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「なぜか最後まで見てしまうアイス屋さんのCM」はどう生まれた?「バズ動画」に必要な3つの要素

みなさんは、こちらの動画を見たことがありますか?

こちらは、新潟名物の「もも太郎アイス」をPRした「なぜか最後まで見てしまうアイス屋さんのCM」。「広告なしで1200万回再生」という脅威の数字を叩き出したCMです。

このCMの企画からキャスティング、撮影までを担当したのはセカイ監督。シュールで面白いに特化した映像広告を制作する、SNS発の映像クリエイターです。

彼はどのようにしてバズ動画を生み出しているのか? 動画設計の裏側を聞いてみました。

【セカイ監督】
大学卒業後、アパレル事業や、飲食事業などの立ち上げを経て映像クリエイターへ。2022年現在は企業PRや広告制作に携わり、シュールで面白いに特化した映像広告を制作している。SNS総フォロワー数は50万人を超える。
Twitter:https://twitter.com/sekaikantoku
Instagram:https://www.instagram.com/sekaikantoku/
YouTube:https://www.youtube.com/@user-mc2ci7ro9b
TikTok:https://www.youtube.com/@user-mc2ci7ro9b
公式サイト:https://sekaikantoku.studio.site/

「面白さ」=「既視感(あるある)」×「新しさ(!?)」

ーーアイスを頬張る制服姿のおばあちゃん…といきなりインパクト抜群のCMですが、この発想は一体どこから…?

セカイ監督:桃太郎アイスの製造元であるセイヒョーさんは、100年続く老舗のアイス屋さんなんですね。ということは、桃太郎アイスを食べて育った人は、もうおじいちゃん世代。

それで、「長年続いている」という裏メッセージも込めて、おじいちゃん・おばあちゃんを起用することにしました。

ーーふむふむ。

セカイ監督:とはいえ、目的はおじいちゃんたちに観てもらうことではなく、若い世代への認知拡大です。だから…学園を舞台にしました。このギャップがキモなんです!

ーーど、どういうことですか!?

セカイ監督:バズりやすい「面白さ」というのは、「既視感」と「新しさ」の掛け算で生まれるんですよ。

「これどこかで見たことあるな」と思うものは、理解しやすいし、入りやすい。そこに「観たことがない!」という新しさが加わると、人はシェアしたくなるんです。

お笑いであれば尖っていても評価されるかもしれませんが、広告においては「大衆ウケ」は外せないポイントなので、「既視感」を混ぜて鬼才になりすぎないことが大切なんです。

アイスのCMには、既視感のある「学園モノあるある」を入れ込むことによって、新しいながらも共感を得られるCMとなりました。

▼学園モノあるある「オモシレーオンナ」

1. 「ツッコミ待ち」の余白を作って拡散を狙え

ーー「アイスCM」はSNSを中心にとても話題になりましたが、セカイ監督はどうやってバズを起こしているんですか? 

セカイ監督:こう見えて、めちゃくちゃ綿密に設計をしています。

まず、「アイスCM」のセオリーを理解するために、過去のCM事例をすべて観ました。「この業界ではこれが鉄板!」というものを見つけてあげるんですね。

それから、誰かがシェアしてバズったアイスの投稿を探したのですが、あまり良い事例がなかったので、他のジャンルで探してリストアップしていきました。分析したのは下記です。

・シェアされそうなストーリー
・シェアされそうなキーワード
・シェアされそうなサムネイル

ーーなんだかシェアされそうなことばかりリサーチしていますね。

セカイ監督:テレビが受動的な媒体なのに対して、Webは誰かにシェアされてナンボですからね。企画段階で、二次拡散を意識するのが大切です!

そのために、ボケを放り投げるようにしています。

ーーボケを放り投げる…?

セカイ監督:漫才だと、ツッコミ役の人がツッコミを入れて「どうも、ありがとうございましたぁー!」と終わるのがセオリーですが、ネットで拡散されるのは、「ツッコミ待ち」のコンテンツなんですよ。

そのために、「こういうツッコミを入れたくなるんじゃないか」という想定をして、視聴者がツッコミを入れることで完成するような「余白」をあえて残しています

たとえば、このCMでは学園あるあるを踏襲しつつ、強引すぎる顎クイや、濃すぎるキャラクター性など、さまざまな要素を詰め込んでいるのですが、あえて何も突っ込まずにそのままにしています。

セカイ監督:「これは放送事故」「要素が大渋滞しすぎ」などのツッコミを想定しました。計算通りの「ツッコミ待ち」なんです(笑)。

2. 企画段階でSNSごとの「見せ方」を考える

セカイ監督:あと、意外とみんなやらないことですが、「SNSごとに見せ方を変える」ことも大事です。

ーーつまり、TwitterとInstagramとTikTokで文言を変えるってことですか? めんどくs…

セカイ監督:だからこそ、差をつけられるんですよ!

