ実は彼氏がおりまして、、、ちなみに外国人でして、、、そしてすぐそこの駅まで毎週来ております、、、」と突然の告白することに。母も姉も「はぁぁ???」と目が丸くなるような展開で、出会って3ヶ月も経たないうちに家族に紹介することになったのだった。さらには父の病態が落ち着いてやっと東京に戻った日、彼から「実はチームの縮小でリストラになるかも。」と聞かされ、なんとまぁ、、、次から次へとトラブルが続くもんだなぁと驚きながらも、会社が賃貸していた家を出なきゃいけないというので、だったら一緒に住むかと同棲がスタート。なんだかトントン拍子でことが進み、結婚しない理由はひとつもなく、私の28歳の誕生日に彼が気合を入れたプロポーズをしてくれて、無事結婚に至る。そういう馴れ初めだ。(どんな馴れ初めやw)

2013年、付き合い始めた頃。

2、夫婦円満の秘訣は?

彼は私とは真逆のタイプで、超がつくほど優しく、生真面目で、職人気質。私のことを知っている人からは、私の方が自由でぶっ飛んでいると思われがちだけど、実は私よりも彼の方がよっぽど変わり者。ビール、コーヒー、パン、キノコ、自転車、DIY、、、興味の範囲は底知れず、しかもそれを味わうだけにとどまらず、自分で探求して作り始めてしまう。ハマったらそのこだわりはすごく、趣味の範疇を超えまくり。気づけば家が工房化して、自宅でキノコ栽培を始めた時は絶句した。(私は集合体恐怖症なのだ)

ある日、友人に「夫婦円満の秘訣は?」と聞かれて、「価値観を無理にすり合わせないこと!」と答えた。

ふうふと言えど、大前提他人であることを忘れちゃいけない。だからお互いを知ろうとすることは大事だけど、無理にどちらかに合わせようとするんじゃなくて、ふたりにとってのベストアンサーを模索すればいいと思う。周りがどうこうとか、関係ない。パートナーシップなんて、100組いれば100通り。

ちなみに我が家は、お互い行きたい時に自由に旅に出るし、自宅での食事も、それぞれが食べたいものを作って食べるスタイル。

わたしは米が主食。彼はパンが主食。カラダが欲するものが、根本的に違う。だから我が家は、同じおかずをシェアしてパンと米でそれぞれ食べるスタイルに落ち着いた。鯖の塩焼きでもお鍋でも、彼は基本パン。笑

ある日の朝ごはんは、わたしは、玄米、味噌汁、糠漬け。彼は、自家製酵母のパンケーキにたっぷりチーズとピクルス。
これがふたりの日常。

好きなものが違う。食べたいものが全く違うのだ。だから合わせることをしない。

他にも、私は突然3ヶ月の海外一人旅に行ったりするし、彼は彼で大好きな自転車旅に出かけてGW中ずっと不在みたいなこともあったりする。でもこのご時世で最近は行けていないが、結婚してからは毎年、お互いの仕事の繁忙期が落ち着く頃に3週間ほどお休みを合わせて、長期で海外旅行に一緒に行くのがお決まりだった。

2017年のパリ
2018年のモロッコ
2019年のアムステルダム

旅行も、毎回一度に5カ国ぐらいはしごするんだが、それぞれが行きたい国を挙げてそれをうまく網羅できる旅程を組む。現地でもそれぞれ行きたい場所が違えば、「じゃあ、午後はフリータイムで!◯時にホテルで待ち合わせね!」として、彼はクラフトビールを飲み歩き、私は素敵なカフェで一人読書や書き物をしたりする。

行きたい場所が違う。過ごしたい時間が違う。そこを相手に合わせようとしない。せっかくの旅行だもの、自分が行きたいところに行けばいい。いつでも、なんでも一緒がいいとは、限らない。

そんなこんなで自由なふうふ生活だけど、結婚して8年目。今が一番、仲良しだ。

3、そんな私たちは、結婚5年目に「結婚更新」をした

詳しくはこちらの記事を読んで欲しいが、個人的に「あなたを一生愛します」という誓いは、奇跡を祈るようなものだと思っている。

“永遠”なんて、”絶対”なんて、あるのだろうか。だから結婚は、”永遠”ではなく、”今”に責任を持って約束すべきではないだろうか、と。

結婚5周年を迎えた8月、5年婚のセレモニーを二人だけで行なった。特に喧嘩をしたわけでも、離婚を考えていたわけでもない。でも、馴れ合いでここからの5年間を過ごさないように。ふたりで立ち止まってこれまでを振り返り、お互いに今の気持ちを伝え合い、またゼロから夫婦をはじめる誓いを立てた。

ふうふ関係をアップデートする。
それだけで、ふたりの大切な節目になった。

4、気に食わないことは、笑いに変えてみよう

話は変わるが、私は彼の前でとにかく毎日文句ばっかり言っているようだ。別に彼に対して言っているわけではない。「暑い」「寒い」「しんどい」「お腹すいた」そんな日常に溢れる文句をたらたら言ってるだけ。聞いて欲しいだけ。別に解決を求めているわけではない。彼はそんな私の文句を軽く受け流しいつも笑っていた。でもある日、私がただただ文句たれてるだけの動画が、内緒でSNSに醸されていて絶句した。(しかもちゃんと編集されて渾身の作品に仕上がってたw)

