お店番と母の罪悪感

京都に旅行に行った時、レコ屋街で、ある店に立ち寄った。そこは特定のジャンルのCDやLPが、5畳ぐらいの店に所狭しと並んでいるところで、そのジャンルにはあまり詳しくないものの、なんとなく面白そうなCDをお土産に購入。30代ぐらいの女性が店番をしていて、その人の子どもらしい小学生になるかならないかぐらいの女の子が、おとなしくお店の端にある、キャンプで使うような簡易的な椅子に腰かけていた。私がレジでお会計をすると、その女の子がCDの包みを渡してくれた。その日は三連休の最終日だった。

「ありがとう。お休みなのにお手伝いして偉いね。」と声をかけると、女の子はニコニコしている。母親と思しきお店の女性は、それまでどちらかというととっつきにくい、静かなオーラを纏っていたのに、女の子よりもっとニコニコして、それをきっかけに少しお話した。帰り際、飴ちゃんを大量に握らせてくれた。

きっと、そのお母さんも罪悪感があるんだろう。同年代の他の子どもたちは、3連休で旅行をしたり、遊んだりしているかもしれないのに、自分の子どもはお店にずっと座りっぱなし。だから、私が何気なくかけた言葉ですごく嬉しそうにしてくれたんだと思う。飴も大量にくれて。その飴を食べながら、新幹線で実家へと戻った。



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