どうせ出すのなら、クリティカルヒットする見出しをつけて、キャッチーな入りにして、最後まで観てもらえるように工夫したいじゃないですか。

これは、動画を作ったあとからだと考えづらいので、企画段階で考えておくのがポイントです。僕は撮影前から、「おじいちゃんとおばあちゃんのキスシーンがあったら、Twitter的にキャッチーなサムネイルが作れそうだなぁ〜」なんて思っていました。

ーーすでにサムネイルの画が思い浮かんでいたんですね。

セカイ監督:そうそう。タイトルに「放送事故」と入れたらどうなるんだろう、とTwitterのサジェストワードに「放送事故」と入ったときのことを調べてみたりね。

Twitterはこのタイトル、YouTubeはこう出す、と時流を見ながら細かく設計するようにしています。

3. 「2割だけ」自分のエッセンスを入れる

ーーセイヒョーさんからは「何がそんなにウケたんだろうと、ちょっと困惑しています」とコメントをいただいているそうですが、意外といろいろ考えていたんですね。

セカイ監督:そうですね。自分のやりたいことは2割だけにして、8割はロジカルに組み立てています。

…というのも、すべて自分がやりたいことだけで構成すると、どうしてもシュールさに走っちゃって…(笑)。

セカイ監督:あまりに世界観が強すぎると、新しすぎて大衆ウケしないものができあがってしまうので、過去にウケたものを踏襲しつつ、自分のエッセンスを2割足しているイメージです。

ただ、「やりたい!」という気持ちはすごく大事ですね。自分のやりたいことは、自分が面白いと思っていることなので、映像に気持ちが乗っかっていくんですよ。

実は数年前から「おじいちゃんとおばあちゃんのCMが作りたい!」と仲間には言っていて…。

ーーそんな昔から思い描いていたとは。

セカイ監督:悲願の「おじおばCM」なんです!!

自分のやりたかったことと、セイヒョーさんが伝えたいメッセージが、奇跡的にガチッとハマったことで、このCMを提案させていただきました。

なので、ロジックは大切にしつつ、「自分がやりたいかどうか」の判断軸は大切にしていることのひとつです。

キーワードは「作品」。今後の広告トレンド予測

ーー今後の広告はどうなっていくと思いますか?

セカイ監督:広告に対して辟易しているユーザーはたくさんいるんですよ。コンテンツの隙間に挟まれている広告は邪魔者だから、ウザくてスキップしたくなる。

でも、たとえばレゴ・ブロックの映画は冷静に考えるとレゴのCMなのに、映画として面白いから観にいくし、TikTokでカップルがイチャイチャしている動画が実は何かの宣伝だったとしても、楽しいから観ちゃうよね。

これからはどの広告も、「面白い」と思える作品レベルに昇華していかないと、誰にも観られなくなると思います。

ーーみんなが求めているのは「広告」ではなく「作品」なんですね。

セカイ監督:そうなんです。僕は「広告で、笑おう。」をテーマに掲げているのですが、今は「商品を見せたい企業」と「観たくない視聴者」とのせめぎ合いが起きていると感じています。

でも、アイスのCMのように、「面白いからシェアしたい!」という広告を作ることができれば、わざわざ広告を観るために向こうから視聴者がやってくるようになる。

「このCMって面白いよね」と二次拡散されるような、そんな広告を作っていきたいですね!

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「広告で、笑おう。」

そんなセカイ監督と一緒に面白いCMを作りたいという方はこちらまで!

1. シュールで面白い映像に特化
一癖も二癖もあるけど笑える映像の専門家。コメント欄には「盛大にお茶吹いた」「この広告にGO出した会社どこだよww」と、愛のあるツッコミが殺到!

2. SNSでバズらせるノウハウ
バズる動画のつくり方や拡散される発信の方法を熟知。バズる動画のつくり方や拡散される発信の方法を熟知。バズる動画のつくり方や拡散される発信の方法を熟知。

3. 他には真似できない圧倒的な企画力
時代的に何が求められていて、どんな企画がウケやすいのか。トレンドや親しみのあるフォーマットを取り入れながらも、意外性のある作品制作に定評アリ。

興味のある方は、ぜひ下記よりお問い合わせください!

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