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200本の記事を書いてわかった、読者の「スキ」を引き出す企業noteの共通点

noteの「スキ」ボタンを押すのは、どんな時ですか?

「おもしろかった!」
「応援したい」
「もう一度読み返したい」

文章で心が動いたり、学びになる発見があったとき、「この記事を書いてくれてありがとう」という気持ちで「♡」をつけるという方も多いのではないでしょうか。

そんな読者のポジティブなリアクションを引き出せる記事に必要な要素を「企業note」運営者の目線で考えたいと思います。

私たちフリーランス広報ユニット「ふたり広報」では、これまでに10社以上・約200本の企業noteを作成しました。

試行錯誤をしてつくった記事に「♡」がつくと、やはり嬉しいもの。今回の記事では、スキの数が多い=読者の心を掴むことができた記事に共通するポイントを実際の事例とともにご紹介します。

企業noteの運営や記事づくりにお悩みの方」「これからnoteをはじめてみたい」という方にとって、読まれるための記事づくりの参考になれば嬉しいです。

1.ここでしか読めない舞台裏を知ることができる

photo by Eri Miura

普段私たちが目にするのは、商品やサービスなど“完成”されたもの。完成に至るまでの苦労や工夫、担当者の想いを知る機会は多くありません。

そんな普段は触れる機会が少ない、作り手の工夫やこだわりを伝える記事は、読み手の心に残る発見があり、共感を生むことができます。

たとえば、シーシャラウンジ「SWAY」の公式noteでは、江戸時代から続く鍋島虎仙窯と共作したオリジナルの湯呑みができるまでの様子を取材しました。

店舗で何気なく手に取る湯呑みひとつにも、こだわりが詰まっていることが伺えます。ものづくりの視点と店舗での体験を掛け合わせることで、SWAYならではのストーリーを届けることができました。

また、「エンタメの裏側」というテーマでは、広告なしで1200万回再生されたCM制作の過程を記事にしました。

企画からキャスティング、発信まで、それぞれの段階でセカイ監督の思考を知ることができます。さらに、実際にお話ししているような感覚で読めるように読者視点の質問を投げかけることで、セカイ監督のキャラクターも同時に伝えています。

2.思わず応援したくなる、熱量の高さ

photo by Eri Miura

読者にまず記事をクリックしてもらうには「タイトル」、読み進めてもらうには「導入」が大切ですが、読者から「スキ」を引き出すには、記事の最後の読後感が大切。

記事を通じて、「共感した」「発見があった」「応援したい」といったポジティブな感情を生むことができたら、思わず「スキ」ボタンを押してしまうのではないでしょうか。

そこで、記事を読むことで「どんな感情になってほしいか」を企画段階から考えるようにしています。

また、他者の人生をまるで自分のことのように体験できる臨場感のある内容か。その後の人生まで応援したい気持ちになってもらえるか。こんな視点が必要です。

たとえばこちらの記事では、シーシャ屋の店長を務める2人のお話。シーシャと出会ったタイミング、それを仕事にするまでの過程を追体験できます。

美容系クリエイターのプロデュースやキャスティング、マーケティング支援を手掛ける「buggy株式会社」のnoteでは、クリエイターが抱く仕事に対する想いを代表との対談により熱量高く伝えています。

活躍しているインフルエンサーの葛藤や、これからの夢を明らかにすることで、応援したい!自分も頑張ろう!という前向きな気持ちが生まれ、「♡」に繋がっているのです。

3.自分ゴト化することができる

企業の取り組みを淡々と伝える営業色の強い記事よりも、「自分の仕事にも活かすことができそう!」「明日からやってみよう!」と自分ゴト化して学びを得られる記事の方が発見があり、読んで良かったと思いますよね。

そこで企業noteであっても、主語を会社から、「人」に変えて記事を書くことができないか、は常に考えるようにしています。

たとえば、コープさっぽろの公式noteでは、企業として取り組むDX(デジタル技術を用いて、変革を目指すこと)に取り組むメンバー自身の「変化」に焦点を当て、入協から現在までの仕事や学び、今後について深掘りする連載を公開しています。

なかでも、転職を機に東京から札幌に移住したエンジニアの記事は、多くの方に読まれています。

インタビューの中で出てきた「QOLが爆上がりした」というエピソードに注目し、仕事だけでなくプライベートな時間の充実にも繋がった転職ストーリーを紹介したことで、「こんな働き方があるんだ!」と興味を持っていただけたのではないかと思います。

ふたり広報のnoteでは、メンバーの仕事におけるマイルール(習慣)を紹介していますが、こちらの記事も同じようにフリーランスとして働く人にとって、取り入れやすいTipsになっており、参考にしていただけたのではないかと思います。

4.クリエイティブなヒントがある

photo by Eri Miura

クリエイターのプラットフォームである「note」では、そのユーザー属性から「デザイン」や「暮らし」などクリエイティビティがあるテーマが特に人気です。読み手にクリエイティブなヒントを伝える記事は、読まれやすい傾向にあると言えるでしょう。

こちらの記事では、読み手がデザインの専門家の視点を通して、印刷物の制作過程を知ることができます。

記事を読む前と後では、印刷物に対する見え方が変わるはず。記事を通じて新たな視点を得たり、見過ごしていたことに注目したり、記事を通して知らなかったことを知れることもポイントです。

そのため、インタビュー時には企業や担当者の「工夫」や「こだわり」を深ぼるようにしています。

5.有料級の情報を無料で公開

noteにはランキングがありません。なので多くのユーザーは、お気に入りのライターの更新情報をチェックしたり、自分の興味関心のあるテーマを見てまわったり、今知りたい情報をキーワードで検索することが多いでしょう。

そのため、ユーザーが興味を持つテーマで、知りたいことに答える記事は、読まれやすい傾向にあります。

たとえば、ふたり広報のnoteでは、質問されることが多い「未経験からフリーランス広報になる方法」というテーマで記事を投稿しました。

この記事は、ネットで調べてもあまり出てこない「未経験」×「フリーランス広報」になるためのプロセスに注目。読者の疑問に対して、5つのステップでわかりやすく解説しています。

わかりやすさと再現性を意識して書いたことで、検索でも1番に表示される記事になりました。(2023年8月時点)

noteはクリエイターが料金を設定することもできますが、もしファンを増やしたいフェーズであれば、有益な情報も無料で公開しましょう!

なぜなら、「無料で公開してくれてありがとう!」という感謝の気持ちで「スキ」のお返しをいただける可能性が高いからです。

noteの「スキ」から企業の「スキ」へ

これまで10社以上の企業note運営に伴走、約200本の記事に関わった経験から得られた「スキ」を引き出す記事のポイントをご紹介しました。

記事を読んで「スキ」と思っていただけたら、それはきっと企業に対する「スキ」の気持ちも醸成されているはず。1本ずつ記事を丁寧に届けることで、少しずつ企業のファンは増えていくと思います。

ふたり広報では、そんな企業のファンづくりに貢献できるよう、素敵な記事を読みながらさらに企業noteの研究をしたいと思います👀

今後も「企業noteの育て方」をテーマに、連載を継続していく予定です。それでは次回もお楽しみに!

▼マガジン「企業noteの育て方」過去の記事もどうぞ!

🤝 ふたり広報
企画やデザイン、ライティングなど、様々なスキルを持つフリーランスがチームを組み、広報活動を支援。既存の広報の枠組みにとらわれない“新しい広報のカタチ”をご提案します。
https://futari-kouhou.com/

✍️Writer:あず
📝Editor:あい

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