最初はブーブー言ってた私も、乗っかってインスタにあげてみたら1日で1K視聴されてこれまた絶句。どんなに気合いを入れた投稿よりも好評で、続編を望む声が後を絶たないのがなんとも癪に障る。笑

でもこの動画を見て、私ってこんなにもふてこい感じで普段話しているのかと、自分の言動を少しは改めようと思えた。とはいえ、 #Monkullection(文句コレクションの造語らしい)とタイトルをつけてこんな風に面白がってくれる彼の優しさに引き続き甘えてはいる。


そして私はというと、彼が家中どこでも靴下を脱いで放置するのが耐えられなくて、昔は「ねぇ!!また靴下!!なんでここに置くん!!!」とピリピリ怒っていた。でも最近では「ピーポーピーポー!!靴下ポリス発動!こんなところに靴下発見!」と笑いに変えてその都度いじりながらゲーム感覚で伝えるようにしたら、自然と洗濯カゴまで持っていってくれるようになった。おーー!これはいい。伝え方一つでイライラしなくてすむのでお互いハッピーだ。

5、ふうふの形も違っていい。他人と比較する必要なんてない。

改めて言うが、私たちは「国際結婚だから」大変と感じたことは一度もない。だって国際結婚だろうが、日本人同士の結婚だろうが、他人と共に生きることであることは何も変わらない。

ウェディングプロデューサーとして、これまで何百組のごふうふ(カップル)とお会いした。いつも思うのは、ふたりが一緒にいる理由も、ふうふの形も 100 組いれば 100 通り。でもなぜかこと「 結婚 」や「ふうふ関係」となると、一般的な結婚とはこういうもの、こうせねばならない、という思い込みが強く存在する。

ふうふは一緒にいるべき。
妻は料理を作るべき。
夫は仕事で家庭を支えるべき。
結婚したら自分の時間は減らしてふたりの時間をとるべき。
などなど、、

そんな思い込みから「 息苦しくなってしまう 」「そう出来ない自分は結婚に向いていないのでは 」という悩みをよく聞く。でも生まれも育ちも、家族の形も全員違う。そんなふたりがパートナーシップを築こうと思えば、それぞれがこうありたいと考えている「ふうふ 」や「 家 族 」の形は、実は違っている可能性がある前提に立つほうが自然だと思う。

違うものを食べていても、同じ食卓を囲んでいる。自分の価値観を押し付け合わない。好きを強要しない。私たちはそれが心地いいいからそうしてる。

違っていい。
違いを面白がりさえすれば。

6、最後に

「違いを面白がる」ということは、ふうふやカップルだけじゃなくて、会社とかチームとか、2人以上の誰かと心地よいパートナーシップを築いていくためにはとても大事なことだと思う。それぞれが持っている「価値観」を知った上で、その違いを面白がるために、自分が抱いている「こうあるべき」に気付くことも必要。だからまず自分を知る。そして相手に自分を知ってもらうのだ。

これは私が主宰している「ライフログスクール」で教えている、「人生の棚卸しを通して、自分を深く知る」体験ワーク。

「ライフログメソッド」の4ステップのうち、【過去】(人生の棚卸し) をご自身で実践するセルフワークシートだ。過去の出来事や感情を書き出して、これまでの人生をメタ認知し、価値観を言語化していく。ご自身のライフトピックを紹介できるようになる「おまけシート付き」。

年末年始、実家に帰ったついでに昔の写真とか見返しつつやってみるのも楽しいと思うし、ふたりで面白がりながら取り組んでみたら、知らなかった過去について少し踏み込んで話すきっかけになるんじゃないかと思う。ぜひ活用してみて欲しい。

そして、私のパートナーシップに関する考え方を書いたnoteも並べておく。

「ふうふとはこうあるべき」という思考をちょっとでも解いたり、「ふたりのこと」を考えるきっかけになれば嬉しい。結婚は手段であって、ゴールではないし、むしろふたりの人生 、パートナーシップの始まりであって、どこに向かうかは当人たちの舵取り次第だと思う。無理にすり合わせようとせず、違いを面白がるくらいがちょうどいい。

最後までお読みいただきありがとうございました。

私が主宰するライフログスクールについてはこちらを!
オンラインサロンもやってます!




オア明奈さん
人生を祝うプロデューサー&ライフログスクール主宰


「人生を祝うことを通じて、世界の体温をあげる」をパーパスに掲げ、その人の人生に光を当てて、結婚式や誕生日などのお祝い機会、企業・地方自治体のイベントプロディースを行う。新卒から7年間コンサル会社に勤め、国際結婚を機に転職。オーダーメイドウェディングブランドCRAZY WEDDINGエグゼクティブプロデューサー、法人向けお祝い事業立ち上げを経て、2020年に独立。ポジティブ心理学を学び、組織のウェルビーイングを高めるカルチャーづくり専門家チームDelivering Happiness Japanコーチサルタントも務める。2021年、初書籍「人生肯定」をクラウドファンディングにて出版。
キャリア、ライフスタイル、パートナーシップにまつわる発信、地方自治体での講演なども積極的に行なっている。
Twitter:@akinaorr919



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