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Advent Calendar2022#11 細かすぎて伝わらない印刷の魅力を伝えてみたい

こんにちは。
アカウントリレーショングループ第1チームのナカジマです。
フュージョン株式会社Advent Calendar 2022はすっかり後半を迎え、11日目となりました。

唐突ですが、印刷は好きですか? 私は好きです。
「いや、印刷ってプリンターから出てくるアレでしょ。好きも何もなくない?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ところが、ところがですよ。
実は印刷は奥が深く、知れば知るほど面白い、実に沈み甲斐のある沼なのです。
フュージョンにジョインさせていただく前、私は印刷会社に勤めておりました。
印刷会社に10年勤めてきたことで印刷フリークと成ったワタクシが、
普通知らなくても一生困らない印刷の魅力をご案内いたします。

そもそも何故テーマが印刷なのか

フュージョンでは、マーケティング課題の解決方法に顧客コミュニケーションメディアとしてのDM(=ダイレクトメール)をご提案する機会が多くあります。
訴求内容や形状はクライアント課題によって様々。挨拶状やブローシャを封筒に入れて送るオーソドックスなタイプから、存在感のある化粧箱にノベルティを収録するものまで、バラエティに富んでいます。
デジタル施策全盛のこの時代にも、印刷して丁寧に制作されたダイレクトメールは確かにお客様の心に届き、行動喚起の力を持ちます。
フュージョンでは効果的なDMを提案し、実績を積み重ねてまいりました。その軌跡は日本郵便が毎年主催する全日本DM大賞での受賞実績としても刻まれています。
DM大賞についてはコチラの記事などご参照ください。
独創的なクリエイティブにワクワクしてくること間違いなし。

ということで、フュージョンと印刷とが深く関係していることがお分かりいただけたところで。


紙とインク、加工の組み合わせは無限大

まずは印刷の魅力として最も基本的なところから。印刷物は基本的に、「紙」と「インク」と「加工」の組み合わせから成ります。
印刷用の紙というと、もっともポピュラーなのは上質紙、コート紙、マットコート紙の3種類。チラシやパンフレットで多く使われ、用紙の単価もリーズナブルです。
ひとまずこの3種類さえ押さえておけば最低限綺麗に仕上がるのですが、せっかくならもっと別の用紙を使いたくなります。
そこで登場するのがファンシーペーパーと呼ばれる特殊紙。
様々な模様や風合い、豊富なカラーバリエーションが存在し、その種類は、少なくとも数百種類。数えたことはありませんが、1,000種類はあるのではないでしょうか。
例えば、ミランダという用紙は材質からして特殊で、細かなガラスのフレークが漉き込まれ、上品にキラキラと光ります。以前に、このミランダに金の箔押し加工をしたクリエイティブを制作しましたが、非常に高級感のある仕上がりになりました。
ずいぶん昔に生産終了しましたが、ストラスモアライティングレイドなどは声に出して読みたい用紙名の個人的ランキング首位を独占し続けています。

後述しますが、用紙同様にインクも実に種類が豊富です。いわゆるC(シアン)M(マゼンタ)Y(イエロー)K(ブラック)の4色だけではなく、実に数千種類を数えます。印刷加工の方法も枚挙に暇がなく、まさしくその組み合わせは無限大。
知れば知るほど、面白い組み合わせを試してみたくなります。黒い用紙に黒の箔押しなんかも良いですね。目立たないかと思いきや、思わぬ高級感を発揮します。
何年経っても「極めた」が存在しないのが、印刷の大きな魅力の1つだと思います。

当時一番衝撃的だった。印刷はズレる。

色校正が上がってくるとまずトンボを見てその黒々とした様子にウットリするような印刷フリークの私も、入社した当初は印刷について何も知りませんでした。
衝撃を受けたと今でも覚えているのは、「印刷はズレる」ということ。
考えたこともありませんでした。
コンマミリ単位ではありますが、印刷しているうち、印刷位置にはズレが生じます。だから紙の端ギリギリに文字が配置されたデザインを見ると胃が痛くなります。
ましてズレはCMYKそれぞれに対して起こります。大袈裟に言えば4色のインクそれぞれが個別にズレるリスクがあるのです。
冒頭申し上げた色校正でトンボを見る理由はここにあります。4色がズレることなくピタリと重なっていると、トンボは黒々として見えます。
それが例えばイエローが僅かにでもズレていると、トンボはボンヤリと黄色がかって見えるのです。そうした印刷物はいわゆる「版ズレ」を起こしていることになるため、簡単な品質チェックの方法の1つです。
一見、印刷は手軽に見えるため、「ちゃんと出来て当たり前」と思われがち。
あまり理解されないことではありますが、ちゃんと仕上げることが、実は大変難しいことなのです。

実は狭いCMYKの表現域

印刷はCMYKの4色で再現されると前述しましたが、対してパソコンのモニターはRGBで再現されています。実はCMYKの色の表現域は狭く、RGBの方が、より鮮やかに色を表現することが可能です。
モニターでは綺麗に見えているのに、印刷するとくすんでしまってイマイチな仕上がり。そんな体験をしたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
しかし、だからこそ印刷による色の追及には様々な工夫が凝らされてきました。
最も代表的な手法の1つが「特色インク」です。
特色とは、CMYKでは再現できない色を表現するために、特別に調合されたインクのこと。分かりやすい例で言うと金色や蛍光色など、CMYKの色域外の色でも印刷することが可能になります。その種類は実に数千色(正確な数は私も知りません)。
街中で黒と蛍光色だけのポスターなんかを見かけると、思わず良いクリエイティブだなーと感心してしまいます。
蛍光と言えば、人の肌艶の再現にも特色インクが用いられるそうです。
若い頃に「え、蛍ピン知らないんですか?」と出版社のお客様にご指摘いただいたのは良い思い出。
CMYKのうちのマゼンタの割合を少し落として、そこに特色の蛍光ピンクを補填することで、ほんのりと色づいて肌の表現力がアップします。
人物やキャラクターの印刷時に使われる手法で、この見えないけど見える工夫が素晴らしいですね。
気づかれないほどの細部へこだわる、そんなところも印刷の魅力だと思っています。

まとめ

印刷の奥深さをほんの一部ではありますが、紹介させていただきました。
普段何気なく見ている印刷物。
「この印刷物格好いいな/可愛いな/面白いな」と思うことがあったなら、それはきっと、見えない努力の結晶なのです。
少しでも印刷に興味を持っていただけたら嬉しい限りです。
ちなみに、そんな印刷フリークがフュージョンへジョインさせていただいたキッカケは、こちらの記事で紹介しております。

お手すきありましたらご覧ください。
ではまた明日の記事をお楽しみに!


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